「この株は絶対に上がります」「元本は保証します」——そう言い切って個別銘柄をすすめてくる相手は、信用しなくていい。 断言する。 信頼できる株の情報源ほど、「絶対」を使わない。 むしろ「最後はご自身で判断してください」と、あなたに判断を返してくる。 誰の言葉を信じるかで、株は大きく変わる。 一緒に、相談先・情報サービスの見分け方を整理していこう。 本記事は特定の事業者を違法・詐欺と断定するものではない。

この記事の要点

「この銘柄は絶対に上がる」「元本は保証する」と言い切って個別株をすすめてくる相手は信用しなくていい。 信頼できる株の情報源ほど断定を避け、最後は自分で判断させる。 老舗の株学習サイトが個別銘柄の推奨や税金相談を受けない方針を例に、金融庁・日本証券業協会・国民生活センターの公開情報と突き合わせ、相談先・情報サービスの見分け方を中立に整理する。 特定の事業者を詐欺と断定するものではない。

この記事の目次
  1. 「絶対に上がる」「元本保証」と言い切る相手を、まず疑う
  2. 信頼できる情報源ほど「自分で判断して」と言う
  3. 有料で個別銘柄を助言するなら「登録」が要る
  4. 正規の証券会社にも勧誘のルールがある
  5. SNS経由の「儲かる話」は相談が急増している
  6. 公開情報でわかること・わからないこと
  7. 迷ったら、確認ポイントを一緒に整理する
  8. 判断するときに押さえたいこと
  9. 出典・参考情報

「絶対に上がる」「元本保証」と言い切る相手を、まず疑う

結論を先に置く。 株の世界に「絶対」はない。 だから、個別銘柄を「絶対に上がる」「元本は保証する」と言い切ってすすめてくる相手は、その時点で一歩引いて見ていい

これは気分の話ではない。 金融庁は、「『上場確実ですので、必ず儲かります! 元本も保証します!』といった勧誘は詐欺的商法の可能性が高い」として、取引を見合わせるよう注意喚起している(金融庁「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」)。

そもそも、登録を受けた金融商品取引業者でさえ、「不確実な事項について断定的判断を提供」して勧誘することは法律で禁じられている(金融商品取引法第38条)。 プロが禁じられている言い方を、平気で使ってくる相手は、それ自体が黄信号だ。

「上がるかもしれない」と「絶対に上がる」は、まったく別の言葉だ。 後者を使う相手ほど、距離を取って見ておきたい。

金融庁による無登録業者は高リスクとの注意喚起ページ
金融庁は、無登録業者との取引は高リスクだと注意喚起している。(出典:金融庁「無登録業者との取引は要注意」)

信頼できる情報源ほど「自分で判断して」と言う

では、信頼できる情報源はどう振る舞うのか。 ひとつ、わかりやすい例がある。

個人投資家に長く読まれてきた株の学習サイト「やさしい株のはじめ方」は、読者からの質問を受け付ける「株のお悩み相談室」で、デイトレード(短期売買)のコツ、個別銘柄の推奨、税金の相談は受け付けないと明記している。 受けるのは、中長期投資の考え方に関する質問だ。

ここに、信頼できる情報源の特徴がよく出ている。 「この株を買え」とは言わない。 代わりに、考え方を渡して、判断は読者に返す。 税金のような専門領域は、税理士など正しい専門家へ案内する。

逆に言えば、頼んでもいないのに「いま買うべき銘柄はこれです」と具体名を押し込んでくる相手は、信頼できる情報源の振る舞いとは逆を向いている。 情報源を選ぶときは、株初心者は情報源をどう選ぶ?信じてよい情報を見分ける確認ポイントもあわせて読んでほしい。

日本取引所グループの投資教育サイト東証マネ部
投資の基礎は取引所の投資教育サイトでも学べる。(出典:日本取引所グループ「東証マネ部!」)

有料で個別銘柄を助言するなら「登録」が要る

お金を払って個別銘柄の売買助言を受けるなら、相手の立場を確かめておきたい。

特定の銘柄について助言し、その対価として報酬を得る行為は「投資助言・代理業」にあたり、金融商品取引法にもとづく金融庁(内閣総理大臣)の登録が必要だ。 無登録でこれをやっている相手は、それだけで法律上の問題を抱えている

相手が登録を受けているかは、自分で確かめられる。 金融庁は「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」を公表しており、名称や電話番号から検索できる「金融事業者一括検索」も用意している。 払う前に、相手の名前で一度引いてみる——それだけで防げることは多い。

「無登録だから高リスク」というのは金融庁自身の言葉でもある(金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」)。 登録の有無は、信頼できるかどうかの最初のふるいになる。

金融庁の登録業者一覧ページ
登録を受けた事業者は金融庁が公表する一覧で確認できる。(出典:金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」)

正規の証券会社にも勧誘のルールがある

正規の業者ほど、勧誘の仕方にもルールがある。 ここも見分けの材料になる。

日本証券業協会は、「株式投資型クラウドファンディング、株主コミュニティなど本協会規則で認められているものを除き、未公開株(非上場株式)の投資勧誘は禁止されています」と説明している(日本証券業協会「株や社債をかたった投資詐欺の手口」)。

つまり、正規の証券会社が、制度の枠の外で「未公開株を買いませんか」と個人に勧誘してくることは、本来ない。 「上場すれば必ず値上がりする未公開株」をすすめてくる相手は、正規の協会員ですらない可能性が高い。

正規の業者が縛られているルールを平気で踏み越えてくる——その不自然さに気づけるかどうかが、分かれ目になる。

日本証券業協会の投資詐欺の手口のページ
証券会社は原則として未公開株の購入を勧誘できないと説明されている。(出典:日本証券業協会「株や社債をかたった投資詐欺の手口」)

SNS経由の「儲かる話」は相談が急増している

最近とくに増えているのが、SNSをきっかけにした勧誘だ。 ここでも「絶対」「元本保証」はよく出てくる。

国民生活センターは、SNSで著名人を名乗る相手やつながりができた相手から勧誘される投資トラブルが急増していると公表している。 著名人をかたる投資勧誘の相談は、2022年度の170件から2023年度の約1,629件へと、約9.6倍に増えたという。

同センターは「一度振り込んでしまうと、被害を回復することは困難」とも書いている。 入金してから気づくのでは遅い。 だからこそ、すすめてくる言葉が「絶対」「元本保証」に寄っていないか、入口で立ち止まって見ておきたい

国民生活センターのSNS投資トラブル急増の注意喚起ページ
国民生活センターは、SNSをきっかけとした投資トラブルの急増に注意を呼びかけている。(出典:国民生活センター)

公開情報でわかること・わからないこと

わかった事実だけを淡々と整理する。 決めつけはしない。

  • 確認できた:「必ず儲かる・元本保証」といった断定的な勧誘に、金融庁が「詐欺的商法の可能性が高い」と注意喚起している
  • 確認できた:登録業者でも『断定的判断の提供』による勧誘は金融商品取引法で禁じられている
  • 確認できた:個別銘柄の有料助言には金融庁の登録が必要で、登録の有無は一括検索で確認できる
  • 確認できた:信頼される株学習サイトでも、個別銘柄の推奨・短期売買・税金相談は受けない方針をとっている
  • 確認できなかった:「この相手は詐欺だ」と個別に断定できる根拠(相手ごとに公開情報で確かめる必要がある)

迷ったら、確認ポイントを一緒に整理する

ここまで読んで、いま誰かに銘柄をすすめられている人もいるかもしれない。 焦って入金する必要はない。

もし「この人の言う『絶対上がる』、信じていいのかな」と迷ったら、相手の名前・URL・届いたメッセージのスクショをこちらに投げてほしい。 登録の有無・勧誘の言い回し・お金の流れを一緒に確認して、見ておきたいポイントを整理する。 相談は無料だ。

最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

判断するときに押さえたいこと

止めもしないし、押しもしない。 ただ、株で大きく失敗する入口は、たいてい「絶対に上がる」と言い切る誰かの言葉だ。 信頼できる情報源ほど断定を避け、判断をあなたに返す。 すすめてくる相手が『絶対』を使っていないか、登録を受けているか——そこだけは、入金の前に自分の目で確かめておきたい。 困ったときは、消費者ホットライン「188」にも相談できる。

申し込む前の確認リスト
  • 「絶対に上がる」「元本保証」など、株の世界にないはずの断定をしていないか
  • 個別銘柄を有料で助言する相手なら、金融庁の登録を一括検索で確認したか
  • 制度の枠の外で「未公開株」をすすめてきていないか
  • SNSで知り合った相手・著名人を名乗る相手からの勧誘ではないか
  • 「この株を買え」ではなく「自分で判断して」と考え方を渡してくれる情報源か
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
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編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報