結論:FUNDINNOの運営会社は関東財務局登録の第一種金融商品取引業者で、 日本証券業協会の一覧にも載っている実在の会社だ。 ただし、未上場株投資という商品そのものは換金しにくく、元本割れの可能性も消えない。 申し込む前に、この換金性の低さに納得できるかどうかで、一度立ち止まってほしい。
株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO(ファンディーノ)」について、運営会社の登録番号・日本証券業協会への掲載・東証グロース上場実績を公開情報で確認し、未上場株投資特有の換金性の低さやリスクを整理する。
この記事の目次
ファンディーノを運営する会社を確かめる
まず確かめたいのは、ファンディーノを運営しているのがどこの会社か、という点だ。 運営会社は株式会社FUNDINNOで、特定商取引法に基づく表示には第一種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2957号という登録番号が記載されている。 本社の所在地は東京都港区芝五丁目29番11号で、加入協会として日本証券業協会・証券金融商品あっせん相談センター・日本投資者保護基金の3つが並んでいる(出典:FUNDINNO特定商取引法に基づく表記)。
ここでタダシが確かめたかったのは、この登録番号がFUNDINNO自身の発表だけのものではないか、という点だ。 日本証券業協会は、株式投資型クラウドファンディング業務を行う金融商品取引業者の一覧を独自に公表している。
その一覧に、株式会社FUNDINNOが加入日2016年11月1日で確かに掲載されている(出典:日本証券業協会)。 これはFUNDINNO自身とは独立した第三者による確認だ。 特商法表示の登録番号を、業界団体側の記録でも裏取りできたことになる。
そもそも証券会社は、原則として未公開株を積極的に勧誘できないというルールがある。 ただし、株式投資型クラウドファンディングという枠組みは、この原則の例外として法律上認められている——このあたりの整理は信頼できる株の相談先・情報サービスの見分け方でも触れた。 ファンディーノは、その例外枠組みの中で運営されている事業者ということになる。
もうひとつ確認できたのは、ファンディーノ自身が実在する上場企業として市場に立っているという事実だ。 運営会社の株式会社FUNDINNOは2025年12月5日、東証グロース市場に新規上場した(証券コード462A)。 公開価格620円に対して、初値は883円だったと報じられている(出典:Yahoo!ファイナンス/みんかぶ配信)。
ここまでの事実を並べると、登録されているかどうかは、タダシが確認した範囲では「はい」と言える。 ただ、それは「リスクがない」ということとは、別の話だ。 上場企業だからといって、個別の案件ごとのリスクや条件まで保証されるわけではない。
- 日本証券業協会の一覧で「FUNDINNO」を検索する
- FUNDINNOの特定商取引法に基づく表示で、登録番号(関東財務局長(金商)第2957号)を照合する
- 金融庁の金融事業者一括検索(search.fsa.go.jp)で同じ登録番号を照合する
- 証券コード462Aで、東証グロース市場の上場情報を確認する

同じ「クラウドファンディング」でも中身は全然違う
「クラウドファンディング」という言葉を聞くと、 なんとなく一つのイメージで捉えてしまいがちだ。 でも実際には、この言葉のなかにまったく性質の違う仕組みが同居している。 大きく分けると、寄付型・購入型・貸付型(ソーシャルレンディング)・株式投資型の4つだ。
寄付型は、支援したお金に対して 金銭的なリターンを求めない仕組みだ。 購入型は、支援の見返りに商品やサービスを受け取る仕組みで、 通信販売に近い形として消費者庁の特定商取引法ガイド(通信販売のルール)の対象になり得る。 この2つには、投資家保護のための特別な登録という枠組みは、タダシが確認した範囲では出てこない。
一方、貸付型(ソーシャルレンディング)と株式投資型は、 お金を出した先から金銭的なリターンを受け取る仕組みだ。 ここから先は、監督の重さがはっきり変わる。 金融庁はソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意くださいのなかで、「ファンド持分の募集又は私募の取扱い等に該当するため、金融商品取引法の規制対象となり第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があります」と説明している。
株式投資型クラウドファンディングは、 これともまた別物だ。 日本証券業協会は、株式投資型クラウドファンディングの制度概要を、非上場株式の発行によってインターネットを通じ多くの人から少額ずつ資金を集める仕組みだと説明している。 この仕組みを扱う業者には、貸付型よりも重い第一種少額電子募集取扱業者という登録区分が必要になる。 今回取り上げるFUNDINNOは、この株式投資型の枠組みに位置づけられるサービスだ。
ここで、一度立ち止まっておきたい。 登録が確認できる、運営会社の実在や上場が確認できる―― こうした材料がそろっていても、 それは「あらゆるリスクがゼロになった」という意味ではない。 株式投資型で受け取るのは、あくまで非上場企業の株式だ。 上場株のように毎日値段がつくわけではないし、 投資先の会社が事業に失敗すれば、価値がゼロに近づくこともある。
逆に、「クラウドファンディング」という言葉が出てきただけで、 危ないと決めつけることもできない。 株選びナビでは以前、同じ「クラウドファンディング」を名乗る別の入口として、 「支援型クラウドファンディング」(合同会社シルバー)は怪しい?出資・出金の前に確かめたい確認ポイントという案件も確認したことがある。 あちらは、支援・寄付に近い言葉を使いながら 出資や配当が絡む、性質のはっきりしない案件だった。 同じ「クラウドファンディング」という言葉でも、 法律上の扱いも確認すべきポイントも、まったく別物になる。
「クラウドファンディング」という言葉だけで、 安心も不安も決めないほうがいい、とタダシは思う。 大事なのは、その案件がどの種類の仕組みで、 どこが監督しているのかを、まず確かめることだ。
- 寄付型:特別な登録の枠組みはない/リターンは金銭的なものなし/実施主体が実在し説明通りに使われるかが軸
- 購入型:特定商取引法(通信販売)の対象になり得る/リターンは商品・サービス/納期の遅延や不履行が軸
- 貸付型(ソーシャルレンディング):金融商品取引法上の第二種金融商品取引業の登録が必要/リターンは利息などの分配金/貸付先の返済状況・元本割れが軸
- 株式投資型:金融商品取引法上の第一種少額電子募集取扱業者の登録が必要/リターンは非上場株式そのもの/非上場ゆえの流動性・事業継続が軸
実際の投資案件を見てみる——少額から株主になれる仕組み
FUNDINNOは、上場していないベンチャー企業の株式に、1口10万円前後という少額から投資できる仕組みだ。 証券会社を通さず、個人が直接ベンチャーの株主になれる株式投資型クラウドファンディング、というのが最大の特徴になる。
タダシが実際の投資案件一覧ページを見てみると、複数の募集案件が並び、それぞれに目標募集額に対する達成率が表示されていた。 中には300%を超える達成率の案件もあり、人気の高さがそのまま数字に出ている、という印象を受けた。
ここで確かめておきたいのが、個人が投資できる金額の上限だ。 日本証券業協会の「制度の概要」によれば、1人の投資家が同一の発行会社に投資できる金額は、年間で純資産等の5%等に応じた額または50万円のいずれか高い額(最大200万円)までと定められている。
資金を集める企業の側にも上限がある。 株式投資型クラウドファンディングで企業が年間に調達できる金額は5億円未満までで、これは金融庁が2024年11月26日に発表した政令改正によって、それまでの1億円未満から引き上げられた経緯がある。
FUNDINNOの公式サイトでは「累計投資額約200億円」「ユーザー数約16万人」といった実績数値が紹介されている。 ただ、これはFUNDINNO自身が発表している数値であり、第三者機関がまとめた業界統計そのものではない、という点は分けて受け止めておきたい。
タダシが正直に思うのは、達成率の高さは案件の人気を示すものであって、投資のリスクの低さを示すものではない、ということだ。 人が集まっている案件ほど安心、というわけでは決してない、という気がする。
- 個人投資家の年間投資上限:純資産等の5%等に応じた額または50万円のいずれか高い額(最大200万円)
- 発行企業の年間調達上限:5億円未満(2024年11月の政令改正で1億円未満から引き上げ)

メリットとして語られること——株主優待とエンジェル税制
参考にした評判記事を見ていくと、 FUNDINNOのメリットとして紹介されている内容には、 いくつか共通するものがある。 ここでは「〜と紹介されている」という伝聞として、 淡々と整理しておきたい。
よく挙げられているのが、 上場前の成長企業に早い段階から投資できるという魅力、 10万円程度から始められる少額投資の手軽さ、 投資先の企業から株主優待が提供された事例、 厳しい審査を通過した案件だけが掲載されているという説明、 そして募集案件の成約率の高さだ。 どれも、FUNDINNOを紹介する記事でよく見かける切り口だ。
この中でも、 少し詳しく確認しておきたいのが、 エンジェル税制だ。 FUNDINNOのサイトでも、 投資先によってはこの制度の対象になる、 という説明が案内されている。
エンジェル税制は、 ベンチャー企業への投資を後押しするために設けられた、 個人投資家向けの税制優遇の仕組みだ (中小企業庁「エンジェル税制のご案内」)。 優遇は、投資をした時点と、 株式を売却した時点の、 両方に用意されている。
投資をした時点では、 寄附金控除、または株式譲渡益からの控除を受けられる仕組みがある。 株式を売却した時点でも、 売却損を翌年以降に繰り越して控除できる仕組みや、 他の株式の譲渡益と損益を通算できる仕組みが用意されている。
対象になるのは、 設立から5年未満、または10年未満といった要件を満たす、 中小企業者に該当するベンチャー企業への投資だ、 と同庁の資料には説明されている。
ここで、ひとつ確認しておきたいことがある。 FUNDINNOに掲載されている案件のすべてが、 このエンジェル税制の対象になっている、 というわけではない。 対象になるかどうかは、 投資先の企業がその時点で要件を満たしているかどうかによって、 案件ごとに変わってくる。
タダシが思うのは、 エンジェル税制自体は魅力的な制度だということだ。 ただ、あくまで投資先が対象要件を満たしている場合の話であり、 案件ごとに確認しておきたい、というのが正直なところだ。
- 上場前の成長企業に早い段階から投資できる
- 10万円程度から始められる少額投資
- 投資先企業から株主優待が提供された事例がある
- 厳しい審査を通過した案件だけが掲載されている、という説明
- 募集案件の成約率が高いという紹介

デメリット・リスクとして語られること——換金性の低さと元本割れ
FUNDINNOの評判を扱う記事を見ていくと、 メリットの紹介とセットで、 デメリット・リスクの説明もしっかり書かれていることが多い。 代表的なのが、換金性の低さと、元本割れの可能性だ。 タダシが確認した範囲でも、この2点はほぼどの記事でも共通して触れられていた。
上場企業の株なら、証券会社を通じて、市場でいつでも売買できる。 ところが、FUNDINNOを通じて投資する株は、未上場企業の株だ。 上場前の株には、決まった売買の場がなく、 買いたい人と売りたい人を、自分で探すところから始まる。 だから、「株主にはなれたけれど、現金化する手段がほとんどない」という状態が、 投資期間中はずっと続くことになる。
この点について、金融庁も一般的な注意喚起を出している。 「未公開株は実際に上場されなければ、売買を成立させることは極めて困難であり、これを換金する方法はほとんどありません」 と、金融庁「未公開株購入の勧誘にご注意!」には記載されている。
ここは誤解しないでほしいところだが、 この注意喚起は、未上場株全般に向けた一般的な内容だ。 FUNDINNOという特定の登録事業者を名指しして、 警告しているものではない。 FUNDINNO自体は、 第一種少額電子募集取扱業者として登録されている事業者だ。 この注意喚起があるからといって、 FUNDINNOが怪しいと判断する材料にはならない。
未上場株への投資には、こういう性質がある、 という一般論として受け止めておきたい。 株式投資型クラウドファンディング全般、あるいは電話やSNSで届く未公開株の勧誘との向き合い方については、 未公開株・IPOの勧誘は大丈夫?電話やSNSの誘いを公開情報で確かめる でも整理しているので、あわせて確認しておくといい。
換金性の低さに加えて、 評判記事では、元本割れや投資期間の長期化についても、 リスクとして挙げられている。 投資先の企業が、事業計画どおりに成長するとは限らない。 計画が未達に終われば、投資した金額を下回って終わる可能性もある。 上場までにかかる年数も企業ごとにばらつきがあり、 数年単位で資金が動かせないままになることも、 想定しておく必要がある。
もう一つ触れられているのが、配当を期待しにくい投資モデルだという点だ。 未上場の成長企業は、利益が出ても、 それを配当ではなく、事業拡大への再投資に回すことが多い。 つまり、投資家にとってのリターンは、 配当ではなく、将来の値上がり益(キャピタルゲイン)が軸になる。 上場や売却という出口にたどり着かなければ、 リターンそのものが実現しない仕組みだという点は、押さえておきたい。
「少額から株主になれる」という言葉の裏には、 「すぐには現金化できない」という前提が、セットになっている。 ここを知っているかどうかで、 投資に向き合う心構えは、大きく変わってくるとタダシは思う。
- 換金性の低さ:評判記事はデメリットとして紹介/金融庁も未上場株全般への一般的な注意喚起を発信/FUNDINNOだけを名指しした警告ではない
- 成約率の高さ:評判記事はメリットとして紹介/FUNDINNO自身が発表している数値であり、第三者機関による統計ではない
- 配当の有無:評判記事は「配当より値上がり益(キャピタルゲイン)が軸」と説明/未上場の成長企業では一般的に見られる傾向
- 元本割れ・投資期間の長期化:評判記事・金融庁の注意喚起の双方が指摘/事業計画の達成度は投資先ごとに異なり、一律には判断できない
評判記事の「良い点・気になる点」とどう向き合うか
今回参考にした評判記事は、メリットとデメリットを両方きちんと並べている印象を受けた。 良い点としては、成長企業への早期投資ができること、少額から始められる手軽さ、株主優待、審査基準の厳しさ、成約率の高さが挙げられている。 気になる点としては、株式の換金性が低いこと、元本割れのリスク、事業計画が計画どおりに進まないリスク、配当をあまり期待できない投資モデルであることが並ぶ。 この骨子自体は、タダシが公開情報で確認した内容ともおおむね重なる。
ただ、気になったのは記事の終わり方だ。 その評判記事の末尾には、FUNDINNOへの投資そのものとは別に、「億り人が資産の増やし方を無料で教えてくれる」というマンツーマンレッスンへの案内が置かれていた。 この個別指導サービスがどこの誰によって、どのような形で提供されているのか、今回の記事では確認していない。 そのため、ここでは名指しでの評価はしない。
整理すると、お金が動く手前に、次のような流れがある。
評判記事を読んでFUNDINNOという仕組みに関心を持つところまでは、投資先を知るための自然な流れだと思う。 ただ、そこから先にある個別指導サービスへの申し込みは、FUNDINNOへの投資判断とは別の話だ。 投資助言や個別指導を名乗るサービスを検討するときは、契約前に登録情報を確認しておきたい。 投資顧問サービスの契約は大丈夫?申し込み前に確かめたい登録情報も、あわせて見ておくといいと思う。
投資の話を読んだ流れのまま、次に出てきた「無料相談」へそのまま進んでしまう、というのはよくあることだと思う。 でも、タダシはそれぞれを別の判断として切り分けて考えたい。
- ①評判記事を読む:FUNDINNOのメリット・デメリットを知る
- ②FUNDINNOに関心を持つ:投資先の候補として検討し始める
- ③末尾のCTAに進む:「無料の資産形成レッスン」の案内で、個別指導サービスに誘導される
判断するときに押さえたいこと
チェックリストの項目を、実際に自分の手で埋めてみてほしい。 タダシが公開情報で確認できたのは、ここまでだ。 株式会社FUNDINNOは第一種金融商品取引業者として登録されており、日本証券業協会の一覧にも掲載されている。 FUNDINNO自身も2025年12月に東証グロース市場へ上場した。 一方で、未上場株投資という仕組みそのものが持つ換金性の低さや、リターンまでの期間の長さは、FUNDINNOに限らず投資する側が引き受けるリスクとして残る。 「怪しい」という評判だけで判断を決めつけるつもりはないし、「安全だ」と太鼓判を押すつもりもない。 もし「この案件、大丈夫かな」と思ったら、一人で抱え込まず、タダシのLINEへ案件名・URL・気になる点を送ってほしい。 確認ポイントは一緒に整理する。 相談はいつでも無料で、商材やツールの販売は一切行っていない。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。
- 投資したい案件を運営する会社が、日本証券業協会の「株式投資型クラウドファンディング業務を行う金融商品取引業者」一覧に載っているか、自分の目で確認したか
- FUNDINNOの第一種金融商品取引業の登録番号を、特定商取引法に基づく表示で確認したか
- 投資する金額が、年間の投資上限額(純資産等の5%等または50万円のいずれか高い額、最大200万円)の範囲内か確認したか
- 投資後、換金・売却がいつ・どのような形でできるのか(上場・M&A等の想定シナリオ)を投資前に確認したか
- エンジェル税制の適用要件(対象企業の設立年数)を投資前に確認したか
- 評判記事の末尾にある個別指導・相談サービスへの誘導を、投資判断そのものと切り離して考えられているか確認したか

タダシ
情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。