「上場すれば資産が何十倍になる」——そう聞いて心が動いたなら、いったん深呼吸したい。 止めもしないし、押しもしない。 ただ、お金を入れる前に一緒に確かめておきたいことがある。 結論から言う。 IEOやICOの案件で最初に見るべきは「何倍になる」ではなく、運営元と取引所が公的に確認できるかどうかだ。 ここがあいまいなまま買うと、後で困っても助けてくれる窓口が限られる。 アマテラスについて、わかった事実と、伝聞にとどまることを分けて、淡々と整理していく。 憶測や決めつけは書かない。

この記事の要点

「アマテラス(アマテラスコイン/AMATERAS)」として紹介された暗号資産について、詐欺だと決めつける前に、買う前に自分で確かめておきたい確認ポイントを中立に整理する。 運営元の実在・暗号資産交換業の登録・「値上がりする」の根拠を、公開情報とあわせて見ていく。

この記事の目次
  1. アマテラスとは——まず「言われていること」と「事実」を分ける
  2. 確かめたい①:暗号資産の交換業として登録があるか
  3. 確かめたい②:「上場する」「値上がりする」を裏付ける根拠があるか
  4. 確かめたい③:運営元と、宣伝に登場した著名人が公的に確認できるか
  5. 迷ったら、買う前に一度立ち止まる
  6. 判断するときに押さえたいこと
  7. 出典・参考情報

アマテラスとは——まず「言われていること」と「事実」を分ける

アマテラス(アマテラスコイン/AMATERAS)は、著名な投資家やインフルエンサーが宣伝に登場し、「上場すれば資産が何十倍にもなる」といった触れ込みで紹介された暗号資産の案件だとされる。 IEO・ICOとは、新しいトークン(コイン)を発行して、その購入というかたちで資金を集める手法のこと。 紹介の場面では、期待される倍率が「50倍」から「30倍」へと変わっていったとも指摘されている。

ネット上では「別の企業がすでに提供しているサービスと似ている」「収益の見込みが二転三転している」といった声があるとされる。 ただ、これはタダシが一次情報まで裏を取れていない伝聞だ。 伝聞と、公開情報で確認できる事実は、分けて扱いたい。

だから、この記事では口コミを根拠にしない。 暗号資産交換業の登録の有無や、運営会社が公的に確認できるかどうか——あなた自身でも確かめられる事実だけを並べていく。 似たタイプの案件はキングスコイン(KINGS)のICOの記事でも整理しているので、あわせて読むと見取り図が増える。

アマテラスとして紹介されたスロット風アプリの画面
アマテラスとして紹介されたスロット風アプリの画面。別の企業がすでに提供しているサービスと似ていると指摘されている。(画像:参考記事より)

確かめたい①:暗号資産の交換業として登録があるか

国内で暗号資産(仮想通貨)の交換・売買サービスを業として行うには、金融庁・財務局への登録(暗号資産交換業)が必要だ。 まずは金融庁の暗号資産(仮想通貨)に関する情報で、制度の枠組みと登録業者一覧を確認しておきたい。

あわせて見ておきたいのが、金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」だ。 金融庁は、無登録で勧誘を行うとして警告書を出した相手の名称を公表している。

アマテラスの発行元や、コインを購入・売買できるとされる取引所が、これらの登録・公表のどこに当たるのか、タダシが確認した範囲でははっきりしなかった。 無登録の海外取引所を入り口にしているなら、それは注意が必要な構図——ここは、買う前にあなた自身でも確かめておきたい

金融庁の無登録業者の名称公表ページ
金融庁は、無登録で金融商品取引業を行うとして警告書を出した業者の名称を公表している。(出典:金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」)

確かめたい②:「上場する」「値上がりする」を裏付ける根拠があるか

IEO・ICOの案件では「取引所に上場する」「これから何倍にもなる」といった言葉が前に出やすい。 覚えておきたいのは、上場は価値や安全を保証するものではないということだ。 とくにマイナーな取引所では、取引量が少なく、思った値段で売れないことがある。

「上場したのに、いざ売ろうとしたら買い手がいない」という状況は、実際に起こりうる。 だからこそ、高いリターンを期待させる話ほど、その裏付けを冷静に見たい。 金融庁も無登録業者との取引は要注意だと注意喚起している。

アマテラスの「資産が何十倍になる」という説明を裏付ける一次情報は、確認できなかった。 しかも期待させる倍率そのものが途中で変わったとされる。 値動きを否定はしない。 ただ、その根拠を、買う前にあなた自身が確認できるか——そこを基準にしたい。

金融庁の暗号資産の利用者向けページ
国内で暗号資産の交換サービスを行うには登録が必要で、金融庁は利用者に注意を呼びかけている。(出典:金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」)

確かめたい③:運営元と、宣伝に登場した著名人が公的に確認できるか

案件の信頼性を見るうえで土台になるのが、運営会社が実在し、公的に確認できるかだ。 アマテラスの運営元としては「株式会社BANKER6」が特定商取引法に基づく表示に記載されている。 法人なら、国税庁 法人番号公表サイトで名称・所在地・法人番号を照らし合わせられる。 表示された住所や連絡先が実態と合っているかも見ておきたい。

アマテラスでは、著名な投資家やインフルエンサーが紹介動画に登場していたとされる。 ただ、覚えておきたいのは、有名な人が出ていること自体は、中身の裏付けにはならないという点だ。 金融庁も、著名人を装ったり名前を使ったりする投資勧誘に注意を呼びかけている

運営元やチームの実態を公的な資料で確認できる情報は、タダシの調べた範囲では乏しかった。 金融庁は暗号資産に関する情報で制度と注意点をまとめている。 まずは公的な入り口から確かめたい。

金融庁によるSNS投資勧誘への注意喚起ページ
金融庁は、著名人を装ったSNS上の広告や投稿による投資勧誘に注意を呼びかけている。(出典:金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください」)

迷ったら、買う前に一度立ち止まる

ここまでを整理すると、アマテラスで確認しておきたいのは3つだ。 ①暗号資産交換業の登録があるか ②「上場」「値上がり」の根拠が確認できるか ③運営元・宣伝者が公的に確認できるか。 この3つを自分の目で確かめてから判断したい。 似た暗号資産の案件の整理はリゲイン(REGAIN)のICOの記事も参考になる。

国民生活センターは暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルに注意を呼びかけている。 困ったときの相談先として、消費者ホットライン(188)や金融庁 金融サービス利用者相談室も覚えておきたい。

焦って決める必要はない。 もし「このコイン、大丈夫かな」と思ったら、LINEで案件名・URL・勧誘文のスクショを投げてほしい。 登録の有無や運営元の情報と突き合わせて、確認すべきポイントを一緒に整理する。 相談は無料だ。

判断するときに押さえたいこと

アマテラスを詐欺だと決めつけるつもりはない。 ただ、IEOやICOの案件は「何倍になる」より先に、運営元と取引所が公的に確認できるかを見ておきたい。 登録の有無・値上がりの根拠・運営元の透明性——この3つを自分の目で確かめてから決めても、遅くはない。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • アマテラスの発行元・取引所が、暗号資産交換業者として金融庁の一覧で確認できる
  • 「無登録で金融商品取引業を行う者」の公表名に含まれていないか確認した
  • 「上場」「何十倍になる」の根拠を、一次情報で確認できる
  • 運営会社(株式会社BANKER6)を国税庁 法人番号公表サイトなどで確認した
  • 宣伝に登場した著名人の存在と、案件の中身の裏付けを混同していないか確認した
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報