「価格が下がらない暗号資産」「裏に大手金融機関が付いている」——そんな言葉で誘われて、その案件にお金を入れて大丈夫かなと迷っているなら、その“なんとなく不安”は、たいてい正しい。 この記事で扱うのは「リノコイン(RINO PLUS INC.)」。 香港に拠点があるとされ、知人の紹介や口コミを通じて広がった、と紹介されている暗号資産系の投資案件だ。 ネット上では、出金できないという声や、保険会社の名前を出して勧誘されたという指摘も見かける。 はじめに正直に書いておく。 本記事は、この案件や特定の人物・会社を「違法」「詐欺」と断定するものではない。 タダシが確認できたのは公開情報の範囲だけだ。 わかった事実と、確認できなかったことを分けて、淡々と整理していく。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがする。

この記事の要点

海外拠点とされる暗号資産系の投資案件「リノコイン(RINO PLUS INC.)」。 詐欺だと断定はしない。 ただ、お金を入れる前に、海外・無登録の暗号資産勧誘で確かめておきたい確認ポイントを、公開情報でタダシと一緒に整理する。

この記事の目次
  1. まず何が起きているのか、伝聞と事実を分けて整理する
  2. 確認ポイント①:暗号資産の勧誘に、国内の「登録」はあるか
  3. 確認ポイント②:相手が「海外所在」なら、トラブル時に何が起きるか
  4. 確認ポイント③:「大手の名前」と「絶対下がらない」という説明をどう見るか
  5. 確認ポイント④:口コミではなく、公的な統計で“いま何が起きているか”を見る
  6. 申し込む前に、一緒に確かめておきたいこと
  7. 判断するときに押さえたいこと
  8. 出典・参考情報

まず何が起きているのか、伝聞と事実を分けて整理する

結論を急ぐ前に、ひとつだけ確かめておきたい。

「リノコイン(RINO PLUS INC.)」は、暗号資産(仮想通貨)の一種として案内され、知人の紹介や説明会、口コミを通じて広がった、と紹介されている投資案件だ。 運営元は香港に所在するとされている。

ネット上では、この案件について「出金しようとしてもお金が戻ってこない」「大手保険会社の名前を出して『裏に付いている』と説明された」「価格が下がらない仕組みだと言われた」という声も見かける。 ただ、これらはあくまで“そう言われている”という伝聞だ。 タダシ自身が裏を取れたわけではない。

だからここからは、その伝聞を鵜呑みにせず、誰でも辿れる公開情報に置き換えて確かめていく。 わかった事実だけを淡々と整理する。 憶測や決めつけは書かない。

確認ポイント①:暗号資産の勧誘に、国内の「登録」はあるか

まず確かめておきたいのが、登録の有無だ。

日本国内で暗号資産と円などの交換サービスを業として行うには、金融庁(財務局)の登録が必要だ。 資金決済に関する法律の第63条の2は、暗号資産交換業について「内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない」と定めている。 (出典:e-Gov法令検索「資金決済に関する法律」第63条の2)

金融庁も「平成29年4月1日から、国内で暗号資産と法定通貨との交換サービスを行うには、暗号資産交換業の登録が必要」と説明している。 (出典:金融庁「暗号資産に関連する事業を行うみなさまへ」)

そして金融庁は、無登録で金融商品取引業を行っているとして警告書を出した業者の名称を公表している。 あわせて「掲載されていない者でも、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ます」とも注意している。 つまり、リストに載っていないこと自体は安全の証明にはならない、ということだ。 (出典:金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」)

リノコインや運営元が登録を受けているか、または無登録業者として公表されているかは、タダシが確認した範囲では一次情報で断定できなかった。 ここはあなた自身でも、金融庁のページで名称を確かめておきたい

金融庁の無登録業者の名称公表ページ
金融庁は、無登録で金融商品取引業を行うとして警告書を出した業者の名称を公表している。(出典:金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」)

確認ポイント②:相手が「海外所在」なら、トラブル時に何が起きるか

次に気になるのが、運営元の所在地だ。

リノコインの運営元は香港にあるとされている。 ここで思い出しておきたいのが、金融庁の海外所在業者への注意喚起だ。

金融庁は「無登録の海外所在業者は、業務の実態等の把握が難しく、仮にトラブルが生じたとしても業者への追及は極めて困難ですので、無登録業者との契約は行わないようにしてください」と呼びかけている。 (出典:金融庁「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」)

別のページ「無登録業者との取引は要注意!!」でも、出金を拒否されたり、急に連絡が取れなくなったりするトラブルが起きうると説明されている。 (出典:金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」)

「出金できない」という声が伝聞として出ているなら、なおさら、お金を入れる前に相手がどこの国の・どの登録を持つ事業者なのかを確認しておきたい。

金融庁による無登録業者は高リスクとの注意喚起ページ
金融庁は、無登録業者との取引は高リスクだと注意喚起している。(出典:金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」)

確認ポイント③:「大手の名前」と「絶対下がらない」という説明をどう見るか

広告や説明会の言葉も、そのまま受け取らずに見ておきたい。

ひとつは、大手金融機関の名前を出す説明だ。 金融庁は、既存の金融商品取引業者の名称やそれらしい名称を用いて信用させ、入金を求める手口や、著名人・有名企業をかたる勧誘に注意するよう呼びかけている。 (出典:金融庁「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」)

「裏に大手が付いている」と言われても、それは相手の説明にすぎない。 その金融機関の公式サイトや公式窓口で、提携や関与の事実を直接確かめるまで、事実として受け取らないでおきたい。

もうひとつは、「価格が下がらない」「必ず増える」という説明だ。 金融商品取引法第38条は、不確実な事項について断定的判断を提供したり、確実だと誤解させるおそれのあることを告げて勧誘する行為を禁じている。 (出典:e-Gov法令検索「金融商品取引法」第38条)

値動きのある資産で「下がらない」と言い切ること自体が、ふつうの説明ではない「簡単そう」と「絶対に儲かる」は、混ぜないでおこう。

確認ポイント④:口コミではなく、公的な統計で“いま何が起きているか”を見る

最後に、視野を少し広げておきたい。

国民生活センターは、SNSや知人の紹介をきっかけに著名人や大手とのつながりをうたって勧誘される金融商品・サービスのトラブルが急増していると注意喚起している。 相談件数は2021年度52件、2022年度170件、2023年度1,629件と推移したと公表されている。 (出典:国民生活センター「SNSをきっかけとして…金融商品・サービスの消費者トラブルが急増」2024年5月29日)

暗号資産についても、SNSやマッチングアプリ、友人・知人からの誘いをきっかけにしたトラブルが報告されている。 (出典:国民生活センター「SNSやマッチングアプリ、友人・知人からの誘いをきっかけとした暗号資産のトラブル」)

国民生活センターは、いったん振り込んでしまうと被害回復が困難だとも強調している。 だからこそ、判断は振り込みの“前”にしておきたい

口コミは「気配」までだ。 判断は、登録の有無・運営元の所在地・契約条件の3つを自分の目で確認してから。 これってシンプルなんだ。

国民生活センターのSNS投資トラブル急増の注意喚起ページ
国民生活センターは、SNSをきっかけとした投資トラブルの急増に注意を呼びかけている。(出典:国民生活センター)

申し込む前に、一緒に確かめておきたいこと

焦って決める必要はない。 でも、お金を入れる前のひと手間で、防げることがある。

リノコインを「詐欺だ」と決めつけるつもりはない。 ただ、海外拠点・無登録・暗号資産・口コミ拡大という要素が重なるときは、確かめておきたい点が多い、というのが公開情報から見えてくることだ。

もし「この案件、大丈夫かな」と思ったら、案件名・URL・勧誘文のスクショを手元に、下のチェックリストを一つずつ埋めてみてほしい。 答えはたぶん、すでに公開情報の中にある。 タダシと一緒に探してみよう。

判断するときに押さえたいこと

リノコイン(RINO PLUS INC.)について、タダシが公開情報で確認できたのはここまでだ。 海外拠点とされること、暗号資産の勧誘には国内登録が必要であること、無登録・海外所在業者はトラブル時の追及が難しいと金融庁が注意していること——この3つは、誰でも自分の手で確かめられる事実だ。 一方で、運営元の登録の有無や「裏に大手が付いている」という説明の真偽は、一次情報では確認できなかった。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • 運営元が金融庁(財務局)の登録を受けているか、または無登録業者として公表されていないかを、金融庁のページで確認したか
  • 運営元の所在地(海外か国内か)と、トラブル時の連絡・出金の窓口を確認したか
  • 「大手金融機関が付いている」という説明を、その金融機関の公式サイト・公式窓口で直接確かめたか
  • 「価格が下がらない」「必ず増える」など断定的な説明がなかったか、契約条件・手数料・出金条件を書面で確認したか
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報