知人や友人から「ネットショップを持ってみないか」と誘われて、 『ツクツク』というサービスの名前を初めて聞いた——という相談が増えているという。 紹介してくれた相手は「おすそわけの仕組みで、みんなが得をする」と説明してくれたのかもしれない。 ただ、契約書にサインする前に、少しだけ確かめておきたいことがある。 止めもしないし、押しもしない。 タダシと一緒に、公開情報だけを頼りに確かめておきたい。 なお、この記事は『ツクツク』やTSUKU TSUKU株式会社、代表の阿比留章雄氏を違法・詐欺と断定するものではない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。

この記事の要点

ネットショップ開設サービス『ツクツク』の運営会社TSUKU TSUKU株式会社と代表・阿比留章雄氏について、公式サイトの会社概要や代理店募集ページ、特定商取引法の連鎖販売取引に関する定義を公開情報で確認した。 詐欺と断定するものではなく、契約前に確認しておきたいポイントを整理する。

この記事の目次
  1. まず一度立ち止まる——『おすそわけ』というキーワード
  2. 運営会社TSUKU TSUKU株式会社と阿比留章雄氏の実在を確認する
  3. 代理店募集ページから見える勧誘の仕組み
  4. 特定商取引法の『連鎖販売取引』に当てはまるなら、法律のブレーキがある
  5. 知人紹介型のトラブルは公的統計にも表れている
  6. 判断するときに押さえたいこと
  7. 出典・参考情報

まず一度立ち止まる——『おすそわけ』というキーワード

『ツクツク』は、専門知識がなくても自分のネットショップを開ける仕組み(CMS)として案内されているようだ。 通販・ウェブチケット・グルメ・ビューティー・ファームなど、複数の売り場から選べるという。

その中で目を引くのが『おすそわけ』という言葉だ。 購入者へのポイント還元と、ショップ側へのキャッシュバックを組み合わせた仕組みとされ、知人紹介で会員(出店者・代理店)が広がっている、という声がある。 ここはタダシが裏を取れていない伝聞であることを、先に断っておく。

運営会社TSUKU TSUKU株式会社と阿比留章雄氏の実在を確認する

まず、運営会社が実在するかを確認する。 公式サイトの会社概要によると、TSUKU TSUKU株式会社は2017年9月設立、本社は東京都港区浜松町の世界貿易センタービルディングとされている。 代表取締役は阿比留章雄氏だ。

事業内容は「ウェブサービス企画・開発・運用・保守」「自社メディアサービスの運用」などと記載がある。 ただし、資本金や、月額費用・初期費用の具体的な金額は、タダシが公式サイトを確認した範囲では見当たらなかった。 料金の詳細は、契約前に必ず書面で確認しておきたい。

TSUKU TSUKU株式会社の公式サイトに掲載されている会社概要ページ
(出典:TSUKU TSUKU株式会社 公式サイト「会社概要」)

代理店募集ページから見える勧誘の仕組み

公式サイトには、代理店様向けのサインインページ(AGENT WEB)が用意されている。 「代理店様 サインイン」という表示があり、申請者ID番号とパスワードでログインする仕組みだ。 これは、ショップの出店者とは別に、代理店という立場が制度として存在することを示している。

知人を紹介して代理店・出店者を増やすほど、紹介した側にも還元があるという説明がされているなら、単なるネットショップ開設サービスとは違う仕組みが組み込まれていることになる。 次の章で、この仕組みが特定商取引法上どう扱われるのかを確認する。

似た構図の案件として、株式会社QUALIA(クオリア)は怪しい?芸能人の噂より先に確かめておきたい確認ポイントも、知人紹介で会員を広げる仕組みを公開情報で確認している。 あわせて読んでおきたい。

「ツクツク」の代理店様向けサインインページ(AGENT WEB)
(出典:TSUKU TSUKU株式会社 公式「AGENT WEB」代理店様サインインページ)

特定商取引法の『連鎖販売取引』に当てはまるなら、法律のブレーキがある

特定商取引法では、連鎖販売取引(法律上の呼び方。 世の中では「マルチ商法」と呼ばれることが多い)について、要件を定めている。 消費者庁の解説によると、再販売や販売のあっせんをする者を特定利益が得られると誘引し、特定負担を伴う取引をするものが連鎖販売取引に当たるとされている。

『特定利益』とは、たとえば「紹介料がもらえる」といった利益のこと。 『特定負担』は、入会金など「名目を問わず、取引を行うために何らかの金銭負担」を指す。 『ツクツク』が紹介の連鎖で会員を広げ、紹介側に利益が発生する仕組みなら、この要件と重なって見える論点がある。 ただし、実際にこのサービスが連鎖販売取引に該当するかどうかを行政・司法が判断した記録は、タダシが探した範囲では確認できなかった。

もし連鎖販売取引に該当するなら、統括者・勧誘者には、勧誘に先立って氏名等を明示する義務がある。 さらに契約後は、書面を受け取った日から20日間はクーリング・オフ(無条件解除)ができる。 この2つは、あなた自身でも契約書・説明資料を見返せば確認できる。

その投資・副業、大丈夫?怪しい案件に共通する7つの見分け方も、契約前のチェックにあわせて役立ててほしい。

知人紹介型のトラブルは公的統計にも表れている

知人・友人からの紹介で広がるビジネスは、『ツクツク』に限った話ではない。 国民生活センターは2019年、「友人やSNSで知り合った人などから…『人に紹介すれば報酬を得られる』と勧誘され契約したものの、事業者の実態や儲け話の仕組みがよく分からない」という相談が若者に広がっていると注意を呼びかけた。

マルチ取引に関する相談件数は、国民生活センターの集計で2023年度5158件、2024年度4132件、2025年度4003件と、依然として一定数寄せられている。 『ツクツク』個別の相談件数や行政処分の記録は、タダシが探した範囲では確認できなかった。

怪しい投資・副業案件に共通する特徴とは?申し込む前に確かめたい3つのサインも、あわせて確認しておきたい。

国民生活センターが公開しているマルチ取引の相談件数データページ
(出典:国民生活センター「マルチ取引(各種相談の件数や傾向)」)

判断するときに押さえたいこと

チェックの5項目は、契約する前にあなた自身の手で埋めてみてほしい。 タダシが公開情報で確認できたのはここまでだ。 TSUKU TSUKU株式会社と阿比留章雄氏の会社概要、代理店募集の仕組み、特定商取引法の連鎖販売取引に関する要件——事実と、確認できなかったことを分けて整理した。 だから、『ツクツクは詐欺だ』と決めつけるつもりはない。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • 統括者・勧誘者から、氏名等の明示と『特定負担を伴う契約締結が目的である』という説明を、勧誘の前に受けたか
  • 契約時に交付される書面に、月額費用・初期費用・退会条件が具体的な金額で書かれているか
  • 『紹介すれば報酬がもらえる』という説明の仕組みを、自分の言葉で人に説明できるか
  • 契約から20日間はクーリング・オフができることを知っているか
  • 『必ず稼げる』『絶対に得をする』といった断定的な言い方をされていないか
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報