「【注目株】次世代デバイス・エレクトロニクス関連|10万円以下でAI成長企業に注目」——そんな見出しの記事を読んだ。 紹介されていたのは、Hmcomm株式会社(265A)と株式会社FIXER(5129)。 実はこの組み合わせ、タダシは見た覚えがある。 先に、はっきり言っておく。 タダシが両社の決算短信と照らし合わせたところ、記事の主要な決算数値は、今回もおおむね公開情報と一致していた。 ただし今回の記事には、自己資本比率・時価総額・大手企業との取引実績など、以前タダシが確認した記事にはなかった数字が新しく加わっている。 その中には、決算短信そのものには載っていない数字も混じっていた。 なお、この記事は「今買えばいい注目株」やその運営者、そしてHmcomm株式会社・株式会社FIXERを違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。

この記事の要点

「今買えばいい注目株」が2026年8月25日に公開した「次世代デバイス・エレクトロニクス関連」という記事。 紹介されているHmcomm株式会社と株式会社FIXERは、同サイトが2026年7月10日にも同じ組み合わせで取り上げていた2銘柄で、当サイトはその回の決算数値照合をすでに公開している。 今回は続報として、自己資本比率・営業キャッシュ・フロー・大手企業との取引実績・「GaiXer」の導入実績など、新しく登場した数字をタダシが公開情報で確かめる。

この記事の目次
  1. まず一度立ち止まる——見覚えのある2銘柄が、また紹介されている
  2. 今回、新しく主張されていることを整理する
  3. Hmcomm株式会社(265A)の新しい数字を、決算短信で確かめる
  4. Hmcommの大手企業との取引実績——ベネッセ・セコムは公式発表で確認できた
  5. 株式会社FIXER(5129)の新しい数字を、決算短信で確かめる
  6. 「GaiXer145社導入」「医療機関10病院導入」——確認できた一次情報とは差があった
  7. 記事末尾の投資サービス誘導——当サイトで確認済みのポイント
  8. まとめ:3つに分けて見る
  9. 判断するときに押さえたいこと
  10. 出典・参考情報

まず一度立ち止まる——見覚えのある2銘柄が、また紹介されている

「今買えばいい注目株」というブログが、2026年8月25日に「【注目株】次世代デバイス・エレクトロニクス関連|10万円以下でAI成長企業に注目」という記事を公開した。 本文には、Hmcomm株式会社(265A)と株式会社FIXER(5129)の決算数値が、細かく並んでいる。

実は、この2社の組み合わせを、タダシは以前にも見ている。 「今買えばいい注目株」のDX・生成AI関連2銘柄、決算数値は本当に合ってる?という記事で、タダシは2026年7月10日に公開された同じ2社の紹介記事を、決算短信と照合済みだ。

今回の記事は、その約1か月半後に、同じ2社を別の切り口で紹介したものだった。 同じ銘柄を繰り返し取り上げること自体は、珍しいことではない。 ただ、繰り返し登場するからこそ、毎回、数字が正しいかを確かめる価値があると、タダシは思う。

先に断っておくと、これは「今買えばいい注目株」やその執筆者を、違法・詐欺と断定するものではない。 実在するHmcommとFIXERの両社についても同じで、確かめたいのはあくまで数字の一致・不一致という事実だけだ。 順番に、ひとつずつ見ていこう。

今回、新しく主張されていることを整理する

7月の記事とすでに確認済みの決算短信の数値(「今買えばいい注目株」のDX・生成AI関連2銘柄、決算数値は本当に合ってる?で確認済み)と比べると、今回の記事には新しい情報がいくつも加わっている。

Hmcommについては、株価目安・PER・PBR・時価総額・自己資本比率に加えて、「特定顧客への依存度」という見出しでリスク要因が新しく紹介されている。 FIXERについても、ROE(自己資本当期純利益率)や、生成AIプラットフォーム「GaiXer」の導入実績数など、以前は無かった数字が並んでいる。

ひとつずつ、公開情報と照らし合わせていく。

  • Hmcomm(265A):自己資本比率80.7%、時価総額2,917百万円、PER92.59倍、PBR1.72倍と紹介されている
  • Hmcomm:「特定顧客への依存度」「主要顧客との取引終了で売上構成が大きく変化した」というリスクが紹介されている
  • Hmcomm:ベネッセ・セコムへのAIソリューション提供という取引実績が紹介されている
  • FIXER(5129):営業損失17.3億円・純損失21.2億円・ROE-56.3%・自己資本比率83.7%と紹介されている
  • FIXER:生成AIプラットフォーム「GaiXer」が145社、医療向けエージェントが10病院に導入されていると紹介されている
Hmcomm株式会社の証券コード・銘柄名・市場・株価目安・主要指標が並ぶ銘柄情報テーブル
参考記事内のHmcommの銘柄情報テーブル。(画像:「今買えばいい注目株」2026年8月25日の記事より)

Hmcomm株式会社(265A)の新しい数字を、決算短信で確かめる

まず、Hmcomm株式会社(265A)が2026年2月13日に発表した「2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」を確認した。

自己資本比率80.7%という数字は、決算短信のサマリー表と一致していた。 決算短信の本文にも「自己資本比率は80.7%(前事業年度末は90.6%)となりました」と、Hmcomm株式会社「2025年12月期 決算短信」にそのまま記載されている。

「2024年12月期の営業キャッシュ・フローが1.39億円の赤字だった」という数字も、 決算短信の比較年度欄と一致した。 決算短信には「前事業年度は139,713千円の資金支出」と記載されており、万円単位に直すとほぼ1.39億円になる。

一方で、時価総額2,917百万円・PER92.59倍・PBR1.72倍という数字は、決算短信そのものには載っていない。 決算短信は売上高や利益、自己資本比率までは開示するが、時価総額・PER・PBRは日々の株価で変わる市場データだからだ。 株式情報サイトで確認したところ、PBRはほぼ同じ数字が確認できた。 ただし時価総額とPERは、確認したタイミングの株価によって数字が変わる参考値として扱っておきたい。

「主要顧客との取引終了で売上構成が大きく変化した」という記述については、 タダシが確認できた決算短信の本文そのものには、この言い回しは見当たらなかった。 有価証券報告書などの一次資料まで確認できれば裏付けが取れる可能性はあるが、今回タダシが確認できた範囲では、ここは確認できなかったに留めておく

  • 自己資本比率:記事「80.7%」/決算短信「80.7%(前事業年度末は90.6%)」→一致
  • 2024年12月期の営業キャッシュ・フロー:記事「1.39億円の赤字」/決算短信「139,713千円の資金支出」→一致
  • 時価総額・PER・PBR:決算短信には記載がなく、株式情報サイトの数値と照らし合わせるしかない
  • 「特定顧客への依存度」という記述:タダシが確認できた決算短信本文では確認できなかった
「今買えばいい注目株」記事内のHmcommに関する注目ポイントの一覧
参考記事内のHmcomm「注目ポイント」欄。(画像:「今買えばいい注目株」2026年8月25日の記事より)

Hmcommの大手企業との取引実績——ベネッセ・セコムは公式発表で確認できた

記事では、Hmcommについて「ベネッセやセコムなどへのAIソリューション提供が発表されています」と紹介されている。 この点は、タダシがHmcomm公式の発表まで確認できた。

Hmcomm株式会社のプレスリリース(2024年7月25日)によると、株式会社ベネッセコーポレーションの学校向け教育事業の電話受付業務に、HmcommのAI音声自動応答システム「Terry」が導入されている。

別のプレスリリース(2025年8月29日)でも、セコム株式会社にAI音声認識プラットフォーム「Voice Contact」を導入したことが公式に発表されている

この2件については、タダシが確認した範囲では、企業の公式発表という一次情報にたどり着けた。 こういう固有名詞入りの実績は、企業名で検索して公式プレスリリースの原文まで確かめる癖をつけておくといい。

株式会社FIXER(5129)の新しい数字を、決算短信で確かめる

続いて、株式会社FIXER(5129)が2025年10月10日に発表した「2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」を確認した。

この決算短信のサマリー表には、「営業利益 △1,729(百万円)」「親会社株主に帰属する当期純利益 △2,117(百万円)」「自己資本当期純利益率 △56.3(%)」「自己資本比率 83.7(%)」と、そのまま記載されている。

記事が挙げている営業損失17.3億円・純損失21.2億円・ROE-56.3%・自己資本比率83.7%は、いずれもこの決算短信の数字と一致していた。 以前タダシが確認した売上高・営業損失の数字(「今買えばいい注目株」のDX・生成AI関連2銘柄、決算数値は本当に合ってる?参照)と合わせても、FIXERの決算数値まわりでは、食い違う点は見当たらなかった。

  • 営業損失:記事「17.3億円」/決算短信「△1,729百万円」→一致
  • 純損失:記事「21.2億円」/決算短信「△2,117百万円(親会社株主帰属分)」→一致
  • ROE(自己資本当期純利益率):記事「-56.3%」/決算短信「△56.3%」→一致
  • 自己資本比率:記事「83.7%」/決算短信「83.7%」→一致
株式会社FIXERの証券コード・銘柄名・市場・株価目安・主要指標が並ぶ銘柄情報テーブル
参考記事内のFIXERの銘柄情報テーブル。(画像:「今買えばいい注目株」2026年8月25日の記事より)

「GaiXer145社導入」「医療機関10病院導入」——確認できた一次情報とは差があった

記事では、FIXERの生成AIプラットフォーム「GaiXer」について「145社」に導入され、医療向けエージェント「GaiXer Medical Agent」が「10病院」に導入されていると紹介されている。

タダシが確認できた一番新しい一次情報は、2025年10月10日発表の決算短信だ。 そこには「エンタープライズ向けAGIプラットフォーム『GaiXer(ガイザー)』の拡販に注力し、自治体や企業への導入実績は120社を超えるまで拡大しました」と記載されている。 「145社」という数字そのものは、タダシが確認できた一次資料の中には見当たらなかった

医療分野についても、公式のプレスリリースで名前が確認できたのは、藤田医科大学病院・藤田医科大学岡崎医療センター・春日井市民病院の3施設だった。 「10病院」という数字を裏付ける一次情報は、タダシが探した範囲では見つからなかった。

2025年10月から今回の記事(2026年8月25日)まで、10か月ほど時間が経っている。 その間に導入数が伸びていても、おかしくはない。 だから「145社」「10病院」という数字が間違っているとまでは言い切れない。 ただ、その数字を裏付ける最新の一次情報が、タダシが確認した範囲では見当たらなかったという事実は、そのまま書いておきたい。

  • GaiXer導入社数:記事「145社」/決算短信(2025年10月)「120社を超える」→145社という数字は一次資料で確認できず
  • GaiXer Medical Agent導入病院数:記事「10病院」/プレスリリースで確認できた施設「3施設」→10病院という数字は一次資料で確認できず
  • 売上高の大幅減少・営業損失・純損失が続いているというリスク要因自体は、決算短信の数字と一致していた
「今買えばいい注目株」記事内のFIXERに関するリスク要因の一覧
参考記事内のFIXER「リスク要因」欄。(画像:「今買えばいい注目株」2026年8月25日の記事より)

記事末尾の投資サービス誘導——当サイトで確認済みのポイント

参考記事の末尾まで読み進めると、「今カブ公式LINE」への友だち追加や、「口コミで高評価」とうたう投資サービスへのバナーが並んでいる。

「今買えばいい注目株」の運営者や、記事末尾の投資情報配信サービスについては、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理してある。 運営者の実在性やランキングの信頼性は「今買えばいい注目株」の運営者とランキングは信じてよい?、バナーの実績表示は「+420%」の実績は確認できる?市況記事にある2つの誘導バナーを確かめる、投資顧問サービスへの誘導は『今買えばいい注目株』の注目株紹介、その先の投資サービス誘導は大丈夫?で整理している。

今回は、Hmcomm・FIXERという実在企業の決算数値そのものに絞って確認した。 だからこそ、その先にある投資サービスへ進む前に、別記事のチェックポイントにも一度目を通しておくことをすすめたい。

もし「この案件、大丈夫かな」と思ったら、一人で抱え込まず、LINEで案件名・URL・勧誘文のスクショを送ってほしい。 確認ポイントは、タダシと一緒に整理する。 相談は無料だ。 商材やツールの販売は行っていない。

まとめ:3つに分けて見る

ここまでの内容を、株選びナビの判断フレームに沿って整理する。 「ひとつ目は発信の中身(決算数値)、ふたつ目は運営会社・事業の実在、みっつ目は勧誘導線」の3つに分けて見ると、わかりやすい。

ひとつ目については、 自己資本比率・営業キャッシュ・フロー・大手企業との取引実績・FIXERのROEなど、今回新しく登場した数字の多くは、決算短信や公式発表と一致していた。 ただし、時価総額・PER・PBRは決算短信に記載がなく、「GaiXer145社」「医療10病院」という数字は、タダシが確認できた最新の一次情報を上回っていた。

ふたつ目については、 Hmcomm(265A)もFIXER(5129)も、法人番号公表サイトで実在を確認できた東証グロース市場の上場企業だ。 この点は、「今買えばいい注目株」のDX・生成AI関連2銘柄、決算数値は本当に合ってる?ですでに確認済みだ。

みっつ目については、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理してある。

答えはたぶん、すでに公開情報の中にある。 タダシと一緒に確かめてみよう。

  • ①発信の中身:自己資本比率・営業CF・大手取引実績・FIXERのROE等は決算短信や公式発表と一致していた。時価総額・PER・PBRおよび「GaiXer145社」「医療10病院」は一次情報で確認できず
  • ②運営会社・事業の実在:Hmcomm・FIXERは実在の東証グロース上場企業か→法人番号公表サイトで確認できた(別記事で確認済み)
  • ③勧誘導線:「今カブ公式LINE」・投資顧問サービス等の実績表示・登録状況は裏取りできるか→別記事で確認済み

判断するときに押さえたいこと

タダシが「次世代デバイス・エレクトロニクス関連」という記事について確認できたのは、ここまでだ。 Hmcomm株式会社(265A)と株式会社FIXER(5129)は、どちらも実在する東証グロース市場の上場企業で、自己資本比率・営業キャッシュ・フロー・大手企業との取引実績・FIXERのROEといった今回新しく登場した数字の多くは、タダシが確認した範囲では決算短信や公式発表と一致していた。 一方で、時価総額・PER・PBRは決算短信そのものには記載がなく、株式情報サイトの数値との近似確認にとどまった。 「GaiXer145社導入」「医療機関10病院導入」という数字は、タダシが確認できた最新の一次情報(120社超・プレスリリース3施設)を上回っており、裏付けは見当たらなかった。 数字が間違っていると決めつけるつもりはないが、確認できなかったことは確認できなかったまま、正直に書いておく。 記事末尾で案内されている「今カブ公式LINE」や投資情報配信サービスについては、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理してある。 だから今回は、この記事そのものの数字に絞って書いた。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • Hmcomm株式会社(265A)の自己資本比率・営業キャッシュ・フローを、会社が公表する決算短信の原文で確認したか
  • 株式会社FIXER(5129)のROE・自己資本比率を、決算短信の原文で確認したか
  • 「GaiXer145社導入」「医療機関10病院導入」のような具体的な数字を見たとき、その数字を裏付ける一次情報(プレスリリース・決算資料)がどこにあるかを探したか
  • 時価総額・PER・PBRのような市場データは、証券会社アプリや株式情報サイトの最新値でも自分で確かめてみたか
  • ベネッセ・セコムのような大手企業との取引実績は、その企業の公式プレスリリースまでさかのぼって確認したか
  • 記事末尾の投資情報配信サービスに登録する前に、それぞれの確認ポイントをまとめた別記事を読んだか
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報