「日経平均一時450円安、半導体調整売りが主導——」 そんな見出しの市況ニュースを読んでいくと、本文が終わった直後に黄色いハイライトの箱が現れる。 「相場の急変、あなたは気づけていますか?」 その下には、運営責任者「佐藤」の写真とともに、公式LINEへの登録ボタンが置かれている。 登録すると、まず「注目の銘柄リスト」が無料で届くという。 先に言っておく。 この記事は「今買えばいい注目株」というサイトを違法・詐欺と断定するものではない。 日経平均やTOPIXの数字自体は、誰でも確認できる公開情報がもとになっている。 ただ、そのLINE登録の先——サイトの別ページで公開されている「投資実績」の数字が、タダシには少し気になった。 止めもしないし、押しもしない。 ボタンを押す前に、一緒に確かめておきたいことがある。

この記事の要点

日経平均の市況ニュースを配信する「今買えばいい注目株」。 LINE登録の先で公開されている"投資実績"の売買価格・日付を、日本経済新聞が公表する2026年の年間高値・安値データと照合したところ、複数銘柄で価格と日付が完全に一致していた。 タダシが公開情報だけで確かめる。

この記事の目次
  1. 結論:市況ニュースの先に置かれた「実績」を確かめる
  2. 「今買えばいい注目株」が公開している"投資実績"を並べてみる
  3. SUMCOの「売値」は、2026年の年間最高値と同じ日・同じ価格だった
  4. フィックスターズの「売値」も、年間の最高値とぴったり重なっていた
  5. LiNKXの「買値」は、上場したその日の最安値だった
  6. 一致しなかった銘柄もある——クオンタムソリューションズ
  7. まとめ:3つに分けて見る
  8. 判断するときに押さえたいこと
  9. 出典・参考情報

結論:市況ニュースの先に置かれた「実績」を確かめる

わかった事実だけを淡々と整理する。 憶測や決めつけは書かない。

2026年8月26日の記事が伝えていた「日経平均が一時450円安まで売られた」「TOPIXは上昇を維持した」「1ドル=159円台前半まで円高が進んだ」という数字自体は、取引所や外国為替市場の値動きをもとにした公開情報であり、この部分をタダシが疑う理由はない。

気になったのは、その市況説明のすぐあとに置かれた黄色いボックスと、LINE登録の先にある「投資実績」というページの中身だった。

「今買えばいい注目株」が公開している"投資実績"を並べてみる

「今買えばいい注目株」には「今買えばいい注目株の運営責任者・会社情報」というページがあり、そこに「最新の投資実績」という表が掲載されている。

並んでいるのは、【584A】LiNKX(推奨買値2026年6月23日921円→推奨売値6月30日3775円、4.10倍)、【3436】SUMCO(推奨買値6月11日2954円→推奨売値7月13日5939円、2.01倍)、【2338】クオンタムソリューションズ(推奨買値5月19日95円→推奨売値5月27日230円、2.42倍)、【3687】フィックスターズ(推奨買値5月1日1251円→推奨売値6月5日3690円、2.95倍)の4銘柄だ。

いずれも実在する上場企業の銘柄コードと、具体的な日付・価格が添えられている。 この表の数字が本当だとしたら、かなり精度の高い「推奨」ということになる。 タダシは、日本経済新聞が公表している株価の記録と照らし合わせてみることにした。

「今買えばいい注目株」の運営者情報ページに掲載されている『最新の投資実績』の表。LiNKX・SUMCO・クオンタムソリューションズ・フィックスターズの推奨買値・推奨売値・獲得利益が並ぶ
運営者情報ページに掲載されている『最新の投資実績』。銘柄コード・推奨買値・推奨売値・獲得利益・上昇倍率が具体的な日付つきで並ぶ。(画像:参考サイトより)

SUMCOの「売値」は、2026年の年間最高値と同じ日・同じ価格だった

日本経済新聞が公表しているSUMCO(3436)の「年間高安」の記録を確認した。

2026年の年間高値は5,939.0円、記録された日付は7月13日と明記されている。 「今買えばいい注目株」の実績表にある「推奨売値 2026年07月13日 5939円」と、日付・価格ともに完全に一致していた。

その年でもっとも高く売れた日・その値段を、あとから「推奨した売値」として掲載すれば、数字が一致するのは当然だ。 この一致が事前の推奨によるものか、結果を見てから作られた表なのかは、この記事だけでは判断できない。

日本経済新聞のSUMCO(3436)過去10年間の株価推移ページ。2026年の年間高値が5,939.0円(7/13)と記載されている
日本経済新聞が公表するSUMCOの年間高安の記録。2026年の年間高値は5,939.0円で、記録日は7月13日となっている。(出典:日本経済新聞)

フィックスターズの「売値」も、年間の最高値とぴったり重なっていた

同じ確認をフィックスターズ(3687)でも行った。 日本経済新聞の記録では、2026年の年間高値は3,690.0円、記録日は6月5日となっている。

実績表の「推奨売値 2026年06月05日 3690円」と、こちらも日付・価格ともに一致していた。 確認できた4銘柄のうち、少なくとも2銘柄で「売値」がその年の最高値の記録とぴったり重なっていたことになる。

日本経済新聞のフィックスターズ(3687)過去10年間の株価推移ページ。2026年の年間高値が3,690.0円(6/5)と記載されている
日本経済新聞が公表するフィックスターズの年間高安の記録。2026年の年間高値は3,690.0円で、記録日は6月5日となっている。(出典:日本経済新聞)

LiNKXの「買値」は、上場したその日の最安値だった

LiNKX(584A)は2026年6月23日に新規上場した銘柄だ。 日本経済新聞の記録によると、上場日の始値は1,075円、その日のうちに記録された年初来安値は921円となっている。

実績表の「推奨買値 2026年06月23日 921円」は、この年初来安値と日付・価格が一致する。 上場したばかりの銘柄が1日のうちにつける最安値を、あらかじめ「推奨買値」として言い当てるのは簡単なことではない。

この一致についても、タダシが判断できるのは「日本経済新聞の記録と数字が一致した」という事実までだ。

日本経済新聞のLiNKX(584A)過去10年間の株価推移ページ。2026年の始値1,075.0円・高値6,340.0円・安値921.0円(6/23)と記載されている
日本経済新聞が公表するLiNKXの年間高安の記録。上場日である6月23日に、年初来安値921.0円が記録されている。(出典:日本経済新聞)

一致しなかった銘柄もある——クオンタムソリューションズ

公平を期すため、一致しなかった銘柄も書いておく。 クオンタムソリューションズ(2338)の実績表は「推奨買値5月19日95円→推奨売値5月27日230円」となっているが、日本経済新聞の年間高安の記録では、2026年の年間安値は91.0円(2月27日)、年間高値は390.0円(1月6日)で、実績表の日付・価格とは一致しなかった。

4銘柄すべてが「年間の天井・底」と一致していたわけではない、という事実も、あわせて残しておく。

まとめ:3つに分けて見る

ここまでの話を、3つに分けて整理しておく。 ひとつ目、市況ニュースの本文(日経平均・TOPIX・為替)は公開情報がもとになっており、確認できる。 ふたつ目、その先のLINE登録で届く「投資実績」は、確認できた4銘柄のうち2銘柄で「売値」が年間最高値の記録と、1銘柄で「買値」が年初来安値の記録と、日付・価格ともに一致していた。 みっつ目、残る1銘柄は年間高安の記録と一致しなかった。

この実績表がどのように作られたものかを、タダシが断定することはできない。 ただ、「実績」の数字を見るときは、その売買が本当に事前に示されたものかを確認する視点があってよいと思う。

「今買えばいい注目株」の運営者情報や、記事に置かれた「投資顧問おすすめランキング」については、運営者とランキングを確かめた記事でも整理している。 ランキング・比較サイト全般の見方は、おすすめランキングの確認ポイントを整理した記事もあわせて読んでほしい。

判断するときに押さえたいこと

タダシが「今買えばいい注目株」の投資実績表について確認できたのは、ここまでだ。 市況ニュースの数字自体は公開情報がもとになっている。 一方で、LINE登録の先にある実績表は、確認できた4銘柄のうち3銘柄で、日付・価格が日本経済新聞の年間高値・安値の記録とぴったり一致していた。 「今買えばいい注目株」自体を詐欺だと決めつけるつもりはない。 ただ、市況ニュースを読んで感心したその流れのまま、実績表の倍率だけを見て申し込みを決める必要はない。 もし気になるサービスを見つけたら、銘柄名・URL・実績のスクショをLINEで送ってほしい。 公開されている株価データや運営会社の情報と、一緒に突き合わせて確認する。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。

申し込む前の確認リスト
  • 実績表に書かれた「買値・売値」の日付を、自分でも公開されている株価データと照らし合わせたか
  • その「推奨」が、結果が出たあとに作られた表ではないかを考えてみたか
  • 「4.10倍」「2.42倍」といった倍率の高さだけで、登録や申し込みを判断していないか
  • 気になるサービスは、運営者情報・特定商取引法の表記まで自分の目で確認したか
運営者 タダシ株選びナビ 運営者
タダシ
編集者から、読むときのひとこと

情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。

出典・参考情報