「10万円以下で今後の飛躍に期待」——そう見出しに書かれた記事を読んだ。 紹介されていたのは、メタバース・XR技術を手がけるmonoAI technology株式会社(証券コード5240)。 売上高や営業損益といった決算数値が、具体的な金額つきで並んでいた。 先に、はっきり言っておく。 タダシが公式の決算短信と照らし合わせたところ、記事の決算数値そのものは、大枠で一致していた。 ただし、確かめてほしいのはそこだけではない。 この記事が公開されたのと同じ日に、monoAI technologyはもう一つ別の決算を公表していた。 そちらには触れられていない。 なお、この記事は「今買えばいい注目株」やその運営者、そしてmonoAI technology株式会社を違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。

この記事の要点

「今買えばいい注目株」が2026年8月14日に公開した、monoAI technology株式会社(5240)を紹介する記事。 売上高9.8億円などの決算数値を公式の決算短信と照合し、記事公表日と同じ日に出ていたもう一つの決算にも触れながら、タダシが公開情報で確認できたことをまとめる。

この記事の目次
  1. まず一度立ち止まる——並んだ数字を、鵜呑みにする前に
  2. この記事を書いているのは誰か、何を主張しているかを整理する
  3. 決算数値を、決算短信と照合する
  4. 気になった点①——記事が出たのと同じ日に、もっと新しい決算が出ていた
  5. 気になった点②——「取引先」という表現と、PBR2.4倍の根拠
  6. リスク要因の主張を確認する
  7. 記事末尾の誘導——投資顧問ジャーナル・IF・LINE登録は、当サイトで確認済み
  8. まとめ:3つに分けて見る
  9. 判断するときに押さえたいこと
  10. 出典・参考情報

まず一度立ち止まる——並んだ数字を、鵜呑みにする前に

「今買えばいい注目株」というブログが、2026年8月14日に「【注目株】DX・生成AI関連|10万円以下で今後の飛躍に期待」という記事を公開した。 本文には、monoAI technology株式会社(証券コード5240)の決算数値が、細かく並んでいる。

数字がこれだけ細かく並ぶと、つい「ここまで詳しいなら信頼できそうだ」と感じてしまう。 その感覚は、あなたにも覚えがあるかもしれない。

だから今回タダシが確かめるのは、この案件が詐欺かどうかではない。 参考記事が挙げている決算数値が、公開情報である決算短信と説明が通るかどうか——それだけだ。 止めもしないし、押しもしない。 ただ、申し込む前に一緒に確かめておきたいことがある。

先に断っておくと、これは「今買えばいい注目株」やその執筆者を、違法・詐欺と断定するものではない。 実在するmonoAI technology株式会社についても同じで、確かめたいのはあくまで数字の一致・不一致という事実だけだ。 順番に、ひとつずつ見ていこう。

この記事を書いているのは誰か、何を主張しているかを整理する

今回取り上げるのは、「今買えばいい注目株」が2026年8月14日に公開した記事だ。 タイトルは「【注目株】DX・生成AI関連|10万円以下で今後の飛躍に期待」。 書いているのは、サイトの運営責任者を名乗る「佐藤真理子」という人物である。

「今買えばいい注目株」という運営者・サイト構造の実態については、タダシがすでに別の記事で確かめている。 「今買えばいい注目株」の運営者とランキングは信じてよい?という記事だ。 今回は、そこを重ねて掘り下げることはしない。

記事が取り上げているのは、monoAI technology株式会社(証券コード5240)だ。 タダシは国税庁の法人番号公表サイトで、この会社の実在を確認しておいた。 法人番号3011101065465、本店は兵庫県神戸市中央区。 証券コード5240として東証グロース市場に2022年12月に新規上場した実在の企業であることを確認できた。

ここまでを踏まえたうえで、記事が具体的に何を主張しているかを整理すると、次のようになる。

  • 株価:211円(1単元購入代金21,100円)、PBR2.4倍、配当利回り0%、時価総額2,588百万円、自己資本比率86.5%と紹介されている
  • 直近の2025年度決算として、売上高9.8億円(前期比31.35%減)、営業損益3.9億円の赤字(前期比38.65%悪化)、純損益3.4億円の赤字(前期比42.66%改善)と紹介されている
  • 大日本印刷やソニーグループが「主要取引先」として紹介されている
monoAI technology(5240)の株価・PER・PBR・時価総額・自己資本比率が並ぶ銘柄情報テーブル
参考記事内のmonoAI technologyの銘柄情報テーブル。(画像:「今買えばいい注目株」2026年8月14日の記事より)

決算数値を、決算短信と照合する

では、決算短信そのものを確認してみよう。 monoAI technology株式会社が2026年2月13日に発表した、「2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の数値と、記事の数字を照らし合わせた。

結果は、売上高・営業損益・純損益・自己資本比率のすべてで、金額そのものは一致していた。 決算短信本文には「売上高980,881千円(前連結会計年度末比31.4%減)、営業損失390,792千円、親会社株主に帰属する当期純損失336,159千円」とあり、記事の「9.8億円」「3.9億円の赤字」「3.4億円の赤字」と、億円単位でのおおまかな一致を確認できた。 自己資本比率も「86.5%」とそのまま決算短信に記載されていた。

ただし、前期比の増減率については、決算短信本文に記載がない数字もあった。 営業損益の「前期比38.65%悪化」、純損益の「前期比42.66%改善」は、いずれも決算短信の増減率欄には記載がなく、記事側が実額から独自に計算したとみられる。 タダシが同じように実額から計算し直したところ、営業損益はほぼ同じ38.66〜38.67%だったが、純損益は42.59%と、記事の数字とわずかに差があった。

  • 売上高:記事「9.8億円(前期比31.35%減)」/決算短信「980,881千円(前連結会計年度末比31.4%減)」→金額は一致
  • 営業損益:記事「3.9億円の赤字(前期比38.65%悪化)」/決算短信「390,792千円の赤字」→金額は一致。悪化率は決算短信に記載なく独自算出とみられるが、実額からの再計算(38.66〜38.67%)とはほぼ一致
  • 純損益:記事「3.4億円の赤字(前期比42.66%改善)」/決算短信「336,159千円の赤字」→金額は一致。改善率は決算短信に記載なく独自算出とみられ、実額からの再計算(42.59%)とはわずかに差がある
  • 自己資本比率:記事「86.5%」/決算短信「86.5%」→一致
「直近の2025年度決算」として売上高・営業損益・純損益の数値を説明する参考記事本文
参考記事内の決算数値に関する記述。(画像:「今買えばいい注目株」2026年8月14日の記事より)

気になった点①——記事が出たのと同じ日に、もっと新しい決算が出ていた

決算数値そのものは、決算短信の記載とおおむね一致していた。 ただ、確認を進めるうちに、数値そのもの以上に気になる点が見つかった。

参考記事は「直近の2025年度決算」として、2026年2月13日公表の通期決算短信の数字を紹介している。 これは間違いではない。 通期決算としては、確かに最新のものだ。

ただし、記事が公開された2026年8月14日、まさにその同じ日に、monoAI technologyは「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信」を公表していた。 そこに書かれていたのは、「売上高268百万円(前年同期比58.0%減)、営業損失269百万円、中間純損失255百万円」という数字だ。 前年同期比58.0%減という減収幅は、通期決算の31.4%減より、さらに大きい。

記事の免責文言には「本記事中の株価・時価総額・業績数値は、2026年8月14日時点の各種情報サイトの公開データをもとにした目安」とある。 その「時点」に、もう一つの決算が同じ日に出ていたことになる。 タダシが確認した範囲では、記事はこの中間期決算には触れていなかった。

古い決算を使うこと自体を、タダシは責めるつもりはない。 ただ、「直近の決算」と書く以上、その同じ日にもっと新しい開示が出ていないかは、あなた自身でも確認しておきたいポイントだと思う。

  • 2025年12月期(通期・2026年2月13日公表):売上高9.8億円(前期比31.4%減)
  • 2026年12月期第2四半期(中間期・2026年8月14日公表=記事と同日):売上高2.68億円(前年同期比58.0%減)、営業損失2.69億円、中間純損失2.55億円

気になった点②——「取引先」という表現と、PBR2.4倍の根拠

記事の「注目ポイント」欄には、大日本印刷やソニーグループとの関係が挙げられている。 「大手企業との取引実績」という表現だ。

タダシがmonoAI technology公式のIR(投資家向けの公式発表)情報を確認したところ、大日本印刷は同社と資本業務提携を結び、約10億円を出資して株式の14.78%を保有する株主だった。 ソニーグループについても、Sony Innovation Fundなどからの資金調達という形での関わりが確認できた。

「取引先」という言葉から連想するのは、通常、商品やサービスを売買する相手だ。 だが確認できた実態は、出資者・資本提携先としての関係に近い。 間違った情報ではないが、言葉の選び方によって受け取る印象は変わる。 ここは区別して読んでおきたい。

もう一つ、「PBR2.4倍」という数字も確認しておいた。 決算短信に記載された1株当たり純資産(BPS)をもとに計算すると、2025年12月期末の数値では2.11倍、2026年6月末の中間期末の数値では2.67倍となり、いずれもタダシが計算した範囲では2.4倍とは一致しなかった。 算出の根拠は、記事本文からは確認できなかった。

  • 大日本印刷:monoAI technologyとの資本業務提携により約10億円を出資し、株式14.78%を保有(公式IR情報より)
  • ソニーグループ:Sony Innovation Fundなどから資金調達を受けた関係(公式IR情報より)
  • PBR2.4倍:決算短信のBPSから計算すると2.11倍または2.67倍で、タダシが確認した範囲では2.4倍の根拠は見当たらなかった
参考記事の「注目ポイント」欄。メタバース市場拡大・大手企業との取引実績・自己資本比率の高さが挙げられている
参考記事内の「注目ポイント」欄。(画像:「今買えばいい注目株」2026年8月14日の記事より)

リスク要因の主張を確認する

記事は「リスク要因」として、売上高減少・営業損益の赤字拡大・競争環境の激化の3点を挙げている。 これらは、タダシが決算短信で確認した数字とも、大枠で矛盾しない。

売上高が前期比31.4%減、営業損失が拡大しているのは、決算短信の記載どおりだ。 ここは、記事が都合の良い数字だけを並べているわけではない、という点として受け止めておきたい。

ただし、この「リスク要因」欄でも、前の項目で触れた中間期決算(2026年8月14日公表)でさらに赤字が拡大している事実には触れられていない。 リスクを書いていること自体は評価できるが、そのリスクが「その後、実際にどうなったか」という最新情報までは追えていない、というのがタダシの見立てだ。

参考記事の「リスク要因」欄。売上高減少・営業損益の赤字拡大・競争環境の激化が挙げられている
参考記事内の「リスク要因」欄。(画像:「今買えばいい注目株」2026年8月14日の記事より)

記事末尾の誘導——投資顧問ジャーナル・IF・LINE登録は、当サイトで確認済み

参考記事の末尾まで読み進めると、投資情報サービスへの登録導線が並んでいる。 「今買えばいい注目株」公式LINEへの友だち追加、投資顧問サービス「投資顧問ジャーナル」、そしてAI投資ツール「IF」の3つだ。

これらについては、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理している。 「投資顧問ジャーナル」と「IF」の運営実態や登録状況は、『今買えばいい注目株』の注目株紹介、その先の投資サービス誘導は大丈夫?で整理した。 「IF」単体については、「AIが急騰株を自動で選ぶ」投資ツール『IF(イフ)』は信じてよい?で、金融庁の無登録業者リストとの照合結果まで載せている。

正直なところ、投資顧問ジャーナル・IFの2つは、すでに当サイトの別記事で確認ポイントを整理済みだ。 今回はそちらに譲る。

「この案件、大丈夫かな」と思ったら、一人で判断せず、LINEで案件名・URL・勧誘文のスクショを送ってほしい。 確認ポイントは、タダシと一緒に整理する。 相談は無料だ。 商材やツールの販売は行っていない。

まとめ:3つに分けて見る

ここまでの内容を、株選びナビの判断フレームに沿って整理する。 「発信の中身(決算数値)・運営会社の事業実在・勧誘導線」の3つに分けて見ると、わかりやすい。

ひとつ目は、記事が挙げたmonoAI technology(5240)の決算数値は、タダシが決算短信と照合した結果、金額そのものは一致していた。 ただし、増減率の一部は決算短信に記載のない独自算出とみられ、記事公表と同じ日に出ていたより新しい決算(中間期)には触れられていなかった。

ふたつ目は、monoAI technology(5240)は法人番号公表サイトで実在を確認できた東証グロース市場の上場企業だった。 ただし「取引先」という表現は、実態としては資本提携・出資に近い関係だった。

みっつ目は、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理してある。

答えはたぶん、すでに公開情報の中にある。 タダシと一緒に確かめてみよう。

  • ①発信の中身:決算数値は決算短信と一致していたか→タダシが確認した範囲では金額は一致。ただし増減率の一部は独自算出とみられ、同日公表のより新しい決算には触れられていなかった
  • ②運営会社・事業の実在:monoAI technology(5240)は実在の東証グロース上場企業か→法人番号公表サイトで確認できた(「取引先」表現は資本提携・出資に近い実態)
  • ③勧誘導線:投資顧問ジャーナル・IFの実績表示・登録状況は裏取りできるか→別記事で確認済み

判断するときに押さえたいこと

タダシが「DX・生成AI関連|10万円以下で今後の飛躍に期待」という記事について確認できたのは、ここまでだ。 monoAI technology株式会社(5240)は実在する東証グロース市場の上場企業で、記事が挙げる売上高9.8億円・営業損失3.9億円・自己資本比率86.5%は、公式の決算短信と照らし合わせて、金額としては一致していた。 一方で、営業損益・純損益の前期比増減率は決算短信に記載のない独自算出とみられ、記事が公開されたのと同じ日には、赤字幅がさらに拡大した中間期決算がすでに出ていた。 「取引先」という表現も、確認した限りでは資本提携・出資に近い関係で、「PBR2.4倍」の算出根拠もタダシが確認した範囲では見当たらなかった。 これらは、タダシが確認できた事実として、そのまま書いておく。 記事末尾で案内されている投資顧問ジャーナル・IFについては、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理してある。 だから今回は、この記事そのものの数字と時点に絞って書いた。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • monoAI technology株式会社(5240)の決算数値を、会社が公表する決算短信の原文で確認したか
  • 「直近の決算」として紹介されている数字が、その時点で本当に最新のものか(同じ日により新しい開示が出ていないか)を確認したか
  • 「取引先」「PBR◯倍」といった表現が、決算短信や公式IR情報の裏付けと一致するかを確認したか
  • 記事末尾の投資情報配信サービス(投資顧問ジャーナル/IF)に登録する前に、それぞれの確認ポイントをまとめた別記事を読んだか
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報