結論:SHIFT AIは実在する登録企業が運営し、 代表の木内翔大さんも実在する人物だ。 でも「月20万稼げた」人のデータは、 公式サイトのどこにも見当たらない。 タダシなら、無料セミナーのその場で 年会費217,800円の契約書にサインしない。
Instagramの広告で「AI副業で+月20万」とうたうSHIFT AI。 運営会社の実在は国税庁の法人番号公表サイトで確認できたが、年会費217,800円・自動更新の契約条件や、広告の実績を裏づけるデータの有無は、申し込む前に確かめておきたい。
この記事の目次
まず一度、立ち止まる
Instagramの広告で「初心者でもゼロから収益化目指せる」「AI副業で+月20万」という言葉を見て、LINEを追加したところかもしれない。
止めもしないし、押しもしない。 ただ、申し込む前に一緒に確かめておきたいことがある。
タダシが確認したのは、運営会社の実在、料金と解約条件、そして広告の数字の裏づけの3つだ。 わかった事実だけを淡々と整理する。 憶測や決めつけは書かない。
なお、この記事は「SHIFT AI」および運営会社・代表者を違法・詐欺と断定するものではない。
SHIFT AIとは?勧誘の入口をたどる
SHIFT AIは、生成AIの使い方を学べる会員制のオンラインコミュニティだ。 運営するのは株式会社SHIFT AIで、代表は木内翔大さんとされている。
公式サイトには「会員数40,000人突破」「講師数100人突破」「講座数110コース1,100本以上」という数字が並ぶ。 コンテンツの量自体は、この規模感からすると本物のようだ。
広告のボタンを押すと、まずLINEの友だち追加に案内される。 そのあと届くのが、無料のオンラインセミナーの案内だ。
セミナーは合計3時間。 内訳は、AIの使い方を教える「攻略講義」が2時間、コミュニティの案内にあたる「AI大学説明会」が30分、質疑応答が30分となっている。 つまり3時間のうち、実質的な販売案内がどのくらいを占めるかは、この時点ではまだわからない。
「無料の入口→個別説明会→高額プラン」という流れ自体は、他の投資スクールでも共通する型だ。 一般的な確認ポイントは、投資セミナー・スクールに申し込む前に確かめたいこと にまとめてある。
無料の入口から、いつ・どこで金額の話が出てくるかは、意識しておきたい。 金額の大小より、料金が見える前にどこまで話が進んでいるかのほうが、まず確かめておきたいことだとタダシは思う。

運営会社は実在するか——法人番号とgBizINFOで確かめる
会社が実在するかどうかは、タダシがいつも最初に確認することだ。
特定商取引法に基づく表示には、事業者名「株式会社SHIFT AI」、代表者「木内翔大」、所在地「東京都渋谷区渋谷2丁目24-12 渋谷スクランブルスクエア」、電話番号、メールアドレスが明記されていた。
この法人番号(4011001146521)を国税庁 法人番号公表サイトで照合すると、商号・所在地は一致した。 変更履歴には、2023年6月に旧社名「株式会社10X」から現在の社名へ変更したことも記録されている。
経済産業省が運営する法人情報サイトgBizINFOでも同じ法人番号・所在地を確認できた。 業種は「教育、学習支援業」、従業員数は16人と表示されている。
運営会社の実在は確認できた。 特定商取引法の記載にも、欠けている項目は見当たらなかった。
運営会社が実在する、というのは安心材料の半分だとタダシは思う。 会社の実在と、広告で語られる収益の話が一致しているかは、また別の話だ。

「AI副業で+月20万」——広告とセミナーの数字を確かめる
広告に大きく書かれていたのが、「初心者でもゼロから収益化目指せる」「AI副業で+月20万」という言葉だ。 セミナー参加者数22万人突破、セミナー満足度94.3%という実績表示も添えられている。
登録後に届いたメッセージには、「半年後、あなたはAIを武器にできるプロになります」という一文もあった。 学ぶ内容や取り組み方次第のはずのことを、結果として断言している。
気になったのは、集めた人数や講座数はここまで細かく開示しているのに、「稼げた人数」だけがどこにも見当たらないことだ。 年会費は217,800円。 もし本当に月20万円が身につくなら、1か月ちょっとで回収できる計算になる。
それだけ回収の早い話なら、達成者の人数は一番の宣伝材料になるはずだとタダシは思う。 それを出さずに、集めた人数だけを出しているところは、正直に受け取りにくい。
もうひとつ、講師紹介のメッセージには「総務省データ:生成AIを使いこなせる人は日本でたった9.1%」という説明もあった。 総務省「令和7年版情報通信白書」で確かめると、9.1%は2023年度の数値で、直近の2024年度調査ではすでに26.7%まで上がっている。 嘘の数字ではないが、いちばん危機感をあおれる古い年度の数字がそのまま使われている形だ。
無料の入口の先で、根拠が薄い実績数値が語られるパターンは他の案件でも見かける。 AAA(AI AGENT ACADEMY)の実績表示と無料AI副業プログラム でも、同じ視点で確認している。
集めた人数はここまで数えているのに、なぜ「稼げた人」の数字だけ出てこないんだろう、とタダシは思う。
- 開示されている数字:会員数40,000人突破・講師数100人突破・講座数110コース1,100本以上
- 非開示の数字:会員の月間収益・受講後の収入実績(タダシが確認した範囲)
- 「9.1%」は総務省2023年度データ。直近の2024年度は26.7%

木内翔大氏という発信者について——侍エンジニア時代に何があったか
代表の木内翔大さんは、SHIFT AIの前にプログラミングスクール「侍エンジニア」を創業した人物として知られている。 2013年に創業し、2021年に上場企業へ事業を売却したとされる。 その翌年の2022年にSHIFT AI(当時は株式会社10X)を設立した、という流れだ。
侍エンジニア時代の2018年、無料キャンペーンの申込み期限について、複数の報道が問題を指摘している。
ねとらぼ(ITmedia)によれば、勧誘ページの期限表示がJavaScriptによって常に「1週間後」に自動更新される仕組みになっていた。
財経新聞は、これが景品表示法の有利誤認表示にあたるおそれがあると報じている。 同じ時期、J-CASTニュースによれば、会社側はDMCA(著作権侵害の申立て制度)を使って批判記事の削除要請を行い、「DMCA本来の目的から逸脱した利用を行ってしまった」として謝罪している。
消費者庁の解説によれば、景品表示法の有利誤認表示は「実際のものより著しく有利だと一般消費者に誤認される表示」を指す。 期限が常にリセットされ続ける表示そのものを消費者庁が名指しした資料は見当たらなかったが、この考え方に照らすと、当時のやり方は問題視されうるものだったと言えそうだ。
これらはいずれも8年ほど前、SHIFT AIとは別の会社・別の時期の出来事だ。 今のSHIFT AIの運営に直接問題があるという意味ではない。
ただ、SHIFT AIのセミナー案内にも「半年後、プロになります」という結果の断言があった。 期限や結果の見せ方で一度指摘を受けた人が、今も強い言い切りを続けている——申し込む前に、知っておいて損はない事実だと思う。
過去の出来事だけで、今のSHIFT AIを判断することはしない。 ただ、同じ発信者が過去にどんな指摘を受けたかは、知っておいて損はないとタダシは思う。
料金——年会費21万7,800円、月払いなら総額26万1,360円
特定商取引法のページに書かれていた料金が、こちらだ。
年払いプラン217,800円(税込)と、月払いプラン21,780円×12回で総額261,360円の2種類が明記されている。
このほかに、買い切りにあたる「生涯プラン」もあるとされる。 ネット上の複数の情報では547,800円という金額が案内されているようだが、この金額は特定商取引法のページのどこにも書かれていない。 金額を知るにはセミナーへの参加が必要だという情報もあった。 この点は、タダシが裏を取れていない伝聞として扱いたい。
生成AIを学ぶ高額プランの料金・解約条件は、他のスクールでも確認している。 Academy AIの99万円プランと中途解約条件 も同じ視点で整理した記事だ。
月払いのほうが総額が高くなる料金設計そのものは珍しくない。 ただ、無料セミナーのその場で決めるのではなく、年払いと月払いの総額差だけは電卓を叩いておきたい。
- 年払いプラン:217,800円(税込)
- 月払いプラン:21,780円×12回=総額261,360円
- 生涯プラン:547,800円という情報が複数あるが、特商法ページには記載なし(伝聞)

中途解約したら、いくら戻る?——契約条件を確かめる
料金と合わせて確認したいのが、契約期間と解約の条件だ。
特定商取引法のページには、デジタルコンテンツの性質上、返品は不可、通信販売にあたるためクーリング・オフの対象外と明記されていた。
ただし、返品ができないことと、途中で解約できないことは別の話だ。 所定の中途解約手数料を払えば、契約期間中でも解約はできる、と続けて書かれている。
最低利用期間は1年間で、解約の申し出がなければ同一条件で自動更新される。 中途解約の手数料は次の通りだ。
特商法ページには、実際の計算例も載っていた。 月払いプランを3か月で解約すると、既払い分65,340円は返らないうえに、解約手数料78,408円が別途かかり、総負担額は143,748円になるという。
消費者庁の解説によれば、通信販売にはクーリング・オフ制度がなく、事業者が広告であらかじめ示した返品・解約の特約が優先されるのが一般的なルールだ。 一方、エステや語学教室など「特定継続的役務提供」にあたる7つの役務は、クーリング・オフ後も中途解約権が法律で保障されている。 SHIFT AIの契約がどちらの整理になるのかは、タダシが確認した一次情報だけでは断定できなかった。
迷ったときは、国民生活センターの消費生活センター等の相談窓口案内に相談すれば、長期契約のオンラインサービスをやめる際の解約金トラブルも扱ってもらえる。
高額な講座の中途解約条件は、他の案件でも確認している。 金継ぎメソッド(KIKI)の165万円講座と中途解約条件 も同じ切り口の記事だ。
「1年契約・自動更新・返品不可・クーリング・オフ対象外」——この4つは特商法ページにきちんと書かれている。 書かれていること自体は誠実さのひとつだとタダシは思う。 ただ、無料セミナーのその場でこの4つを読み返す余裕はあるだろうか。
- 契約から3か月以内に解約:残存期間会費の40%
- 契約から7か月以内に解約:残存期間会費の20%
- 契約から8か月以降に解約:残存期間会費の10%

口コミ・評判は両論あった
ネット上には、良い評判と気になる評判の両方があるとされている。
「講師の質が高い」「同じ目標を持つ仲間と勉強できる」という声がある一方、「コンテンツが多すぎて自分で選んで進める必要がある」「1年契約と自動更新の仕組みに気づかず契約してしまった」という声もあるとされる。
これらはあくまでネット上の伝聞で、タダシが裏を取れたものではない。 叩かれているのは講座の中身そのものではなく、契約条件のわかりにくさのほうのようだ。
口コミの良し悪しだけを判断材料にはしない。 運営会社の実在、料金、解約条件——ここまで確認した公開情報のほうを、判断の軸にしたい。
判断するときに押さえたいこと
ここまでのチェック項目を、あなた自身の手で埋めてみてほしい。 タダシが国税庁の法人番号公表サイトとgBizINFOで確認できたのは、株式会社SHIFT AIの実在、法人番号4011001146521、旧社名「株式会社10X」から2023年6月に商号変更した経緯——ここまでだ。 特定商取引法の表示にも、事業者名・所在地・連絡先の欠落は見当たらなかった。 一方で、確認できなかったこともある。 「AI副業で+月20万」という広告の主張を裏づける会員の収益実績データは、タダシが探した範囲では見当たらなかった。 会員数・講師数・講座数はここまで細かく開示されているのに、この数字だけがない。 年会費217,800円、または月払い総額261,360円。 契約期間は1年で自動更新、返品不可、通信販売のためクーリング・オフの対象外——これらは特定商取引法の表示に明記されていた。 中途解約には残存期間会費の10〜40%の手数料がかかる。 代表の木内翔大さんには、前身の「侍エンジニア」時代の2018年、キャンペーンの期限表示をめぐって複数の報道機関から指摘を受けた過去がある。 これは別の会社・別の時期の出来事であり、SHIFT AIそのものへの指摘ではない。 ただ、知っておいて損はないと思う。 だから「詐欺だ」と決めつけはしない。 ただ、217,800円を払う前に、この記事のチェック項目は自分の手で埋めてみてほしい。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。
- 運営会社「株式会社SHIFT AI」を、法人番号4011001146521で国税庁の法人番号公表サイト・gBizINFOと照合したか(旧社名「株式会社10X」からの商号変更履歴も確認したか)
- 「AI副業で+月20万」「初心者でもゼロから収益化目指せる」という広告の主張を裏づける、会員の収益実績データが公式サイトのどこかにあるか、自分の目で探したか
- 無料セミナーの場で即決せず、年払い217,800円と月払い総額261,360円の差、契約期間1年・自動更新の条件を特定商取引法の表示で確認したか
- 中途解約した場合の手数料(契約から3か月以内40%/7か月以内20%/8か月以降10%)を、自分の解約タイミングに当てはめて計算してみたか
- 「生成AIを使いこなせる人は日本でたった9.1%」のように紹介される数字が、最新のデータかどうかを総務省の白書などの一次情報で確かめたか
- 契約するかどうか迷ったら、消費生活センター等の相談窓口へ相談する選択肢も検討したか
出典・参考情報
- 国税庁 法人番号公表サイト(株式会社SHIFT AI) ↗
- 経済産業省 gBizINFO(株式会社SHIFT AI) ↗
- 消費者庁「特定商取引法ガイド/通信販売」 ↗
- 消費者庁「特定商取引法ガイド/特定継続的役務提供」 ↗
- 消費者庁「表示に関するQ&A」(景品表示法・有利誤認表示) ↗
- 総務省「令和7年版情報通信白書」 ↗
- ねとらぼ(ITmedia)「『侍エンジニア塾』運営会社、DMCA悪用で謝罪」 ↗
- J-CASTニュース「自社の批判記事を検索結果から削除...会社が謝罪」 ↗
- 財経新聞「キャンペーン期限をJavaScriptで自動更新のプログラミングスクール、景表法違反で炎上」 ↗
- 国民生活センター「消費生活センター等の相談窓口案内」 ↗

タダシ
情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。