「完全自動で5億円、48億円」——そんな見出しのFX自動売買システム『億の約束』の広告やLINE登録画面を見て、心のどこかで引っかかっているなら、その「なんとなく不安」は、たいてい正しい。 先に大事なことを言っておく。 タダシが公開情報を確認した範囲では、『億の約束』を『詐欺だ』『違法だ』と断定できる公的な記録は見当たらなかった。 ただ、参考にした検証記事によれば、無料登録後に届く案内メールの差出人名と、特定商取引法に基づく表示に記載された販売業者名は、同じではないという。 止めもしないし、押しもしない。 ただ、無料登録の先で示されるという料金プランに進む前に、一緒に確かめておきたいことがある。 なお、この記事は『億の約束』および販売元とされる『株式会社Works Agency』を違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。
FX自動売買システム『億の約束』(開発者名義:TAMURA、販売元とされる株式会社Works Agency)について、宣伝文句・無料登録後の勧誘導線・運営会社の法人番号や特定商取引法に基づく表示を、タダシが公開情報から中立的に確かめる。 無料登録の先で示されるという料金プランに進む前に、確認しておきたいポイントを整理した。
この記事の目次
まず一度立ち止まる
わかった事実だけを淡々と整理する。 憶測や決めつけは書かない。 『億の約束』は、開発者名義を「TAMURA」とする、FXの完全自動売買システム(EA)だ。 無料の登録フォームから、案内メールや動画講座へ進む導線になっているという。
この記事では、宣伝ページでうたわれている実績、無料登録後の勧誘の流れ、運営会社「株式会社Works Agency」の実在確認、という3つの順番で見ていく。 急いで結論を出す必要はない。 申し込む前の今なら、まだいくらでも確かめる時間がある。
「億の約束」の宣伝文句を、そのまま確かめる
参考にした検証記事に掲載された画像によれば、「億の約束」の宣伝ページには「完全自動で5億円、48億円という、信じられない金額を稼ぎ出すポテンシャルを持つEA」「知識がなくても、経験がなくても、自信がなかったとしても、すべての人が、同じようにトレードできてしまう」という文言が並んでいるという。
「勝率97%、衝撃の341連勝」という文言も、参考にした検証記事に掲載された画像で確認できる。 ただし、この数字を裏付ける第三者機関の検証結果や取引履歴は、タダシが確認した範囲では公開されていなかった。 相手の主張する数字は、そのまま鉤括弧で引用したうえで、裏付けの有無を確かめるのがタダシのやり方だ。
FXは値動きによって利益にも損失にもなる商品だ。 消費者庁の特定商取引法ガイドは、実際より著しく優良だと誤認させる表示を「誇大広告」として禁じている。 「完全自動で億」という表現がこの誇大広告に当たるかどうかは個別の事案ごとの判断になるため、タダシの立場で断定はできない。

登録後にどんな流れで勧誘されるか
参考にした検証記事によれば、「億の約束」の無料登録フォームに入力すると、まず案内メールが届く。 差出人名は「『億の約束』無料講座」、差出人メールアドレスは「crossretailing.co.jp」というドメインだったという。
ここで気になるのは、この「crossretailing.co.jp」というドメインが、後述する特定商取引法に基づく表示に記載された販売業者「株式会社Works Agency」とは、別の名前に見える点だ。 タダシが確認した範囲では、「crossretailing.co.jp」は「クロスリテイリング株式会社」という、Works Agencyとは別の法人が運営するドメインだった。 クロスリテイリング株式会社は、同社の公式サイトによれば関東財務局に投資助言・代理業として登録しているというが、この登録が「億の約束」の販売元であるWorks Agencyにも及ぶかどうかは、タダシの手元では確認できなかった。
同じ構図の勧誘が報告されている、別のFX自動売買案件では、「キングスキャルFX」(山口孝志)を確かめた記事もあわせて確認しておきたい。 登録メールの差出人名と、契約する相手の名前が同じかどうかは、無料登録の段階でも確かめられるポイントだ。

運営会社「株式会社Works Agency」を法人番号・特商法表記で確かめる
参考にした検証記事によれば、「億の約束」の特定商取引法に基づく表示には、販売業者「株式会社Works Agency」、運営責任者「伊藤弘人」、所在地「東京都墨田区錦糸一丁目2番1号」、電話番号「03-6284-1634」と記載されているという。
そこでタダシは、国税庁の法人番号公表サイトで「株式会社Works Agency」の実在を確かめた。 法人番号(9010001180732)と、所在地「東京都墨田区錦糸一丁目2番1号」は、公表サイトの記録と一致した。 法人としての実在は確認できる案件だ。
ただし、国税庁の法人番号公表サイトが公表するのは「名称」「所在地」「法人番号」の3情報だけで、代表者名は公表対象に含まれていない。 特定商取引法に基づく表示にある「運営責任者 伊藤弘人」という個人名が、登記上の代表者と同一かどうかまでは、この公的サイトだけでは確認できない。
金融庁は、無登録で金融商品取引業を行った業者の名称を公表しているが、タダシが確認した範囲では、この一覧に「株式会社Works Agency」の名前は見当たらなかった。 ただし金融庁自身が「掲載されていない者でも、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ます」と注記しているとおり、掲載がないことは、無登録ではないことの証明にはならない。

金融庁・法令に照らすとどう見えるか
金融商品取引法第38条は、「顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて」勧誘する行為を禁じている(断定的判断の提供——「必ず上がる」など、不確実な値動きを確実だと誤解させる勧誘のこと)。 「完全自動で5億円、48億円」という表現がこの条文にいう断定的判断に当たるかどうかは、タダシの立場では判断できない。 ただ、条文の存在自体は確認できる。
同法第29条は、投資助言・代理業を含む金融商品取引業を、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行えないと定めている。 FX自動売買ソフト自体の販売は直ちに投資助言業に該当するとは限らないが、断定的な利益表現を伴う勧誘や、実質的な運用の一任があれば、この規制の対象になりうる。
国民生活センターは、簡単に高額収入を得られるとうたう副業・投資の儲け話への注意を呼びかけており、情報商材に関する相談件数は増加傾向にあると公表している。 なお、この注意喚起は『億の約束』を名指ししたものではない。 無料EA配布型の案件では、「ENEL-EAの記事」や「シトリンEAの記事」でも、同じ構図の勧誘が報告されている。
「登録してしまったけれど、この先どうしたらいいかわからない」——そう感じているなら、案件名・URL・届いたメールやLINEのスクリーンショットを、公式LINEで送ってほしい。 タダシが、公開情報と突き合わせて確認ポイントを一緒に整理する。 相談は無料で、申し込みや購入を勧めることはしない。
判断するときに押さえたいこと
チェックの項目は、ぜひあなた自身の手で埋めてみてほしい。 タダシが公開情報で確認できたのは、ここまでだ。 「株式会社Works Agency」という法人の実在は確認できたが、無料登録メールの差出人名との食い違いや、掲げられている実績の裏付けは、確認できなかった。 だからといって、「億の約束」を詐欺だと決めつけるつもりはない。 確認できたことと、確認できなかったことを、混同しないでおきたいだけだ。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。
- 無料登録後に届くメールやLINEの差出人名と、特定商取引法に基づく表示の販売業者名が同じかどうかを見比べたか
- 販売業者「株式会社Works Agency」の名前を、国税庁の法人番号公表サイトで自分でも検索してみたか
- 「株式会社Works Agency」やその関連会社が、金融庁の無登録業者の名称公表ページに載っていないか、自分でも確認したか
- 「完全自動で5億円」「勝率97%」といった数字について、裏付けとなる資料の提示があるかを確かめたか
- 料金プランや返金条件が、特定商取引法に基づく表示のどこに、どう書かれているかを確認したか
- 案件名・URL・勧誘文のスクリーンショットを、申し込む前に手元に残してあるか

タダシ
情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。