「【注目株】DX・生成AI関連2銘柄、10万円以下で初動に注目」——そんな見出しの記事を読んだ。 そこには、Hmcomm株式会社と株式会社FIXERの売上高や営業利益が、具体的な数字つきで並んでいた。 先に、はっきり言っておく。 タダシが両社の決算短信と照らし合わせたところ、記事の決算数値は正確だった。 売上高も営業利益も、通期見通しも、公式発表と食い違う点は見当たらなかった。 ただし、この記事で本当に確かめてほしいのはそこだけではない。 Hmcommの株価が「+14.37%のストップ高になった」という情報は、取引所の適時開示のような一次情報ではなく、タダシが確認した範囲では二次情報での確認にとどまった。 「音を聞くAI」という印象的な言い回しも、Hmcomm公式の自称ではなく第三者の表現だった。 なお、この記事は「今買えばいい注目株」やその運営者、そしてHmcomm株式会社・株式会社FIXERを違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。
日経平均の市況ニュースなども配信する「今買えばいい注目株」が2026年7月10日に公開した「DX・生成AI関連2銘柄」という記事。 Hmcomm株式会社と株式会社FIXERの決算数値を、各社の決算短信と照らし合わせ、タダシが公開情報で中立的に確かめる。 ストップ高情報の一次・二次の別と、記事末尾の投資情報配信サービスの検証は当サイトの別記事に委ねる。
この記事の目次
まず一度立ち止まる——並んだ数字を、鵜呑みにする前に
「今買えばいい注目株」というブログが、2026年7月10日に「【注目株】DX・生成AI関連2銘柄、10万円以下で初動に注目」という記事を公開した。 本文には、Hmcomm株式会社(265A)と株式会社FIXER(5129)の決算数値が、細かく並んでいる。
数字がこれだけ細かく並ぶと、つい「ここまで詳しいなら信頼できそうだ」と感じてしまう。 その感覚は、あなたにも覚えがあるかもしれない。 タダシ自身、数字に弱いタイプではないつもりだが、それでも一瞬、目が止まった。
だから今回タダシが確かめるのは、この案件が詐欺かどうかではない。 参考記事が挙げている決算数値が、公開情報である各社の決算短信と説明が通るかどうか——それだけだ。 止めもしないし、押しもしない。 ただ、申し込む前に一緒に確かめておきたいことがある。
先に断っておくと、これは「今買えばいい注目株」やその執筆者を、違法・詐欺と断定するものではない。 実在するHmcommとFIXERの両社についても同じで、確かめたいのはあくまで数字の一致・不一致という事実だけだ。 順番に、ひとつずつ見ていこう。

この記事を書いているのは誰か、何を主張しているかを整理する
今回取り上げるのは、 「今買えばいい注目株」が2026年7月10日に公開した記事だ。 タイトルは「【注目株】DX・生成AI関連2銘柄、10万円以下で初動に注目」。 書いているのは、サイトの運営責任者を名乗る「佐藤真理子」という人物である。
この「佐藤真理子」という人物の実在性や経歴については、 タダシがすでに別の記事で確かめている。 「今買えばいい注目株」の運営者とランキングは信じてよい?という記事で、 公開情報をもとに確認した内容だ。 今回は、そこを重ねて掘り下げることはしない。
誰が書いているかは、以前の記事でタダシがすでに確かめてある。 今回はその続きとして、記事の中身そのものに目を向けたい。
記事が取り上げているのは、 Hmcomm株式会社(証券コード265A)と 株式会社FIXER(証券コード5129)の2社だ。 この2社について、タダシは公開情報で実在を確かめておいた。 国税庁の法人番号公表サイトと経済産業省のgBizINFOで、 それぞれの法人番号を照合した。 Hmcommは法人番号9020001096754、 FIXERは法人番号1010401084788として登録されている。 いずれも東証グロース市場に上場する実在の企業であることを、 タダシが確認できた。
なお、「FIXER」という名称の法人はほかにも複数存在する。 そのため今回は、 証券コード5129・東証グロース上場の株式会社FIXERであることを、 所在地や上場情報とあわせて特定したうえで照合した。
ここまでを踏まえたうえで、 記事が具体的に何を主張しているかを整理すると、次のようになる。
- Hmcomm(265A):2025年12月期・非連結で売上高11億1,222万円(前期比+17.5%)、営業利益3,857万円(同-59.3%)と紹介されている
- Hmcomm:2026年7月1日に前日比+100円(+14.37%)のストップ高、株価目安700円台後半と紹介されている
- FIXER(5129):2025年8月期実績は売上高39億8,000万円(前期比-38.5%)、当期純損失21億1,700万円と紹介されている
- FIXER:2026年8月期会社計画は売上高43億4,800万円(前期比+9.2%)、営業損失15億4,600万円で赤字幅縮小と紹介されている
Hmcomm株式会社(265A)の決算数値を、決算短信と照合する
では、決算短信そのものを確認してみよう。 Hmcomm株式会社(265A)が2026年2月13日に発表した、 「2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」の数値と、 記事の数字を照らし合わせた。
結果は、 売上高・営業利益・経常利益・当期純利益・自己資本比率のすべてで一致していた。 記事が引用している売上高や営業利益の数字は、 決算短信の記載を万円単位に換算したものと、 厳密に一致する。
ただし、気になる点もある。 増収でも、利益はどの段階でも大きく落ち込んでいる。 「売上高11億円」という見出しの数字だけでなく、 その下にある利益の中身まで見ておきたい、 というのがタダシの正直な感想だ。
- 売上高:記事「11億1,222万円(前期比+17.5%)」/決算短信「1,112百万円(17.5%)」→一致
- 営業利益:記事「3,857万円(同-59.3%)」/決算短信「38百万円(△59.3%)」→一致
- 経常利益:記事「3,957万円(同-45.0%)」/決算短信「39百万円(△45.0%)」→一致
- 当期純利益:記事「1,852万円(同-80.7%)」/決算短信「18百万円(△80.7%)」→一致
- 自己資本比率:記事「80.7%」/決算短信「2025年12月期 80.7%」→一致

株式会社FIXER(5129)の決算数値を、決算短信と照合する
ここからは、株式会社FIXER(証券コード5129)です。 記事が挙げている決算数値を、一つずつ公式の決算短信と照合しました。
先に結論を言うと、金額そのものは一致 していました。 ただし、増減率については一つ、確認しておきたい点があります。
この決算短信には、 見過ごせない注記があります。 「2025年8月期より連結財務諸表を作成しているため、 2025年8月期の対前期増減率、2024年8月期の数値及び 対前期増減率については記載しておりません」——決算短信自身がそう明記しています。 つまり、記事が書いている「前期比-38.5%」という増減率そのものは、 決算短信には記載されていない数字 でした。
この-38.5%という数字自体は、 不自然な計算ではありません。 FIXER「2024年8月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」 (2024年10月11日開示、売上高6,468百万円)と比較すると、 3,980百万円÷6,468百万円-1≈-38.5%となり、 記事の数字とほぼ一致します。 おそらく、記事側が2期分の決算短信を 独自に突き合わせて算出した増減率だと見られます。
この数字自体を、タダシは誤りだとは思いません。 ただ、決算短信に書かれていない数字を、 決算短信の記載であるかのように読んでしまうと、 あとで原本を開いたときに「あれ、載っていない」と戸惑うことになります。 数字の出どころを分けて確認しておく癖は、こういう場面でこそ効いてきます。
気になったので、 2026年7月10日開示の第3四半期決算短信も確認しました。 通期の会社計画は、 売上高43億4,800万円・営業損失15億4,600万円のまま、 据え置き でした。
一番新しい開示まで、裏取りできたのは、素直に評価したいところです。
ここで一つ、注意しておきたいことがあります。 「赤字幅縮小」という会社計画の見通しは、黒字化の約束ではありません。 会社計画の言葉づかいを、ここで読み違えないようにしたい、とタダシは思います。
- 2025年8月期実績・売上高:記事「39億8,000万円(前期比-38.5%)」/決算短信「3,980百万円(対前期増減率は記載なし)」→金額は一致。-38.5%は決算短信非記載で、前期6,468百万円との独自比較による算出とみられる
- 2025年8月期実績・営業損失:記事「17億2,900万円」/決算短信「△1,729百万円」→一致
- 2025年8月期実績・経常損失:記事「17億1,900万円」/決算短信「△1,719百万円」→一致
- 2025年8月期実績・当期純損失:記事「21億1,700万円」/決算短信「△2,117百万円」→一致
- 2026年8月期会社計画:記事「売上高43億4,800万円(前期比+9.2%)・営業損失15億4,600万円」/決算短信「4,348百万円(9.2%)・△1,546百万円」→一致。2026年7月10日付の第3四半期決算短信でも据え置きを確認
- 2026年8月期第2四半期累計の経常損益:記事「▲12億6,800万円」/決算短信「△1,268百万円」→一致

気になった点——ストップ高情報と『音を聞くAI』という表現、そしてFIXERの会社計画
決算数値そのものは、決算短信の記載と一致していた。 ただ、記事を読み進めていくと、数値以外にも気になった点が3つあった。 ここで一つずつ整理しておきたい。
まず気になったのが、Hmcommの株価情報だ。 記事では「2026年7月1日に前日比+100円(+14.37%)のストップ高になった」と紹介されている。 タダシが探した範囲では、証券取引所の適時開示のような一次情報は見当たらなかった。 個人の株式投資ブログやSNS投稿など、複数の二次情報では同じ数字が確認できたものの、一次情報での裏取りはできていない。 ここは断定せず、「〜と報じられている」という扱いにしておく。
次に引っかかったのが、『音を聞くAI』という印象的な言い回しだ。 タダシが確認した範囲では、これはHmcomm公式の自称ではなく、第三者――株式情報ブログなど――による表現だった。 Hmcomm公式サイトでは、「音とAIで新しい価値を創る」「AI異音検知」という言葉が使われている。 ただし、異音検知AIを主力事業とする実態そのものは、公式サイトで確認できた。 言い回しが公式のものかどうかと、事業の実態があるかどうかは、分けて考えておきたい。
3つ目は、FIXERの2026年8月期会社計画についてだ。 2026年7月10日に公表された第3四半期決算短信によれば、会社計画は赤字幅縮小の見込みであり、2025年8月期の大幅な赤字からの黒字化ではない。 ここを読み違えると、実態以上に明るい印象を持ってしまう。 タダシとしては、ここは丁寧に区別しておきたいポイントだと思う。
もし広告で断定的な株価情報や、会社の公式サイトにない言い回しを見かけたら、それ自体が「出どころを確かめよう」と立ち止まる理由になる。 危険だと決めつけはしない。 ただ、一次情報かどうかだけは、タダシも確かめておきたい。
- ストップ高情報:Hmcomm「+100円(+14.37%)」は複数の二次情報で確認できたが、一次情報(取引所の適時開示等)では裏取りできていない
- 『音を聞くAI』:Hmcomm公式の自称ではなく第三者の表現。公式サイトは「音とAIで新しい価値を創る」「AI異音検知」と表記
- FIXERの会社計画:2026年8月期は赤字幅縮小の見込みで、黒字化ではない

記事末尾の3つの誘導——法律のブレーキと、当サイトで確認済みのポイント
参考記事の末尾まで読み進めると、投資情報サービスへの登録導線が3つ並んでいる。 LINE公式アカウント「先読みテンバガーナビ」、投資顧問サービス「投資顧問ジャーナル」、そしてAI投資ツール「IF」の3つだ。
このうち「先読みテンバガーナビ」の実績表示については、当サイトの別記事ですでに確認している。 「+420%」の実績は確認できる?市況記事にある2つの誘導バナーを確かめるでは、バナーに書かれた数字の根拠を一つずつ見ている。
「投資顧問ジャーナル」と「IF」についても同様だ。 運営会社の実在や登録状況は、『今買えばいい注目株』の注目株紹介、その先の投資サービス誘導は大丈夫?で整理した。 「IF」単体については、「AIが急騰株を自動で選ぶ」投資ツール『IF(イフ)』は信じてよい?で、金融庁の無登録業者リストとの照合結果まで載せている。
金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」では、投資助言・代理業者の広告について、自社に有利な実績だけを並べる表示を監督上の着眼点の一つに挙げている。 実績の数字そのものが正しいかどうかとは別に、「その数字だけを見せる作り方」自体が、注意して見ておきたいポイントということだ。
SNS・LINE経由の投資勧誘をきっかけにしたトラブルは、公的な統計でも一定数報告されている。 今回のケースがそれに当てはまるかどうかは、この記事だけでは判断できない。
正直なところ、先読みテンバガーナビ・投資顧問ジャーナル・IFの3つは、すでに当サイトの別記事で確認ポイントを整理済みだ。 今回はそちらに譲る。
「この案件、大丈夫かな」と思ったら、一人で判断せず、LINEで案件名・URL・勧誘文のスクショを送ってほしい。 確認ポイントは、タダシと一緒に整理する。 相談は無料だ。 商材やツールの販売は行っていない。
まとめ:3つに分けて見る
ここまでの内容を、株選びナビの判断フレームに沿って整理する。 「①発信の中身(決算数値) ②運営会社・事業の実在 ③勧誘導線」 の3つに分けて見ると、 わかりやすい。
①については、 記事が挙げたHmcomm(265A)・FIXER(5129)の決算数値は、 タダシが各社の決算短信と照合した結果、 一致していたと確認できた。
ただし、 ストップ高情報や「音を聞くAI」という表現は、 二次情報・第三者表現である点には注意したい。
②については、 Hmcomm(265A)もFIXER(5129)も、 法人番号公表サイトで実在を確認できた東証グロース市場の上場企業だった。
③については、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理してある。
答えはたぶん、すでに公開情報の中にある。 タダシと一緒に確かめてみよう。
- ①発信の中身:記事の決算数値は決算短信と一致していたか→タダシが確認した範囲では一致(ストップ高情報・「音を聞くAI」表現は二次情報・第三者表現)
- ②運営会社・事業の実在:Hmcomm・FIXERは実在の東証グロース上場企業か→法人番号公表サイトで確認できた
- ③勧誘導線:先読みテンバガーナビ・投資顧問ジャーナル・IFの実績表示・登録状況は裏取りできるか→別記事で確認済み
判断するときに押さえたいこと
タダシが「DX・生成AI関連2銘柄」という記事について確認できたのは、ここまでだ。 Hmcomm株式会社(265A)と株式会社FIXER(5129)は、どちらも実在する東証グロース市場の上場企業で、記事が挙げる決算数値の大枠は、各社が公表している決算短信と照らし合わせて確認した。 一方で、Hmcommのストップ高情報は取引所の一次情報ではなく二次情報での確認にとどまり、「音を聞くAI」という言い回しはHmcomm公式の自称ではなく第三者の表現だった。 FIXERの「前期比-38.5%」は決算短信に記載のない独自算出で、2026年8月期会社計画も、赤字幅縮小であって黒字化ではない——これらは、タダシが確認できた事実として、そのまま書いておく。 記事末尾で案内されている先読みテンバガーナビ・投資顧問ジャーナル・IFについては、当サイトの別記事ですでに確認ポイントを整理してある。 だから今回は、この記事そのものの数字に絞って書いた。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。
- Hmcomm株式会社(265A)の決算数値を、会社が公表する決算短信の原文で確認したか
- 株式会社FIXER(5129)の決算数値を、会社が公表する決算短信・適時開示の原文で確認したか
- 「ストップ高」「+14.37%」等の株価情報が、取引所の適時開示や証券会社アプリなどの一次情報でも確認できるかを調べたか
- 「音を聞くAI」等の印象的なフレーズが、運営会社の公式な自称なのか、第三者の言い換えなのかを確認したか
- FIXERの「赤字幅縮小」という会社計画が、黒字化を意味するものではないことを理解したうえで数字を見たか
- 記事末尾の投資情報配信サービス(先読みテンバガーナビ/投資顧問ジャーナル/IF)に登録する前に、それぞれの確認ポイントをまとめた別記事を読んだか

タダシ
情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。