「シトリンEAの運用実績、約4か月で189万円——本当なんだろうか」 もしそう思っているなら、まず伝えておきたいことがある。 タダシが確認した範囲では、参考にした記事には「シトリンEA」というFX自動売買ソフトを2026年3月から7月まで運用し、累計利益189万円だったとする画像が並んでいる。 ただし、月別の実績として示された画像を1枚ずつ見比べると、5月分と6月分の個別取引データが同じに見える箇所があった。 合計額の数字だけが違っている。 記事の随所には、公式LINEへの登録を促すバナーがあり、「今なら無料でEAがもらえる」というキャンペーンも案内されている。 なお、この記事は「シトリンEA」「ミナトの秘密投資ブログ」を違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが画像や公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。

この記事の要点

LINE友だち追加で「無料でEAが使える」とうたい、FX自動売買ソフト「シトリンEA」の約4か月間の運用実績(累計利益189万円)を公開しているブログ記事がある。 タダシが画像を1枚ずつ照合したところ、月別の実績画像の一部で個別取引データが重なって見える点や、運用開始日の表記が画像によって異なる点が見つかった。 無料EA配布とLINE登録という導線は、消費者庁が過去に処分した勧誘の型とも重なる部分がある。 運営元の実在や実績の裏付けについて、タダシが公開情報で確認できたこととできなかったことを整理する。

この記事の目次
  1. 「シトリンEA」運用実績記事の主張を確認する
  2. 「トータル実績」画像に書かれている数字を確認する
  3. 「3月の実績」画像を確認する
  4. 「4月の実績」画像を確認する
  5. 「5月の実績」画像を確認する
  6. 「6月の実績」画像は、5月の画像とどこまで同じに見えるか
  7. 無料EA配布・LINE登録という導線を、金融庁・警察庁の注意喚起と照らす
  8. 「EA」を無料・紹介型で広める勧誘が、実際に処分を受けた例とトラブル増加の統計
  9. 判断するときに押さえたいこと
  10. 出典・参考情報

「シトリンEA」運用実績記事の主張を確認する

結論を急ぐ前に、ひとつだけ確かめておきたい。 確かめたいのは、参考記事が何を主張しているのか、その中身だ。

参考にした記事は「ミナトの秘密投資ブログ」というサイトに掲載されていて、運営者を名乗る「ミナト」が、FX自動売買ソフト「シトリンEA」を2026年3月から7月まで運用した実績を紹介している。 同じブログでは「ルチルクオーツEA」「タイガーアイEA」という名前のEAも紹介されていて、タイガーアイEAは「GOLD専用の自動売買システム」とうたわれている。

ただし、タダシが確認した実績画面に写っていた取引は、いずれもEURUSD(ユーロ/米ドル)だった。 ゴールド(XAUUSD)の取引は、少なくとも今回タダシが確認した画像の中には見当たらなかった。

記事の随所には、公式LINEへの登録を促すバナーが置かれている。 参考記事によれば、今なら友だち追加した人にEAを無料でプレゼントするキャンペーンを実施しているという。 似た「EA無料配布×LINE登録」型の案件については、「無料EAプレゼント」は大丈夫?VPSでFX自動売買を始める前の確認ポイントでも確認ポイントを整理している。 まずは、この入り口の形を押さえておこう。

  • 運営者・ブログ名:「ミナト」/「ミナトの秘密投資ブログ」
  • 紹介されているEA:シトリンEA(メイン)、ルチルクオーツEA、タイガーアイEA(GOLD専用と案内)
  • 実績画面に写っている取引はEURUSD(ゴールドの取引は確認できず)
  • キャンペーン:LINE友だち追加でEAを無料配布

「トータル実績」画像に書かれている数字を確認する

ここからは、タダシが画像で直接確認できた範囲の話をする。 参考記事には「トータル実績」という表題のMT5画面のスクリーンショットが掲載されている。 画面のタイトルバーには「FDC2290244803-リモートデスクトップ接続」と表示されていて、遠隔のパソコン(VPSなど)に接続してMT5を動かしている様子がうかがえる。

画面には「期間指定」という小窓が開いていて、始点:2026/03/01、終点:2026/07/03と入力されている。 チャート下部には「1 891 286」という数字が表示されていた。

一方、同じ記事内の別のバナー画像には、運用期間が「2026年3月4日から7月3日」と書かれている箇所もあった。 運用開始日の表記が、画像によって3月1日と3月4日でわずかに揺れている。 どちらが正しいのかは、タダシが確認した範囲では判別できなかった。

累計利益「+1,891,286円」という数字自体は、複数の画像で共通して使われていて、この点は一致している。 この数字が、実際の入出金明細を伴う金額なのかどうかは、次の月別の画像で確かめていきたい。

「3月の実績」画像を確認する

ここからは、月別に示された画像を1枚ずつ見ていく。 まずは「3月の実績」という表題のスクリーンショットだ。

画面はMT5のモバイル版アプリのような見た目で、上部に「損益:879 658」という数字が表示されていた。 下には、EURUSDのbuy 0.02・sell 0.02といった約定が5件、価格と日時つきで並んでいる。

日時の欄には「2026.03.31 23:50:43」という、ほぼ同時刻の約定が5件続けて記録されていた。 1秒に満たない間隔で複数の注文が約定していることになる。 自動売買(EA)であればあり得ない話ではないが、タダシが確認できたのは、この画面に写っている範囲までだ。

  • 3月の損益として表示された数字:879,658円
  • 表示されている約定:EURUSDの売買5件、いずれも2026.03.31 23:50:43前後
  • 取引の全件(月内すべての約定)が表示されているかは、この画像だけでは確認できない
「シトリンEA」の運用実績のうち「3月の実績」とされるMT5モバイル画面。損益879,658円、EURUSDの約定5件が表示されている
参考記事の「3月の実績」画像。損益は879,658円、EURUSDの売買5件が2026.03.31 23:50:43前後にまとまって表示されている。(出典:参考記事内のスクリーンショットより)

「4月の実績」画像を確認する

続いて「4月の実績」の画像を確認する。 上部の損益は「357 285」円と表示されていた。

並んでいる約定も、3月と同じくEURUSDの売買5件。 日時は「2026.04.30 23:50:42」前後に集中していた。

3月・4月とも、月の最終日の夜、ほぼ同時刻にまとまって約定しているという見え方は共通している。 この点についての説明は、タダシが確認した範囲では参考記事に見当たらなかった。

  • 4月の損益として表示された数字:357,285円
  • 表示されている約定:EURUSDの売買5件、2026.04.30 23:50:42前後に集中
「シトリンEA」の運用実績のうち「4月の実績」とされるMT5モバイル画面。損益357,285円
参考記事の「4月の実績」画像。損益は357,285円、EURUSDの売買5件が2026.04.30 23:50:42前後にまとまって表示されている。(出典:参考記事内のスクリーンショットより)

「5月の実績」画像を確認する

「5月の実績」の画像には、上部に「損益:245 576」円と表示されている。

下に並ぶ約定は5件で、いずれもEURUSD(ユーロ/米ドル)の売買だった。 日時はすべて「2026.05.30」と表示されている。

  • buy 0.03 1.12877→1.13657(+3,492)
  • buy 0.03 1.13492→1.14286(+3,554)
  • buy 0.03 1.13324→1.14055(+3,270)
  • sell 0.02 1.12542→1.11874(+1,892)
  • sell 0.02 1.12765→1.12059(+1,999)
「シトリンEA」の運用実績のうち「5月の実績」とされるMT5モバイル画面。損益245,576円
参考記事の「5月の実績」画像。損益は245,576円、EURUSDの売買5件が2026.05.30として表示されている。(出典:参考記事内のスクリーンショットより)

「6月の実績」画像は、5月の画像とどこまで同じに見えるか

続いて「6月の実績」の画像を確認する。 上部の損益は「314 161」円と表示されていた。 5月の245,576円とは異なる数字だ。

ところが、下に並ぶ5件の約定を見比べると、価格・数量・利益額が、5月の画像とすべて同じだった。 違っていたのは、日時の表記が「2026.05.30」から「2026.06.30」に変わっている点だけだ。

これがどういう理由によるものかは、タダシが確認した範囲では参考記事に説明が見当たらなかった。 同じ取引データが2つの月に重ねて表示されているという見え方は、タダシが直接照合して気づいた事実として、正直に記録しておきたい。 この一致だけをもって、運用実績の真偽を断定するつもりはない。 ただ、月ごとの実績として提示する画像であれば、その月固有の取引が表示されているのが自然だとも思う。

  • 6月の損益として表示された数字:314,161円(5月とは異なる)
  • 表示されている約定5件の価格・数量・利益額は、5月の画像と同一に見えた
  • 違いは日時の表記のみ(2026.05.30→2026.06.30)
「シトリンEA」の運用実績のうち「6月の実績」とされるMT5モバイル画面。損益314,161円。個別取引の内訳は5月の画像と同じに見える
参考記事の「6月の実績」画像。損益は314,161円で5月とは異なるが、表示されている個別取引(価格・数量・利益額)は5月の画像と同一に見えた。日時表記だけが2026.05.30から2026.06.30に変わっている。(出典:参考記事内のスクリーンショットより)

無料EA配布・LINE登録という導線を、金融庁・警察庁の注意喚起と照らす

ここで、ひとつはっきりさせておきたい。 以下で紹介する金融庁・警察庁の注意喚起は、「シトリンEA」「ミナト」を名指ししたものではない。 これらの名称が公的機関の処分・公表の対象になっている事実は、タダシが確認した範囲では見当たらなかった。

金融庁は、SNS上の投資勧誘について、偽広告やURLからLINEグループへの参加に誘導され、「口座開設や入金を要求される」という型を注意喚起している。 同庁のSNS・マッチングアプリ等の投資勧誘への注意喚起でも、同様の勧誘の型が説明されている。

警察庁も、SNS型投資詐欺のページで、「著名人が無料で投資教室を開催したり、確実に利益が出る投資話を無料で教えたりすることは基本的にありません」と、「無料」を入り口にした勧誘に注意を呼びかけている。

「無料でEAを配布し、LINE登録の先で海外FX業者の口座開設に案内する」という導線は、この型と重なる部分がある。 海外業者については、金融庁が無登録業者との取引は要注意で、「業務の実態等の把握がそもそも難しく、仮にトラブルが生じたとしても、業者への追及は極めて困難」と述べている。 タダシが確認した範囲では、口座開設先とされる海外FX業者の名称は、参考記事内で明確には特定できなかった。 海外FX業者の出金トラブルについては、XM(XMTrading)の出金拒否は本当?海外FX業者を使う前に公開情報で確かめるでも整理している。

  • 偽広告・LINE誘導から始まり、口座開設・入金を求められる型(金融庁)
  • 「無料」をきっかけにした投資教室・投資話への注意(警察庁)
  • 海外の無登録業者は、トラブル時の追及が極めて困難(金融庁)
金融庁によるSNS投資勧誘への注意喚起ページ
金融庁は、著名人を装ったSNS上の広告や投稿による投資勧誘に注意を呼びかけている。(出典:金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください」)

「EA」を無料・紹介型で広める勧誘が、実際に処分を受けた例とトラブル増加の統計

参考までに、EA(自動売買ソフト)を無料・紹介料型で広める勧誘の仕組みが、実際に行政処分を受けた例がある。

消費者庁は2023年7月、FX自動売買ツール作成ソフト「EA development for MT5」の勧誘を行っていた連鎖販売業者に対し、特定商取引法に基づく取引等停止命令を出した。 処分理由には、「一緒にやろうよ、損はしないから」といった断定的判断の提供や、投資未経験者への高額契約の勧誘が挙げられている。

この処分の対象は「Liam Co.,Ltd.」こと上倉大知という別の事業者であり、「シトリンEA」「ミナト」とは無関係だ。 ただ、「EA無料配布+紹介・登録の勧誘」という型自体に、実際に法律違反として処分された前例があることは、押さえておきたい事実だと思う。

国民生活センターによれば、SNSをきっかけとした金融商品・サービスの消費者トラブルの相談件数は、2021年度52件から2023年度1,629件へと、2年で約9.6倍に増えている。 件数の急増自体が、この種の勧誘への注意を呼びかける根拠になっている。

  • EA(自動売買ソフト)の無料配布・紹介型勧誘が、特定商取引法違反で処分された前例がある(別事業者)
  • SNSきっかけの投資相談件数は2021年度52件→2023年度1,629件
国民生活センターのSNS投資トラブル急増の注意喚起ページ
国民生活センターは、SNSをきっかけとした投資トラブルの急増に注意を呼びかけている。(出典:国民生活センター)

判断するときに押さえたいこと

ここまでのチェック項目を、あなた自身の手で埋めてみてほしい。 タダシが画像で直接確認できたのは、ここまでだ。 「シトリンEA」の運用実績として示された画像には、累計利益189万円という数字が繰り返し登場し、月別の実績を足し合わせた計算もおおむね一致していた。 一方で、運用開始日の表記が画像によって2026年3月1日・3月4日と揺れていた点、そして5月の実績画像と6月の実績画像で、個別取引の価格・利益額が同じに見えた点は、タダシが照合して気づいた事実として正直に記しておきたい。 口座開設先とされる海外FX業者の名称、運営者「ミナト」の実在や特定商取引法に基づく表示については、タダシが確認した範囲では特定できなかった。 「シトリンEA」「ミナト」を詐欺だと決めつけているわけではない。 ただ、運用実績の画像が示す数字と、その内訳が本当に月ごとに独立したものかどうかは、別の話だというのが、タダシの率直な感想だ。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • 「シトリンEA」「ミナトの秘密投資ブログ」の運営者の氏名・所在地・電話番号(特定商取引法に基づく表示)を、登録前に確認したか
  • LINE登録の先で案内される口座開設先が、金融庁の登録業者一覧または無登録業者の名称公表ページのどちらで確認できるか調べたか
  • 「累計利益189万円」の根拠として、全期間の約定履歴が省略なく開示されているかを確認したか
  • 「必ず」「安心」といった断定的な言い回しに、根拠となる裏付けが伴っているかを確認したか
  • 判断に迷ったときの相談先として、消費者ホットライン188や金融庁の相談窓口を知っているか
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報