「支援型クラウドファンディング」に登録したら、受け取り手続きの直前になって「2万円」を請求された——そんな体験談を見て、なんとなく引っかかっているなら、その感覚はたいてい正しい。 ネット上に公開されている体験談によれば、受け取り手続きの直前に「2万円」を請求され、支払い方法はApple Gift Card限定だったという。 これらはあくまで伝聞だ。 一方、LPのFAQ文言や運営法人の情報が見当たらないという点は、タダシが実際に確認した事実として書き分けている。 ただ、ここでも止めもしないし、押しもしない。 お金や個人情報を渡す前に、タダシと一緒に確かめておきたいことがいくつかある。 なお、この記事は、この「支援型クラウドファンディング」を名乗るサービスやその運営者を違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。
「当日30万円支給」「審査不要」とうたう支援型クラウドファンディングのLPに登録し、受け取り手続きの直前に『2万円』をApple Gift Cardで請求された、という体験談を見て不安になった人へ。 タダシが公開情報を調べた範囲では、運営法人の実在を確認できなかった。 『無料』と説明しながら受け取り前に費用を求める構図、Apple Gift Card限定の支払い、『非課税』という説明の根拠を、公開情報だけで整理する。
この記事の目次
まず一度立ち止まる——このLPが謳っていること
このLPを開くと、まず目に入るのが、いくつかの強い数字とことばです。 運営側が掲げている内容を、そのまま並べてみます。
「支援」「寄付」ということばは、読み手に温かい印象を与えます。 ただ、このLPで案内されている実際の流れを見ると、 一般的な寄付型クラウドファンディングの説明とは、かなり違う形になっています。
流れを整理すると、メール登録から始まり、本人確認、支援リクエストの作成、 3日間の掲載を経て、受け取り手続きの直前に 「2万円」の請求が入ります。
「寄付」「支援」という言葉を見ると、身構えが少し緩みます。 でも、その言葉の温度と、実際にお金が動く条件は、 別々に確認しておきたいところです。
- 「当日30万円支給」
- 「審査不要」
- 「累計35億円を集めた独自プラットフォーム」
- 「一人当たり平均50万円以上の寄付」

運営元を確かめる——法人番号・特定商取引法表示・電話番号を探した結果
案件を確認するとき、タダシがまずやることは一つだ。 運営元が実在する組織かどうかを、公的な記録で確認することだ。 今回のLPについても同じ手順で確認したが、 契約の主体となる法人の正式名称・代表者名・所在地・電話番号は、 タダシが確認した範囲では見当たらなかった。
問い合わせ窓口らしき表示名は、LP上にあった。 ただ、それが法人格を持つ主体なのか、 契約の相手方としての名称と一致するのかは、 この時点ではわからなかった。
通信販売については、表示のルールが決まっている。 消費者庁の「特定商取引法ガイド」通信販売には、 「事業者の氏名(名称)、住所、電話番号などを表示しなければなりません」とある。 受け取りの直前に2万円を求めている以上、 このやり取りは実質的に有償のやり取りであり、 この表示義務の対象になり得ると、タダシは見ている。
「支援」「寄付」という言葉のうしろに、誰がいるのか。 それがわからない、というだけの話だ。 これは「怪しい」と決めつける材料ではない。 「まだ確認できていない」という段階の話だと、タダシは思う。 似たケースとして、 おうちネットショップ(Be GIVER株式会社)は怪しい?申し込む前に、公開情報と特商法表記で確かめる確認ポイントでも、 特定商取引法の表記から運営元を照合している。

「見つからない=断定できない」。ただし表示義務の欠如はサインになる
法人の情報が見つからないこと自体は、「詐欺だ」と断定する材料にはなりません。 中小企業や設立して間もない法人だと、 検索に引っかかりにくいケースは実際にあります。
ただし、今回は状況が少し違います。 2万円という有償のやり取りが発生するにもかかわらず、 事業者として本来示されるべき氏名・住所・電話番号の表示が、タダシが確認した範囲では見当たりません。 この状態そのものは、確認すべきサインとして扱ってよいと、タダシは考えています。
「見つからなかった」と「存在しない」は、同じではありません。 ただ、探しても出てこない状態のまま、 お金だけは先に動かす――という順番には、 慎重になっていい理由があると、タダシは思います。
「問い合わせ窓口の表示」と「契約主体の法人」は一致するといえるか
LPには、問い合わせ窓口として組織名らしき表示があります。 ただ、この表示名が特定商取引法上の「事業者」欄と同じ主体なのかは、 タダシが確認した範囲では判別できませんでした。 別の代行窓口という可能性も、否定できません。
これが人物発信の案件であれば、タダシはまず経歴を確認します。 ただ、今回のように組織名だけが前面に出ている案件では、 見るべきポイントが少し変わります。 大事なのは、「表示名」=「お金の受け皿」とは限らないという視点です。
正直な感想を言うと、「問い合わせ先」は用意されています。 でも、それが「誰にお金を払うことになるのか」の答えになっているとは限りません。 窓口の表示と契約条件を確認する視点は、 投資・副業の情報サイト、「免責事項」のどこを見ればいい?成功事例とLINE相談を信じる前に でも整理しているので、合わせて読んでみてください。
「お金は必要ありません」というFAQと、受け取り前の2万円請求は矛盾していないか
対象のLPには、FAQ(よくある質問)のページがあります。 そこには「寄付を募集するのにお金は必要ですか?」という問いに対し、 「いいえ。 手数料などが発生することなく、 募集していただくことが可能でございます。」 と説明されています。 つまり公式の説明としては、支援を募る側にお金はかからない、という立場です。
一方で、タダシが参考にしたのは、Web上に公開されている体験談です。 そこでの報告によれば、メール登録、本人確認、支援リクエストの作成、 3日間の掲載という流れを終えたあと、 受け取り手続きの直前になって「2万円」を求められた、 とされています。 支払い方法として案内されたのは、Apple Gift Cardだったという内容です。 これはあくまで伝聞であり、 タダシ自身が同じ流れを最後まで追跡して確認したものではありません。
「お金は必要ない」と説明する場所と、 実際に2万円を求める場面が、 同じサービスの中に同時に存在している。 ここが、タダシがこの記事の中で一番立ち止まりたいポイントです。 無料だと書かれたページと、有料になるページ、 どちらも同じサービスの案内の中にあります。
消費者庁は令和7年9月11日付で、 支援団体等の名称をかたり、 支援金の給付を持ち掛けて架空の料金請求を行う事業者について、 注意喚起を出しています。 そこでは、「支援金を受け取るには、まず費用を支払ってください」 という要求は、典型的な手口のひとつだと説明されています。 この注意喚起が対象としているのは別の事業者であり、 今回のLPを名指ししたものではありません。 ただし、構図はよく似ています。 「無料です」と書かれた画面と、 「2万円払ってください」と言われる画面が、 同じサービスの中にある。 これはサービスの良し悪し以前に、 説明と実際の請求が食い違って見えるという、事実の話です。
- FAQの説明:手数料などは発生しない
- 体験談で報告されている実際の請求:受け取り手続き直前に2万円(Apple Gift Cardでの支払いを案内されたという)
- タダシが確認できなかったこと:この2万円が何の名目の費用かLP上に明記があるか

支払い方法の限定と「非課税対象」という説明——断定的な表現をどう見るか
今回参考にした体験談では、 受け取り前に求められた2万円の支払い方法が、 Apple Gift Cardに限定されていたと紹介されています。 この案件そのものを名指しした公的な資料は見当たらず、 体験談ベースの情報として受け止めています。
電子ギフトカードでの支払いを求める手口自体は、 各所で報告されています。 日本経済新聞は2024年6月4日、 「電子ギフト詐欺、9割は『アップルギフトカード』悪用 警察庁が対策要請」 と報じています。 この報道では、 電子ギフトカードを使った詐欺の被害額のうち、 9割超がアップルギフトカードの悪用だったと伝えています。 これは詐欺全般の傾向についての報道であり、 今回の案件そのものを名指ししたものではありません。
対象LPのFAQには、 「税金はかかりますか?」という質問に対して、 「いいえ、非課税対象」と回答する項目があります。
国税庁の解説を確認すると、 個人が受け取るお金が無条件に非課税になるケースは、 限定的だと分かります。 非課税にあたるのは、 扶養義務者間の生活費や教育費の贈与など、 条件を満たす場合に限られます (国税庁「No.4405 贈与税がかからない場合」)。 逆に、個人から金銭を受け取った場合は、 贈与税(国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」)や、 一時所得(国税庁「No.1490 一時所得」)として、 課税対象になり得ます。
「非課税」だと言い切るのであれば、 どの制度上の非課税にあたるのか、 説明が必要なはずです。 ですが、LP上にその説明は見当たりませんでした。 「非課税です」は、聞こえのいい言葉です。 ただ、 税金がかかるかどうかは、 もらったお金の性質によって変わります。 「非課税」とだけ言われても、 タダシには、それがどの制度の話をしているのか、 分かりませんでした。

同じ手口は、別の入口でも確認できている
消費者庁は2025年9月11日、 「支援金の給付を持ち掛けて架空の料金請求を行う事業者に関する注意喚起」を公表しています。 消費者庁の注意喚起(2025年9月11日)は、 今回のLPを名指ししたものではありませんが、 構図の似た事案を取り上げています。 さかのぼって2025年2月6日にも、 『タスク副業』で報酬が支払われるとうたい 実際には高額を送金させる事業者に関する注意喚起が 公表されています。 消費者庁の注意喚起(2025年2月6日)です。
「受け取るはずのお金のために、 先にお金を払わせる」という 順番 は、 副業・給付金・寄付など、 さまざまな名乗り方の入口で、 繰り返し報告されている構図です。
株選びナビでは以前、 別の入口である「支援型クラウドファンディング」 (合同会社シルバーが運営するとされる案件)についても、 確認ポイントを整理したことがあります。 「支援型クラウドファンディング」(合同会社シルバー)は怪しい?出資・出金の前に確かめたい確認ポイントという記事です。 今回のLPとは、 運営法人も入口も異なります。 ただ、「支援」「クラウドファンディング」という言葉を使いながら お金が絡む構図には、 共通する点が見られます。 同じ案件だと決めつけることはできませんが、 似たテンプレートが複数の入口で使われている可能性は、 頭の片隅に置いておいてよさそうです。
入口や名乗り方は違っても、 「お金を受け取る前に、先に払わせる」という 骨格 は、 同じに見えます。 タダシはそう思います。 型を知っておけば、 次に別の名前で同じ手口が来ても、 気づきやすくなるはずです。
- 運営法人名:合同会社シルバー版=同名法人が複数確認できた/今回のLP=法人名自体が確認できなかった
- 請求の名目:合同会社シルバー版=出金時の追加費用/今回のLP=受け取り前の2万円
- 非課税の説明:合同会社シルバー版=言及なし/今回のLP=「非課税対象」と明記
判断するときに押さえたいこと
ここまでのチェックリストを、実際に自分の手で埋めてみてほしい。 タダシが公開情報を調べた範囲でわかったのはここまでだ。 運営法人の名称・所在地・電話番号は確認できなかった。 「お金は必要ない」というFAQの説明と、受け取り前に2万円を求める実際の流れは、食い違って見えた。 「非課税」と言い切れる根拠も、確認できなかった。 だからといって、このサービスや、その背後にいる人を「詐欺だ」と決めつけるつもりはない。 タダシが確認できたのは、事実と確認できなかったことの整理だけだ。 ただ、別の入口(合同会社シルバー版)でも似たような「支援」「クラファン」の言葉が使われていたことを踏まえると、同じような型のテンプレートが、複数の場所で使い回されている可能性はある。 だからこそ、お金や個人情報を渡す前に、チェックリストの✓を、あなた自身の手で埋めてみてほしい。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。
- LP・申し込み画面に、運営会社の正式名称・代表者名・所在地・電話番号が明記されているか確認したか(見当たらない場合はその旨をメモしておく)
- 「無料です」「手数料は発生しません」と書かれた説明と、実際に請求される金額・タイミングが一致しているか、申し込み前に読み返したか
- 支払い方法としてApple Gift Cardなどのプリペイド型電子マネーを指定されていないか(正規の給付・返金でプリペイドカード払いを求めることは通常ない)
- 「非課税」と説明されている場合、それがどの制度上の非課税にあたるのか、国税庁の説明と照らして確認したか
- 特商法上の表示が確認できない場合、その旨を消費者ホットライン188や当サイトのLINEに相談してみたか
- 「累計〇〇億円」「平均〇〇万円」といった実績の数字について、第三者が検証できる裏付け資料が示されているか確認したか
- すでに費用を支払ってしまった場合、振込明細・スクリーンショット・やり取りの記録を手元に残しているか

タダシ
情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。