「毎月120万円を一切何もせずに受け取れる」——そんな言葉を見て、心が動かなかった人は少ないと思う。 「PROJECT ANGEL」は、広告収入で稼ぐという副業サイトを無料で1つ「譲渡」してもらえる、という案件だ。 会員サイトに登録すると、実際に案内された譲渡先は「副業専門ch『はじめて.net』」というサイトで、見込み月利益は130万円と表示されていたという。 ただし、参考にした情報によれば、このサイトの前日のアクセス数は0PV、8月1日時点の月間利益は売上0円・純利益0円だったと報告されている。 止めもしないし、押しもしない。 ただ、申し込む前に、タダシと一緒に確かめておきたいことがいくつかある。 なお、この記事は「PROJECT ANGEL」および発起人とされる篠原一氏、専属アドバイザーとされる青山たかひろ氏を違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。
「毎月120万円を一切何もせずに受け取れる」とうたう副業案件「PROJECT ANGEL」。 発起人とされる篠原一氏、実際に案内された譲渡サイト「はじめて.net」の実態、会員規約・特定商取引法の表記との食い違いを、タダシが公開情報をもとに確認ポイントとして整理する。
この記事の目次
まず一度立ち止まる——「毎月120万円」の広告文句とサイト譲渡というスキーム
順番に確かめていこう。 まず目についたのは、広告に並んでいた言葉そのものだった。
「毎月120万円を一切何もせずに受取可能な最高峰の権利収入を今からあなたに1つ差し上げます」。 広告にはそう書かれている。 案件名も「禁断の資産譲渡プロジェクトが緊急発足!PROJECT ANGEL」という、かなり強い言葉が使われていた。
「知識も経験も努力も初期費用すら不要です」「1日平均4万円。 月収120万円の不労所得をあなたも今日から手にしませんか?」——好条件はまだ続く。 仕上げには「先着100名限定!残りわずかです」という一文まで添えられていた。
「知識も経験も努力も初期費用すら不要」「毎月120万円」——これだけ好条件が並ぶと、タダシはまず立ち止まりたくなる。 条件がいいと感じるときほど、ひとつずつ確かめておきたい。
仕組みはこうだ。 広告収入で稼ぐという副業サイトを、無料で1つ「譲渡」してもらう、という話になっている。 記事の執筆や広告の出稿といった運用は、すべて運営側が代行するという。
この案件の発起人とされているのが、篠原一氏だ。 1968年生まれ、元テレビ業界のプロデューサーとして数々のテレビ番組をヒットさせたと自称している。
独立後は広告代理店を設立し、年商30億円にまで育てたともいう。 飲食業や旅行代理店、病院経営にも携わり、エンジェル投資家として複数のベンチャー企業を支援していると紹介されている。
ただし、これらの経歴はすべて本人の自己紹介・自称によるものだ。 タダシが第三者の裏付けを探した範囲では、見当たらなかった。
気になってLINE公式アカウントも確認してみた。 案内されるのは「PROJECT ANGEL 篠原一」という名前のアカウントだ。 タダシが確認した時点では、未認証アカウントで、友だち0人と表示されていた。
登録すると、専属アドバイザーを名乗る「青山たかひろ」という人物が個別に対応するという。 29歳、趣味・特技は剣道でインターハイ出場経験があると自己紹介されている。
似たような言い回しには、消費者庁も注意を促してきた。 2022年4月13日付の消費者庁「簡単な作業をするだけで『誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる』」等の注意喚起では、こうした勧誘への注意が呼びかけられている。 「誰でも」「1日当たり数万円」という言い回しの構造は、今回の広告文言と重なる部分がある。
また、消費者庁は「SNSなどを通じた投資や副業といった『もうけ話』にご注意ください!」(2024年5月30日追記)の中で、「著名人・有名人のなりすましと考えられる事例が令和5年度下半期以降、増加傾向にあります」と述べている。 実在確認ができない人物を前面に出す手口全般への注意であり、PROJECT ANGELを名指ししたものではない。
なお、この記事は「PROJECT ANGEL」および発起人とされる篠原一氏、専属アドバイザーとされる青山たかひろ氏を違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。
- 読者:広告を見て集客される
- サイト:資産となり、広告収入が発生する
- オーナー(あなた):毎月約120万円の権利収入を受け取る

会員サイトで案内された譲渡先「はじめて.net」——見込み月130万円という数字
LINEに登録して少し進むと、会員サイトへログインするよう案内が届いた。 実際にログインしてみると、そこには「譲渡するサイトが確定しました」という案内が表示されていた。
示されていた内容は、次の3点だ。
この「見込み月利益130万円」が、どんな根拠で算出された数字なのか。 タダシが確認できた範囲では、その説明は示されていなかった。
広告で謳われていた金額は、「毎月120万円」だった。 会員サイトで示された「見込み月利益130万円」と、ほぼ近い数字だ。 偶然にしては、近すぎる数字だという気がする。 広告ページに示されている収益モデル図を見ると、読者から集めた広告収入がそのままオーナー(あなた)の「権利収入」になる、という単純な仕組みが描かれている。 この「見込み」という言葉が何を意味するのか、次の章で確かめていきたい。
- サイト名:副業専門ch「はじめて.net」
- サイトジャンル:副業
- 見込み月利益:1,300,000円

実際にサイトを確認すると——0PV・お気に入り0名・利益0円という実態
ここで一度、立ち止まろう。 参考記事による報告であり、タダシが独自に実地確認したものではない、という点は先に断っておきたい。
参考にした情報によれば、譲渡された「副業専門ch『はじめて.net』」のトップページには、前日(8月20日)のアクセス数「0PV」、お気に入り読者数「0名」と表示されていたという(2026年8月21日時点)。
さらに、「2026年8月の利益一覧」というページには、8月1日時点で売り上げ0円・人件費0円・広告費0円・純利益0円と表示されていたという。
会員サイトで示された「見込み月利益130万円」という数字と、実際の集計画面に表示されていたという「0円」という数字。 この間には、確認できた範囲で、小さくない差があるという事実だけを、ここでは淡々と並べておきたい。
「見込み」という言葉の意味を、あらためて意識しておきたい。 見込みは、まだ実現していない数字の呼び方だと、タダシは思う。
あわせて、参考にした情報では、このサイトのドメイン取得は2023年3月、記事の更新は2023年10月を最後に止まっている、とも報告されている。
- 会員サイトの表示:見込み月利益130万円
- 参考記事が報告する実際の集計(8月1日時点):売り上げ0円・人件費0円・広告費0円・純利益0円

会員規約・特定商取引法の表記から見える食い違い
会員サイトの利用規約を読んでいくと、見過ごせない一文に行き当たる。 第8条には、こう書かれている。 「当サイトは実際の本サービスを模倣した体験用サイトとなります。 実際の本サービスとは仕様が異なる場合がございますのでご了承下さい。」
広告では、「本物の資産を無料で譲渡する」とうたわれていた。 タダシが確認した範囲では、規約の「体験用サイト」という記載との間に、食い違いがあるように見える。
免責事項の第7条も、あわせて確認しておきたい。 こう書かれている。 「当社は、本サービスに事実上または法律上の瑕疵(安全性、信頼性、正確性、完全性、有効性、特定の目的への適合性、セキュリティなどに関する欠陥、エラーやバグ、権利侵害などを含みます。)がないことを明示的にも黙示的にも保証しておりません。」 「当社は、本サービスに起因してユーザーに生じたあらゆる損害について一切の責任を負いません。」 かみ砕くと、サービスに不具合があっても保証はしない、損害が出ても会社側は責任を負わない、という意味になる。 免責事項の読み方については、投資・副業の情報サイト、「免責事項」のどこを見ればいい?成功事例とLINE相談を信じる前にでも整理している。
特定商取引法に基づく表示も確認した。 運営統括責任者として篠原一という氏名の記載があり、住所は東京都目黒区青葉台3-4-1、メールアドレスの記載もある。 ただし、タダシが確認した範囲では、事業者名(法人名)・電話番号・販売価格の記載は見当たらなかった。
通信販売の特定商取引法表示について、消費者庁の特定商取引法ガイド「通信販売」には、こう説明されている。 「個人事業者の場合は戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号を、法人にあっては登記簿上の名称を記載することを要し、通称や屋号、サイト名のみを表示することは認められません。」 「電話番号については確実に連絡を取れる番号を表示することが必要です。」 つまり、サイト名や個人名だけでは足りないというのが、国のガイドラインの立場だ。 特定商取引法の表記に不備が見られる案件は、「プロジェクトDRIVE」は怪しい副業?相澤舞雪・株式会社リードを公開情報で確かめるでも扱っている。
ここまでの内容を、項目ごとに整理しておく。
「体験用サイト」という一文と、「本物の資産を無料で譲渡する」という広告文言——この2つを並べて読むと、まだ埋まっていない部分があるように見える、とタダシは思う。
- 氏名の記載:◯(運営統括責任者「篠原一」)
- 住所の記載:◯(東京都目黒区青葉台3-4-1)
- 電話番号の記載:×(タダシが確認した範囲では見当たらなかった)
- 事業者名(法人名)の記載:×(個人名のみで、登記簿上の商号は確認できなかった)
- 販売価格の記載:×(紹介者向けページには「正式リリース時は298,000円での販売予定」という記載があるという)

住所を辿ると実在法人「合同会社一心」に行き着く——法人番号確認と、断定的な勧誘文句
特定商取引法の表記に書かれていた住所は、東京都目黒区青葉台3-4-1。 この住所をそのまま、国税庁の法人番号公表サイトに打ち込んで検索してみた。 誰でも無料で使える公的な検索サービスだ。
検索結果に出てきたのは、「合同会社一心」という法人だった。 登記されている所在地は「東京都目黒区青葉台三丁目4番1号タワーテラス目黒青葉台1103」——特商法表記の住所と一致する。 法人番号は6011003015895、フリガナは「イッシン」、法人番号の指定日は2022年12月12日と記載されていた。
ここで、ひとつだけ強調しておきたい。 この「合同会社一心」という法人名は、PROJECT ANGELの特定商取引法の表記そのものには一切記載がない。 住所が一致するという事実だけが確認できたのであって、篠原一氏との関係については、タダシが調べた範囲ではわからなかった。 同じビルに複数の法人が入っていることは珍しくないし、「住所が同じ=運営主体が同じ」と決めつけるのは早合点だと思う。
一方、広告には「先着100名限定!残りわずかです」という文言があった。 この手の期限や人数を強調する言い方は、判断を急がせるための常套句であることが多い。 焦って決める必要はない、というのがタダシの正直な感想だ。
さらに気になったのが、紹介者向けのページに書かれていた一文だ。 「正式リリース時は298,000円での販売予定」——今は無料で参加できる入口が、後になって高額な正式版へ切り替わる可能性を示している。 無料の入口から高額商品へ誘導する構造は、副業案件でたびたび見かける型のひとつで、「POST HUB(ポストハブ)」の副業は大丈夫?39万8000円プランを公開情報で確認するでも似た型を確認している。
この「仕事を紹介して、あとから費用を求める」という構造には、法律上の呼び名がある。 消費者庁の特定商取引法ガイド/業務提供誘引販売取引によると、業務提供誘引販売取引とは「『仕事を提供するので収入が得られる』という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のこと」とされている。 該当する場合、勧誘に先立って事業者名などを明示する義務や、原則20日以内であればクーリングオフができる制度も認められている。 PROJECT ANGELがこの取引類型にあたるかどうかを、タダシが断定することはできない。 ただ、こうした制度があること自体は、知っておいて損はないはずだ。
似た構造への注意喚起は、実際に公的機関からも出ている。 消費者庁は2025年6月26日、簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起を公表した。 対象は株式会社和という、PROJECT ANGELとは別の事業者だ。 この中で消費者庁は、「アフィリエイトは、初心者でも簡単に稼ぐことができる」「このプランなら、月50万が当たり前になる」といった勧誘に関する相談が多数寄せられていると説明している。 PROJECT ANGELを名指ししたものではない。 それでも、「無料の入口から高額な正式版へ」という型の共通点は、頭の片隅に置いておきたい。
もうひとつ、公的機関の統計を紹介しておく。 国民生活センターは2024年5月29日、SNSをきっかけとして、著名人を名乗る、つながりがあるなどと勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増という発表を出した。 この中で、相談件数が2022年度比で約9.6倍に急増したという統計が示されている。 実業家を自称する人物を前面に出す勧誘全般への注意喚起であって、特定の案件を指したものではない。 ただ、こうした型の勧誘が社会全体で急増している、という事実は知っておきたい。
住所から実在の法人にたどり着けたことは、ひとつの手がかりにはなる。 ただ、それだけで「安全」とも「危険」とも言い切れないのが、この案件の難しいところだと思う。 答えを急がず、次の手順で自分でも確かめてみてほしい。
- ①特定商取引法の表記にある住所をメモする
- ②国税庁の法人番号公表サイトまたは経済産業省のgBizINFOで、その住所を検索する
- ③該当する法人がヒットしたら、フリガナと指定日を確認する
- ④特商法表記や広告に、同じ法人名の記載があるか照合する
- ⑤記載が見当たらなければ「関係は不明」として扱い、決めつけない

すでにLINE登録・サイト運用を始めてしまった場合の対処法
ここまで読んで、「もうLINE登録してしまった」「実際に入金まで進めてしまった」という方もいると思う。 慌てる気持ちはわかるが、まずは一つずつ、落ち着いて確認していきたい。
最初にやるべきことは、今すぐLINEをブロックし、それ以上のやり取りを断つことだ。 新しい入金や個人情報の追加提供を求められても、応じる必要はない。
焦って何かを決める必要はない。 支払ってしまった後でも、相談できる窓口はちゃんとある。 ここはタダシからも伝えておきたい。
すでに費用を支払ってしまった場合は、消費者ホットライン「188」(局番なし)に相談する方法がある。 消費者庁は、このホットラインについて次のように説明している。 「地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口をご案内するサービスです」 消費者庁「消費者ホットライン」より。
相談を受けること自体は無料だが、電話がつながった後の通話料は発生する点には、注意しておきたい。
また、今回のような取引が「業務提供誘引販売取引」に該当する場合、法律で定められた書面を受け取った日から原則20日以内であれば、契約を解除できるクーリングオフという制度が認められている。 これに該当するかどうかの判断も含めて、消費生活センターに相談してみるとよい。
一人で抱え込む必要はない。 副業トラブルに詳しい弁護士に相談するというのも、選択肢の一つだ。 怪しい投資・副業案件全般に共通する確認ポイントは、怪しい投資・副業案件に共通する特徴とは?申し込む前に確かめたい3つのサインでも整理している。
- LINEをブロックし、それ以上のやり取り・追加の入金を断つ
- 支払い済みの費用は消費者ホットライン「188」(消費生活センター)に相談する
- 業務提供誘引販売取引に該当する場合は、クーリングオフ(原則20日以内)を検討する
判断するときに押さえたいこと
ここまでのチェック項目を、あなた自身の手で埋めてみてほしい。 ✓が付かない欄が多いほど、立ち止まる理由は増えていく。 タダシが確認できたのは、次の点だ。 会員サイトの利用規約には「体験用サイト」という記載があり、広告の「本物の資産を無料で譲渡する」という言葉とは、内容が一致しない。 特定商取引法の表記には、運営統括責任者「篠原一」の氏名と住所の記載はあるが、事業者名(法人名)・電話番号・販売価格は見当たらなかった。 同じ住所には「合同会社一心」という法人が実在していることは国税庁の法人番号公表サイトで確認できたが、この法人名自体は特商法表記には書かれておらず、篠原一氏との関係はタダシが確認した範囲ではわからなかった。 PROJECT ANGEL、篠原一氏、青山たかひろ氏を詐欺だと決めつけているわけではない。 ただ、広告の言葉と、確認できる事実の間には、埋まっていない部分がある。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。
- 「毎月120万円」「1日平均4万円」という数字を裏付ける実績データを、自分の目で確認できたか
- 会員サイトの利用規約・免責事項に、体験用サイトや保証しないといった記載がないか確認したか
- 特定商取引法の表記に、事業者名(法人名)・電話番号・販売価格がそろっているか確認したか
- 気になる住所を、国税庁の法人番号公表サイトやgBizINFOで自分でも検索してみたか
- 「先着◯名限定」「今だけ」といった急かす言葉に、即断せず一度持ち帰る余裕を持てているか
出典・参考情報
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」 ↗
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「業務提供誘引販売取引」 ↗
- 消費者庁「簡単な作業をするだけで『誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる』などの勧誘により…注意喚起」(2022年4月13日公表) ↗
- 消費者庁「簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起」(2025年6月26日公表) ↗
- 消費者庁「SNSなどを通じた投資や副業といった『もうけ話』にご注意ください!」(2024年5月30日追記) ↗
- 国民生活センター「SNSをきっかけとして、著名人を名乗る、つながりがあるなどと勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増」(2024年5月29日発表) ↗
- 消費者庁「消費者ホットライン」 ↗
- 経済産業省 gBizINFO ↗
- 国税庁 法人番号公表サイト ↗

タダシ
情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。