「元手100万円から、累計利益100億円超——投資家STFのこの経歴、本当なのかな……」もしそう思って調べているなら、まず伝えておきたいことがある。 タダシが公開情報で確認した範囲では、STF氏は松井証券の公式YouTubeや日本経済新聞、テレビ東京にも取り上げられてきた実在の個人投資家だ。 一方で、この経歴を紹介する記事の中盤と末尾には、STF氏本人との関係が確認できない「億り人が資産の増やし方を無料で教えてくれるマンツーマンレッスン」という誘導バナーが置かれている。 ただ、止めもしないし、押しもしない。 STF氏の経歴そのものは、タダシが辿れた範囲では信頼できる情報が多い。 だから今日は、経歴の中身ではなく、経歴のすぐ隣に置かれているものを、タダシと一緒に確かめておきたい。 なお、この記事はSTF氏を違法・詐欺と断定するものではないし、誘導バナーの遷移先サービスを名指しで詐欺と決めつけるものでもない。 タダシが公開情報で確認できた事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。

この記事の要点

元手100万円から累計利益100億円超と紹介される投資家STF氏は、松井証券公式YouTubeや日本経済新聞、テレビ東京にも取り上げられた実在の人物と公開情報で確認できた。 一方で経歴紹介記事内の誘導バナーが案内する別サービスとの関係は確認できておらず、その点をタダシが整理する。

この記事の目次
  1. 「STFの経歴」記事を読んでいて、まず一度立ち止まりたい理由
  2. STF氏本人について、タダシが公開情報で確認できたこと
  3. 経歴紹介に同居する誘導バナーの遷移先を確かめる
  4. 「見つからない=安全」ではない、という注意書き
  5. 「資産7.7倍増」「禁断の投資術」——断定的な勧誘には法律のブレーキがある
  6. 著名な発信者の"すぐ隣"に置かれる投資勧誘は、公的統計でも増えている
  7. 判断するときに押さえたいこと
  8. 出典・参考情報

「STFの経歴」記事を読んでいて、まず一度立ち止まりたい理由

「STFの経歴」を紹介する記事を読んで、ひとつだけ立ち止まりたいところがあった。 元手100万円から累計利益100億円超を築いたという投資家STF氏の経歴が、 スキャルピングと決算モメンタム戦略という2つの手法名とともに、 記事の中で詳しく紹介されている。

ただ、今回タダシが確かめたいのは、経歴の中身そのものではない。 この記事には、中盤と末尾の2箇所に、 「億り人が資産の増やし方を無料で教えてくれるマンツーマンレッスン」という別サービスへの誘導バナーが置かれている。 このサービスとSTF氏本人との関係は、タダシが確認した範囲では裏付けが見当たらなかった

経歴の話とバナーの話は、本来は別物のはずだ。 それが同じ記事の中で並んで置かれていると、つい“ひと続きの話”に見えてしまう。 ここに付け込む構図は、経歴が本物かどうかとは別に意識しておきたい。

似た構図は、他の記事でも見たことがある。 「10万円から1億円」遠藤洋の名前を見かけたら——申し込む前に確かめたいことでは、 実在する著名投資家の名前の周りに、無関係な広告が同居する構図を確かめた。

経歴が本物なら、隣のバナーも信頼できるという思い込みは、いったん外しておきたい。 STF氏の経歴と、バナーの遷移先が指すサービスの実態は、 別々に確かめておきたい。 この先の項目で、順番に見ていこう。

STF氏本人について、タダシが公開情報で確認できたこと

結論を急ぐ前に、STF氏本人について、 タダシが公開情報で確認できたことを整理しておきたい。

まず確認できたのは、 松井証券の公式YouTube「資産運用!学べるラブリー」への出演歴だ。 STF氏は2024年と2025年、複数回にわたってこの番組に起用されている。 松井証券の公式プレスリリース(2024年7月8日)にも、 「凄腕個人投資家STF氏」という肩書きで名前が載っている。

2021年4月7日、日本経済新聞がSTF氏を取り上げた。 見出しは「利益30億円のスゴ腕個人 波乱相場に揺れず基本を守る」というものだった。 大手経済紙が早い段階から、この人物を継続して取材してきたことがわかる。

BSテレ東の情報番組「マネーのまなび」も、 2026年6月8日の放送でSTF氏を紹介した。 番組公式ページには、出演者として「STF(投資家)」と明記されている。 テレビ東京系列の番組でも、同じ肩書きで扱われていることがわかる。

週刊誌SPA!(Yahoo!ニュース配信)も、STF氏を取り上げている。 2026年5月16日の記事の見出しは、 「株で100億円稼いだ男『1ヶ月で42億円』失った全顛末」というものだった。 この記事によると、2026年2月に総利益100億円を達成したあと、 3月には42億円減少、4月には80億円超まで回復したと報じられている。 株式投資には利益だけでなく、損失の局面もある——という推移だ。

一方で、STF氏本人が運営しているとされるXやブログは見当たらなかった。 本人発信のSNSアカウントは、タダシが探した範囲では確認できなかった。 大手メディアで繰り返し取り上げられている一方、 本人が直接発信している窓口までは確認が及ばなかった、ということだ。

経歴そのものは、タダシが辿れた範囲では、 大手メディアが繰り返し起用してきた実在の個人投資家の話だった。 ここは正直に、そう書いておきたい。

  • 2021年4月7日:日本経済新聞「利益30億円のスゴ腕個人 波乱相場に揺れず基本を守る」
  • 2024年:松井証券公式YouTube「資産運用!学べるラブリー」に初回起用
  • 2025年:同YouTubeに再起用
  • 2026年2月:総利益100億円を達成(SPA!報道)
  • 2026年3月:42億円減少
  • 2026年4月:80億円超まで回復
  • 2026年5月16日:SPA!(Yahoo!ニュース配信)が経緯を報道
  • 2026年6月8日:テレビ東京系BSテレ東「マネーのまなび」で放送

経歴紹介に同居する誘導バナーの遷移先を確かめる

STF氏の経歴を紹介する記事の中盤と末尾には、投資サービスへ誘導するバナーが置かれている。 中盤には「初心者でも大丈夫!億り人が教える『資産7.7増の投資術』」、 末尾には「資産7.7倍増↑元証券マンが教える【禁断の投資術】とは?」という文言だ。 どちらのバナーも、クリックすると stock-info.jimdofree.com など、 記事とは別のドメインへ移動する作りになっている。

経歴や実績を紹介する記事の脇に、 まったく別の投資サービスへのバナーが同居する構造は、 STF氏の記事に限った話ではない。 「投資顧問ジャーナル」は信じてよい?相場ニュースの広告で見かけたら確かめたい確認ポイントでも触れたように、 情報コンテンツの隣に置かれた投資サービス広告は、 遷移先まで自分の目で確かめておきたい対象だ。 記事の内容そのものと、バナーの遷移先にあるサービスとで、 運営元が同じとは限らない

タダシは実際にバナーをクリックし、 遷移先のページで運営会社名・所在地・特定商取引法に基づく表示を探してみた。 ただ、確認できた範囲では、 運営会社名も所在地も、特定商取引法に基づく表示も見当たらなかった。 確認できたのは、ここまでだ。

では、このバナーやサービスの企画・監修に、 STF氏本人が関わっているのだろうか。 タダシが公開情報を確認した範囲では、 関与しているともしていないとも判断できる材料が見当たらなかった。 経歴を紹介する記事に別サービスのバナーが同居しているからといって、 その人物自身がサービスの運営に関わっていると決めつけることはできない。 口コミやまとめ記事からLINE登録・別サービスへ流れていく構図は、 他の案件でも見かける。 投資顧問クチコミポリスの注目銘柄・LINE登録は大丈夫?登録前に確かめたい確認ポイントで扱った案件も、 情報記事とLINE誘導が同居するという点では近い形だ。

『資産7.7倍増』『禁断の投資術』——この言葉だけを見ると強く惹かれる。 でも、それがSTF氏の話なのか、 まったく別の誰かの話なのか、 記事の中では区別しづらい。 ここまでしか辿れなかった、というのが正直なところだ。

  • バナーのリンク先ドメイン(stock-info.jimdofree.com等)が、STF氏の公式発信(松井証券YouTube・報道)と同一の運営元かどうかを見る
  • 遷移先ページに運営会社名・所在地・連絡先(特定商取引法に基づく表示)が明記されているか探す
  • 運営会社名を、金融庁「金融事業者一括検索」(https://search.fsa.go.jp/)で照合する
  • 「マンツーマンレッスン」の講師・運営者がSTF氏本人と別の人物である旨が案内されているか確かめる
「資産7.7倍増↑元証券マンが教える禁断の投資術とは?」と訴求する誘導バナー
同記事内のもう一つの誘導バナー。「元証券マンが教える【禁断の投資術】」と訴求している。(出典:参考記事内の広告バナーより)

「見つからない=安全」ではない、という注意書き

金融庁は、無登録で金融商品取引業を行う業者の名称を公表している。 ただし金融庁自身が、 「掲載されていない者でも、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ます」と明記している。 つまりこのリストは、 「載っていたら危険」を教えてくれるものであって、 「載っていなければ安全」を保証するものではない

ここで、いったん切り離しておきたい話がある。 STF氏の経歴の話と、 記事内のバナーから遷移する先のサービスの話は、 別の確認事項だということだ。 バナー先のサービス名を、 先ほどの公表リストで探しても名前が見当たらなかったとしても、 それだけでは「安全」の証明にはならない

ここは、率直な感想として書いておきたい。 「リストに無いから大丈夫」と早合点しないこと。 STF氏の経歴が本物だからといって、 隣にあるバナー先まで一緒に信頼していい理由にはならない

だからこそ、 確かめるべきは「リストに名前があるかどうか」ではなく、 登録の有無そのものだ。 金融庁の免許・許可・登録等を受けている事業者一覧や、 金融事業者一括検索で、 遷移先サービスの運営者名を自分の目で確かめておくのが筋だ。

金融庁によるSNS投資勧誘への注意喚起ページ
金融庁は、著名人を装ったSNS上の広告や投稿による投資勧誘に注意を呼びかけている。(出典:金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください」)

「資産7.7倍増」「禁断の投資術」——断定的な勧誘には法律のブレーキがある

「資産7.7倍増の投資術」「禁断の投資術」——バナーにはこう書かれている。 どちらも強い期待を持たせる言い回しだ。 まずはこの表現そのものを、法律の物差しで確かめておきたい。

金融商品取引法第38条は、「顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて」勧誘する行為を禁じている(出典:e-Gov法令検索「金融商品取引法」)。 ざっくり言うと、将来の値動きを言い切って勧誘してはいけない、というルールだ。

金融庁も「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」で、高い利回りをうたう投資話に注意するよう呼びかけている。 「◯倍」「禁断」といった強い言葉は、その典型例のひとつと言えそうだ。

改めて記事全体を見渡すと、経歴紹介パートとバナー部分とでは、言葉のトーンに差がある。 経歴紹介は「〜に起用された」「〜と報じられている」という報道引用ベースの書き方で、バナーは「資産7.7倍増」「禁断」という断定的な煽り文句になっている。 同じ記事の中に、温度差のある2種類の文言が同居している——ここでは、その事実だけをまず押さえておきたい。

もし広告で「禁断」「倍増」という強い言葉を見かけたら、それ自体が一度立ち止まる理由になる。 きちんとした登録業者ほど、こうした言い回しは避ける。

  • 経歴紹介パートの文言:「〜に起用された」「〜と報じられている」という報道引用ベースの言い回し
  • バナー文言:「資産7.7倍増の投資術」「禁断の投資術」「初心者でも大丈夫」という断定的・煽り気味の言い回し

著名な発信者の"すぐ隣"に置かれる投資勧誘は、公的統計でも増えている

金融庁は SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意くださいというページで、 こうした手口の型を四段階に整理している。 まず、 公式アカウントの写真などを無断転載した偽アカウント・偽広告が作られる。 次に、 そのSNS上の偽広告やURLをきっかけに、 「LINEのグループへの参加や詐欺サイトへのアクセス」へ誘導される。

グループの中では特定の銘柄への投資が勧誘され、 「口座開設や入金」を求められる。 そして出金しようとする段階になって、 「出金時に高額な手数料や税金の支払いといった名目」で、 追加の入金を要求される——という流れだ。

同じ入口のトラブルは、 相談の現場でも増えている。 国民生活センターは、 SNSをきっかけに著名人を名乗る・つながりがあるなどとして勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増したと公表している。 相談件数は、 2021年度の52件から2023年度には1,629件へと、 急増している

これは、 STF氏の経歴紹介記事そのものが同じ手口だと断定するものではない。 タダシが確認できたのは、 記事の中身とバナーの並びまでで、 それ以上のことは言えない。 ただ、 著名な発信者の話題と投資勧誘が同居する構図そのものには、 公的機関が繰り返し注意を呼びかけている、 という事実は押さえておきたい。 こうした情報コンテンツの運営元を確かめる視点は、 「今買えばいい注目株」の運営者とランキングは信じてよい?市況ニュースの先を確かめる確認ポイントでも整理しているので、 あわせて確認しておきたい。

これはSTF氏個別の話というより、 著名な発信者の話題と投資勧誘が同じ場所に置かれる構図全体に向けられた注意だと、 タダシは受け止めている。

国民生活センターのSNS投資トラブル急増の注意喚起ページ
国民生活センターは、SNSをきっかけとした投資トラブルの急増に注意を呼びかけている。(出典:国民生活センター)

判断するときに押さえたいこと

ここまでのチェック項目を、あなた自身の手で埋めてみてほしい。 ✓が付かない欄が多いほど、立ち止まる理由は増えていく。 タダシが確認できたのは、STF氏が松井証券公式YouTubeや日本経済新聞、テレビ東京など複数の大手メディアに起用されてきた実在の個人投資家だということ。 そして、その経歴紹介記事の中に置かれた誘導バナーの遷移先サービスの運営元は、公開情報で確認できなかったこと——ここまでだ。 STF氏を詐欺だと決めつけているわけではないし、バナーの遷移先サービスを名指しで詐欺だと断定するものでもない。 ただ、経歴の信頼性と、隣に置かれたバナーの信頼性は、別々に確かめる必要がある。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • 「STF氏の経歴」と「誘導バナーの遷移先サービス」が、同じ運営元かどうかを自分で確認した
  • バナーの遷移先ページに、運営会社名・所在地・連絡先(特定商取引法に基づく表示)が明記されているか確認した
  • 遷移先の運営会社名を、金融庁「金融事業者一括検索」・登録事業者一覧で確認した
  • 「資産7.7倍増」「禁断」など断定的な表現がないか、広告文言を見直した
  • 無料の「マンツーマンレッスン」の先で、有料サービスや別商品への誘導がないか意識した
  • 不安が残るときの相談先(消費者ホットライン188・金融庁の相談ダイヤル)をメモしておいた
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報