「上場間近の未公開株を、あなただけ特別に」——そんな電話やSNSのメッセージを受け取って、このページにたどり着いた人もいると思う。 タダシは、その話を頭から詐欺だと決めつけるつもりはない。 ただ、お金を振り込む前に、誰でも辿れる公開情報だけで一緒に確かめておきたいことがある。

この記事の要点

未公開株やIPOへの参加を電話やSNSで勧められたとき、公開情報だけで確かめられる注意点を整理する。 証券会社は原則として未公開株を勧誘できないという前提を起点に、勧誘元の登録と発行会社の実在を自分の手で照合する手順をまとめた。

この記事の目次
  1. 結論:詐欺と断定はしない。ただ「勧誘の前提」を先に確かめたい
  2. なぜ自分に勧誘が来たのか——前提と照らして見る
  3. 強い言葉と、確認できる条件を分ける
  4. 登録と無登録警告で、勧誘元を照合する
  5. 判断するときに押さえたいこと
  6. 出典・参考情報

結論:詐欺と断定はしない。ただ「勧誘の前提」を先に確かめたい

先に結論から言う。 未公開株やIPOへの参加を勧められたとき、その勧誘がすべて詐欺だと断定はできない。 本物の新規上場(IPO)はあるし、未公開の会社に投資する仕組みも存在する。

ただ、知っておきたい前提がある。 日本証券業協会は、証券会社が原則として未公開株(取引所に上場していない会社の株)の購入を勧誘することはできないと説明している。 さらに、未公開の会社が広く一般の個人投資家に声をかけて募集することも、まれだとしている。

つまり、見ず知らずの相手から電話やSNSで突然、未公開株やIPOへの参加を勧められること自体が、この前提とずれている。 このページでは、勧誘の前提・強い言葉・勧誘元の登録という順番で、公開情報だけで確かめる手順を整理していく。

なぜ自分に勧誘が来たのか——前提と照らして見る

まず確かめたいのは、なぜ自分のところに勧誘が来たのか、だ。 前述のとおり、証券会社は原則として未公開株を勧誘できず、未公開の会社が一般の個人に広く募集をかけることもまれだ、というのが日本証券業協会の説明だ。

この前提に立つと、突然の電話やSNSのメッセージで「未公開株を買いませんか」と来た時点で、一歩引いて見る理由ができる。 勧誘してきた相手が登録のある事業者か、発行会社が実在して情報を公開しているかを、相手の言葉ではなく公開情報で確かめておきたい。

「上場間近だから今だけ」「枠が限られている」と急がされても、確認が終わるまでは判断を保留していい急かすこと自体が、考える時間を奪う勧誘の一部になっていることもある。

  • 勧誘してきた相手が、金融商品取引業の登録のある事業者か
  • 「必ず上場する」「高値で買い取る」といった断定がないか
  • 発行会社が実在し、誰でも見られる形で情報を公開しているか
日本証券業協会の投資詐欺の手口のページ
証券会社は原則として未公開株の購入を勧誘できないと説明されている。(出典:日本証券業協会「株や社債をかたった投資詐欺の手口」)

強い言葉と、確認できる条件を分ける

「必ず上場する」「あなただけ特別に紹介する」「上場後は高値で買い取る」——こうした言葉は、内容そのものではなく、強い勧誘文として読みたい。 日本証券業協会も、こうしたセールストークに注意するよう呼びかけている。

見ておきたいのは、その言葉の裏づけがあるかだ。 上場の見込みや買い取りの条件が、契約書や公開された資料で確認できるのか口頭の説明だけで「確実」とされている場合は、確認のしようがないと考えたい。

そもそも、株式が上場するかどうかを事前に「必ず」と言い切れる人はいない。 断定的な表現が出てきた時点で、その点だけでも一度立ち止まる理由になると、タダシは思う。

金融庁の登録業者一覧ページ
登録を受けた事業者は金融庁が公表する一覧で確認できる。(出典:金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」)

登録と無登録警告で、勧誘元を照合する

最後に確かめたいのが、勧誘元の登録だ。 日本国内で株式などの金融商品を扱って勧誘するには、原則として金融商品取引業(国の登録を受けて金融商品を扱う仕事)の登録が必要になる。

勧誘してきた事業者が登録を受けているかは、金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者一覧で照合できる。 登録が確認できない相手からの勧誘は、それだけで慎重に扱う理由になる。

あわせて見ておきたいのが、金融庁が公表している無登録で金融商品取引業を行う者の名称等のリストだ。 勧誘元の名称がここに載っていないかを確かめておく。 万一いったん振り込むと被害の回復は難しくなる、と国民生活センターも注意を呼びかけている。

金融庁の無登録業者の名称公表ページ
金融庁は、無登録で金融商品取引業を行うとして警告書を出した業者の名称を公表している。(出典:金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」)

判断するときに押さえたいこと

未公開株やIPOの勧誘は、「儲かる」という言葉ではなく、勧誘の前提と勧誘元の登録で見たい。 証券会社が原則として勧誘できないものを、電話やSNSで見ず知らずの相手から勧められたなら、なおさら慎重に確かめておきたい。 ここまでのチェック項目を、あなた自身の手で埋めてみてほしい。 ✓が埋まらない欄が多いほど、立ち止まる理由は増えていく。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • 証券会社が原則として未公開株を勧誘できない、という前提を理解したうえで勧誘内容を見ているか
  • 「必ず上場する」「高値で買い取る」といった断定や約束を、口頭のまま鵜呑みにしていないか
  • 勧誘元の名称が、金融庁の登録業者一覧で確認できるか自分で照合したか
  • 勧誘元の名称が、金融庁の無登録業者の警告リストに載っていないか確認したか
  • 発行会社が実在し、情報を公開しているかを公開情報で確かめたか
  • 上場の見込みや買い取り条件を、契約書や公開資料で裏づけられるか確認したか
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編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報