「【注目株】再エネ・環境関連2銘柄、10万円以下で仕込み時に浮上」——そんな見出しの記事を読んだ。 そこには、イーレックスとサニックスホールディングスの売上高や営業利益が、具体的な数字つきで並んでいた。 先に、はっきり言っておく。 タダシが2社の数字を公開情報と照らし合わせたところ、今回は事情が違った。 サニックスホールディングスについては、決算短信の原文を直接確認できたが、記事の数字とは一致しなかった。 しかも、増えているのか減っているのか、向きまで逆だった。 イーレックスについては、営業利益と純利益は複数の公開情報で一致を確認できた。 ただし売上高だけ、桁がひとつ違うのではないかという疑いが残った。 なお、この記事は「今買えばいい注目株」やその運営者、そしてイーレックス株式会社・サニックスホールディングス株式会社を違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。

この記事の要点

日経平均の市況ニュースなども配信する「今買えばいい注目株」が2026年7月16日に公開した「再エネ・環境関連2銘柄」という記事。 イーレックスとサニックスホールディングスの決算数値を、公開情報と照らし合わせ、タダシが公開情報で中立的に確かめる。 記事末尾の投資情報配信サービスの検証は当サイトの別記事に委ねる。

この記事の目次
  1. まず一度立ち止まる——並んだ数字を、鵜呑みにする前に
  2. この記事を書いているのは誰か、何を主張しているかを整理する
  3. イーレックス(9517)の数字を、公開情報と照合する
  4. サニックスホールディングス(4651)の数字を、参考記事の記載で整理する
  5. 決算短信の原文で確かめると——増減の向きが逆だった
  6. 気になった点——『21年ぶり』の復配と、株価水準のズレ
  7. 記事末尾の投資サービス誘導——当サイトで確認済みのポイント
  8. まとめ:3つに分けて見る
  9. 判断するときに押さえたいこと
  10. 出典・参考情報

まず一度立ち止まる——並んだ数字を、鵜呑みにする前に

「今買えばいい注目株」というブログが、2026年7月16日に「【注目株】再エネ・環境関連2銘柄、10万円以下で仕込み時に浮上」という記事を公開した。 本文には、イーレックス株式会社(証券コード9517)とサニックスホールディングス株式会社(証券コード4651)の決算数値が、細かく並んでいる。

数字がこれだけ細かく並ぶと、つい「ここまで詳しいなら信頼できそうだ」と感じてしまう。 その感覚は、あなたにも覚えがあるかもしれない。

だから今回タダシが確かめるのは、この案件が詐欺かどうかではない。 参考記事が挙げている決算数値が、公開情報である各社の決算短信と説明が通るかどうか——それだけだ。 止めもしないし、押しもしない。 ただ、申し込む前に一緒に確かめておきたいことがある。

先に断っておくと、これは「今買えばいい注目株」やその執筆者を、違法・詐欺と断定するものではない。 実在するイーレックスとサニックスホールディングスの両社についても同じで、確かめたいのはあくまで数字の一致・不一致という事実だけだ。 順番に、ひとつずつ見ていこう。

この記事を書いているのは誰か、何を主張しているかを整理する

今回取り上げるのは、「今買えばいい注目株」が2026年7月16日に公開した記事だ。 タイトルは「【注目株】再エネ・環境関連2銘柄|10万円以下で仕込み時に浮上」。 書いているのは、サイトの運営責任者を名乗る「佐藤真理子」という人物である。

この「佐藤真理子」という人物の実在性や経歴については、タダシがすでに別の記事で確かめている。 「今買えばいい注目株」の運営者とランキングは信じてよい?という記事で、公開情報をもとに確認した内容だ。 今回は、そこを重ねて掘り下げることはしない。

記事が取り上げているのは、イーレックス株式会社(証券コード9517)とサニックスホールディングス株式会社(証券コード4651)の2社だ。 この2社は、いずれも実在する東証上場企業であることを、タダシも確認できた。

ここまでを踏まえたうえで、記事が具体的に何を主張しているかを整理すると、次のようになる。

  • イーレックス(9517):2026年3月期(2026年5月12日発表)で売上高169億1700万円(前期比1.2%減)、営業利益75億1800万円(同5.3%増)、純利益53億3200万円(同151.8%増)と紹介されている
  • イーレックス:2024年3月期に純利益約213億円の赤字を計上し、2025年3月期に黒字転換したと紹介されている
  • サニックスホールディングス(4651):2026年3月期で売上高467億9100万円(前期比3.2%増)、営業利益28億300万円(同25.9%増)と紹介されている
  • サニックスホールディングス:2025年3月期は営業利益が前期比71.6%減の大幅減益だったが、21年ぶりとなる復配(1株当たり2円)を目指す方針と紹介されている
イーレックス株式会社の証券コード・銘柄名・株価目安・主要指標が並ぶ銘柄情報テーブル
参考記事内のイーレックスの銘柄情報テーブル。(画像:「今買えばいい注目株」2026年7月16日の記事より)

イーレックス(9517)の数字を、公開情報と照合する

では、イーレックスの決算数値を確認してみよう。 タダシは、イーレックス株式会社が2026年5月12日に発表した2026年3月期決算について、決算情報の集計サイトや報道など、複数の公開情報を突き合わせた。

正直に書いておくと、イーレックスの決算短信原文そのものへは、今回タダシは直接アクセスできなかった。 そのため、以下は決算集計サイトや報道記事など、複数の独立した二次情報を突き合わせた結果であり、決算短信原文ほどの確度ではないことを先に断っておく。

その前提のうえで確認できたのは、次のことだ。 営業利益「75億1800万円(同5.3%増)」、純利益「53億3200万円(同151.8%増)」は、確認できた複数の情報と一致していた。 2024年3月期の大幅赤字から2025年3月期に黒字転換したという大枠の流れも、複数の情報で確認できた。

一方で、売上高だけ、気になる点があった。 タダシが確認できた情報では、イーレックスの2026年3月期売上高(売上収益)は「1,691億7,000万円」だった。 記事に書かれている「169億1700万円」とは、桁がひとつ違う。 前期比の増減率「1.2%減」自体は一致しているので、単純な入力ミスで一桁抜けた可能性が高い、というのがタダシの見立てだ。

また、記事にある株価目安「792円(2026年7月中旬時点)」についても、タダシが確認できた株価情報(2026年7月17日時点で887円)とは、100円近い開きがあった。 同じ時期を指しているなら、この開きは気になるところだ。 PBRや配当利回りといったほかの指標は、今回タダシが確認できた範囲では裏取りできていない。

  • 売上高:記事「169億1700万円(前期比1.2%減)」/タダシが確認できた情報「1,691億7,000万円(同1.2%減)」→金額の桁が一致しない(増減率のみ一致)
  • 営業利益:記事「75億1800万円(同5.3%増)」→確認できた情報と一致
  • 純利益:記事「53億3200万円(同151.8%増)」→確認できた情報と一致
  • 株価目安:記事「792円(2026年7月中旬時点)」/タダシが確認できた株価「887円(2026年7月17日時点)」→一致しない

サニックスホールディングス(4651)の数字を、参考記事の記載で整理する

続いて、サニックスホールディングス(4651)だ。 参考記事は、この銘柄についても具体的な数字を挙げている。

記事によれば、2026年3月期は売上高467億9100万円(前期比3.2%増)、営業利益28億300万円(同25.9%増)の増収増益。 2025年3月期は営業利益が前期比71.6%減の大幅な減益だったが、そこから21年ぶりとなる復配(1株当たり2円)を目指す方針、という紹介だった。

「大幅減益からの復配」というストーリーは、いかにも「底打ち・回復期待」を感じさせる並びだ。 だからこそ、ここは決算短信の原文まで確かめておきたい。

サニックスホールディングスの証券コード・銘柄名・株価目安・主要指標が並ぶ銘柄情報テーブル
参考記事内のサニックスホールディングスの銘柄情報テーブル。(画像:「今買えばいい注目株」2026年7月16日の記事より)

決算短信の原文で確かめると——増減の向きが逆だった

サニックスホールディングスについては、決算短信の原文にたどり着けた。 同社が2026年5月15日に発表した「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(福岡証券取引所で公開)だ。

結果を先に書く。 記事の数字は、決算短信の原文と一致しなかった。 金額だけでなく、増えているのか減っているのかという向きまで、逆だった。

決算短信によれば、2026年3月期の売上高は452億9,100万円で、前期比0.1%減。 営業利益は12億7,200万円で、前期比42.9%減——大幅な減益だ。 記事にある「売上高467億9100万円(3.2%増)」「営業利益28億300万円(25.9%増)」とは、金額も増減の向きも一致しない。

記事にある「2025年3月期は営業利益が前期比71.6%減」という記載も、決算短信の原文で確認すると、2025年3月期の営業利益の前期比は40.5%減だった。 「71.6%減」という数字自体は決算短信に載っているが、それは「2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益」の前期比であって、記事が書いている年度・指標とは違う数字だった。 年度と指標を、どこかで取り違えているように見える。

  • 売上高:記事「467億9100万円(前期比3.2%増)」/決算短信原文「452億9,100万円(同0.1%減)」→金額・増減の向きとも一致しない
  • 営業利益:記事「28億300万円(同25.9%増)」/決算短信原文「12億7,200万円(同42.9%減)」→金額・増減の向きとも一致しない(増益ではなく大幅減益)
  • 「71.6%減」の出どころ:決算短信原文では「2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益」の前期比として記載。記事は「2025年3月期の営業利益」として紹介しており、年度・指標の取り違えとみられる
サニックスホールディングス「2026年3月期決算短信」の連結経営成績サマリー表
サニックスホールディングスが2026年5月15日に公表した「2026年3月期 決算短信」の連結経営成績。売上高452億9,100万円(前期比0.1%減)・営業利益12億7,200万円(同42.9%減)と記載されている。(出典:サニックスホールディングス株式会社)

気になった点——『21年ぶり』の復配と、株価水準のズレ

決算数値以外にも、気になった点が2つあった。

ひとつは、復配についての「21年ぶり」という表現だ。 決算短信の原文には、2025年3月期が無配(0円)、2026年3月期に1株2円の配当を実施したことは記載されていた。 「1株2円の復配」という事実そのものは、決算短信と一致する。 ただし「21年ぶり」という年数については、タダシが確認した決算短信の本文には直接の記載が見当たらなかった。 他の報道では「20年ぶり」とする記事もあり、年数の表現には揺れがある。

もうひとつは、株価水準だ。 記事にある「237円(2026年7月中旬時点)」は、タダシが確認できた別の時点の株価(2026年7月8日時点で245円)とは近いものの完全には一致せず、PER・PBR・配当利回りといった指標も、確認できた別時点の数字とは差があった。 どの時点の株価をもとにした指標なのか、記事内には明記されていない。

数字が「もっともらしく」並んでいるときほど、その数字がいつの時点のものかを確かめる価値がある、とタダシは思う。

記事末尾の投資サービス誘導——当サイトで確認済みのポイント

参考記事の末尾まで読み進めると、投資情報サービスへの登録導線が並んでいる。 投資顧問サービス「投資顧問ジャーナル」、AI投資ツール「IF」だ。

これらの運営会社の実在や登録状況については、当サイトの別記事ですでに確認している。 『今買えばいい注目株』の注目株紹介、その先の投資サービス誘導は大丈夫?「AIが急騰株を自動で選ぶ」投資ツール『IF(イフ)』は信じてよい?で、金融庁の無登録業者リストとの照合結果まで載せている。

今回は、そちらに譲る。 もし「この案件、大丈夫かな」と思ったら、一人で判断せず、LINEで案件名・URL・勧誘文のスクショを送ってほしい。 確認ポイントは、タダシと一緒に整理する。 相談は無料だ。 商材やツールの販売は行っていない。

まとめ:3つに分けて見る

ここまでの内容を、株選びナビの判断フレームに沿って整理する。 「①発信の中身(決算数値) ②運営会社・事業の実在 ③勧誘導線」の3つに分けて見ると、わかりやすい。

①については、はっきり分かれた。 サニックスホールディングス(4651)は決算短信の原文で確認した結果、記事の数字は一致しなかった(増減の向きも逆だった)。 イーレックス(9517)は、営業利益・純利益は確認できたが、売上高の桁が一致しない疑いが残った(決算短信原文は今回未確認)。

②については、イーレックス・サニックスホールディングスとも、実在する東証上場企業であることをタダシも確認できた。

③については、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理してある。

答えはたぶん、すでに公開情報の中にある。 タダシと一緒に確かめてみよう。

  • ①発信の中身:記事の決算数値は公開情報と一致していたか→サニックスホールディングスは決算短信原文と不一致(増減の向きも逆)。イーレックスは売上高の桁に疑いが残る
  • ②運営会社・事業の実在:イーレックス・サニックスホールディングスは実在の上場企業か→確認できた
  • ③勧誘導線:投資顧問ジャーナル・IFの実績表示・登録状況は裏取りできるか→別記事で確認済み

判断するときに押さえたいこと

タダシが「再エネ・環境関連2銘柄」という記事について確認できたのは、ここまでだ。 イーレックス株式会社(9517)とサニックスホールディングス株式会社(4651)は、どちらも実在する東証上場企業で、そこは確認できた。 一方で、決算数値については、はっきり違いが出た。 サニックスホールディングスは、決算短信の原文(2026年5月15日発表)で確認した結果、記事にある売上高・営業利益の数字とは、金額も増減の向きも一致しなかった。 イーレックスについては、営業利益・純利益は複数の公開情報で一致を確認できたものの、売上高だけ桁がひとつ違う疑いが残り、決算短信原文までは今回確認しきれなかった。 数字が具体的で詳しいことと、その数字が公開情報と一致していることは、別の話だ。 気になる銘柄を見つけたら、証券コードで会社のIRページを検索し、決算短信の原文にあたる——このひと手間を、タダシは大切にしたい。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • イーレックス株式会社(9517)の決算数値を、会社が公表する決算短信の原文で確認したか
  • サニックスホールディングス株式会社(4651)の決算数値を、会社が公表する決算短信の原文で確認したか(本記事では売上高・営業利益とも記事の記載と一致しなかった)
  • 「◯年ぶりの復配」など年数を伴う表現が、決算短信の原文に記載されているかを確認したか
  • 紹介されている株価や指標(PER・PBR・配当利回り等)が、いつの時点のものかを確認したか
  • 記事末尾の投資情報サービス(投資顧問ジャーナル/IF)に登録する前に、それぞれの確認ポイントをまとめた別記事を読んだか
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報