結論を先に言う。 運営会社のKINDLER株式会社は、法人番号(9011001117996)で実在を確認できた。 代表・門脇明日香氏が投資家番組『ANGELS』や『令和の虎CHANNEL』に出演した事実も、公式サイトで確認できた。 ただし、AI CAMPの受講料がいくらなのかは、広告にも、公式サイトにも、特定商取引法に基づく表記にも、金額として書かれていなかった。 特商法表記の「販売価格」欄は、「商品申込ページに記載」とあるだけだった。 なお、この記事はAI CAMP・KINDLER株式会社・門脇明日香氏を違法・詐欺と断定するものではない。 運営の実在と、料金が事前にわからない構造——このふたつを、公開情報から淡々と整理する。
Instagram広告で見かける「2日で身につく実践型AIスキル」AI CAMP(運営会社KINDLER株式会社、代表・門脇明日香氏)について、法人番号や特定商取引法の表記など公開情報から実態を確認し、受講料が事前にわからない構造をタダシが中立的に整理する。
この記事の目次
AI CAMPとは?Instagram広告で見かける「2日で身につくAIスキル」を確認する
Instagramの広告で、AI CAMPというAIスクールを見かけたという人がいる。 「土日わずか2日で、案件獲得にもキャリアにも直結する実践型AIスキルが身につく」——広告にはそう書かれている。
結論を先に、簡潔に置いておく。 運営会社のKINDLER株式会社は、法人番号で実在を確認できた。 ただし受講料については、広告にも公式サイトにも金額の記載が見当たらなかった。
先に断っておくと、この記事はAI CAMPやKINDLER株式会社、代表の門脇明日香氏を違法・詐欺と断定するものではない。 わかった事実だけを淡々と整理する。 憶測や決めつけは書かない。
参考にした情報の中には、既に公開が終了していた記事を、Wayback Machineで確認したものも含まれている。 ここから先は、タダシが実際に確認できた一次情報を中心に、順番に見ていく。
門脇明日香氏とKINDLER株式会社は実在するか——法人番号と公開情報で確認する
広告や紹介記事では、代表の門脇明日香氏について「東京大学大学院でAIを研究し特許を取得」「2017年8月にKINDLER株式会社を設立」という経歴が紹介されているという。 ただし、この経歴の詳細をタダシが独自に裏取りできたわけではない。
そこでまず、法人としての実在だけでも確認しておきたいと思った。 経済産業省が提供するgBizINFOで法人番号(9011001117996)を検索したところ、実在は確認できた。 本店所在地は「東京都渋谷区神宮前3丁目27-15 FLAG3I」と記載されている。
ただし同じページの代表者名・資本金・従業員数・設立年月日の欄は空欄で、そこまでは確認できなかった。 法人としての実在と、紹介されている経歴の詳細が確認できるかどうかは、別の話だと思っておきたい。
広告や紹介記事では、投資家向けドキュメンタリー番組「ANGELS」に出演した際、本田圭佑氏から即決出資を受けたとも紹介されている。 KINDLER株式会社公式サイトのニュース記事を確認したところ、見出しは「本田圭佑が即決出資 美容×AIで世界に挑む」となっていた。
この見出しを素直に読むと、出資の対象はKINDLER社の「美容×AI」事業であって、AI CAMP事業そのものへの出資と明記されているわけではない。 ここは混同しないよう、正確に分けておきたい。
また公式サイトの別のページでは、代表が「令和の虎CHANNEL」に出演したことも紹介されている。 「令和の虎」はテレビ番組ではなく、YouTubeで配信されている番組だ。 ここも紹介のされ方次第で、印象が変わる点だと思う。
さらに公式サイトの受賞に関するページでは、「HONGO AI 2022 Award」を受賞したと公表している。 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の発表によれば、HONGO AIというコンテストの中に、経済産業省が関与する「経済産業省産業技術環境局長賞」という特別賞が存在することは確認できた。
ただし、KINDLER社が受賞した「2022 Award」が、この経産省の特別賞そのものかどうかまでは、タダシが確認できた範囲ではわからなかった。 「経産省から表彰された」と決めつけず、「経産省が関与するコンテストで受賞したと公表している」というところにとどめておきたい。
- 確認できたこと:gBizINFOでの法人番号(9011001117996)による実在、ANGELS出演の事実、令和の虎CHANNEL出演の事実、HONGO AI 2022 Award受賞の公表
- 確認できなかったこと:gBizINFO上の代表者名・資本金・従業員数・設立年月日、東大大学院での研究や特許取得の詳細、AI CAMP事業そのものへの本田圭佑氏の出資、HONGO AI受賞が経産省特別賞そのものかどうか

AI CAMPの受講料はいくら?特定商取引法の表記を確認する
AI CAMPの広告や公式LPを見ても、受講料がいくらなのかは書かれていない。 参考にした情報(rise-job.com。 すでに削除されているため、Wayback Machineで確認した内容)によれば、受講料はLINE登録後の個別説明で初めてわかる仕組みだという。
この伝聞をそのまま鵜呑みにはせず、タダシ自身でも確認してみた。 広告に金額がないなら、特定商取引法に基づく表記を見れば分かるはずだ。 AI CAMPの公式LPから辿れる特定商取引法に基づく記載を、実際に開いて確認した。
販売社名「KINDLER株式会社」、運営統括責任者「門脇明日香」、所在地「東京都渋谷区神宮前3丁目27−15 FLAG原宿3I」、電話番号「080-4192-2099(お問い合わせはメールで)」の記載は、確かにあった。 事業者情報そのものは、確認できたと言っていい。
広告ではこう言っている。 「LINE登録すれば、詳しい説明が受けられる」。 一方、特定商取引法表記の「販売価格」欄は金額ではなく、「商品申込ページに記載」とだけ書かれていた。 つまりこの表記ページ自体には、受講料の金額は明記されていなかった。
事業者情報がそろっていることと、料金があらかじめ分かることは、別の話だと思う。 申し込みの意思を固める前に、総額がいくらになるのかだけは、書面かメッセージの形で残る方法で確認しておきたい。
- 特定商取引法に基づく表記のページで、「販売価格」欄の記載内容を確認する
- 金額が「商品申込ページに記載」となっている場合は、その申込ページ自体に金額表示があるかも確認する
- LINE登録前に、総額・分割払いの有無・キャンセル規定を書面か記録に残る形で聞く
「国の助成金対象」という案内をどう見るか
参考にした情報によれば、AI CAMPは国の助成金の対象とされていて、条件が合えば受講料が安くなる場合もある、と紹介されているという。
この案内が正確かどうかを確認するため、タダシは厚生労働省の人材開発支援助成金のページを確認した。 そこには、この助成金が「事業主の方のための雇用関係助成金」だと明記されていた。
つまりこの制度は、企業(事業主)が従業員に研修を受けさせた場合に、その経費の一部を助成するものだ。 個人が単独で申請して、自分のスクールの受講料を安くできる制度ではない。
参考にした紹介の書き方だけでは、対象が個人なのか事業主なのかがはっきりしなかった。 事業主向けの制度と、個人でも使えるかのような案内が、混同されている可能性はあると思う。
もし「助成金が使える」と案内されたら、それが個人としてなのか、勤務先の会社を通じてなのか、制度の正式名称と一緒に確認しておきたい。
- 案内されている助成金の正式名称を確認する
- 申請者が個人なのか、勤務先の事業主なのかを確認する
- 厚生労働省のページで、その制度の対象者欄を自分でも読んでみる
タダシが確認しておきたいと思うこと
ここまで確認してきたことを踏まえて、タダシが思うことを書いておきたい。
消費者庁は2025年6月26日、「簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者」への注意喚起を出している。 SNS広告からLINE登録に誘導し、個別に高額なプランを提示する勧誘の構造そのものに、注意を呼びかける内容だ。
この注意喚起は、AI CAMPを名指ししたものではない。 国民生活センターも2024年9月、SNSきっかけの副業トラブルについて、同じように一般的な注意を発信している。 これも個別の案件を指すものではない。
タダシが気になっているのは、AI CAMPという特定の案件そのものではない。 料金が事前にわからないまま、話がLINE登録の先へ進んでいく構造についてだ。 これは、AI CAMPに限った話ではないと思う。
だから、もしLINE登録を検討しているなら、登録の前に一つだけ確認しておきたい。 受講料の総額と、分割払いの有無、返金の条件が、書面か記録に残る形で提示されるかどうか、その場で聞いてみてほしい。
- LINE登録前に、受講料の総額を書面かメッセージで確認する
- 分割払い・追加費用の有無を確認する
- 返金・キャンセル条件を確認する
- 「助成金」等の案内があれば、対象が個人か事業主かを確認する

KINDLER株式会社が掲げるブランドイメージも確認しておく
最後に、運営会社の雰囲気も見ておきたい。 KINDLER株式会社の公式サイトは、「AI×WAKU2 あなたの未来に、熱狂の火を灯そう。」というメッセージを掲げている。
AI関連のサービスを複数展開している会社で、AI CAMPはそのうちのひとつという位置づけだ。 ブランディングとしては明るく前向きな会社という印象を受ける。
ただ、会社の雰囲気が前向きであることと、個別のサービスの料金体系がわかりやすいことは、別の話だと思う。 ここまで確認してきたとおり、運営会社の実在は確認できたが、AI CAMPの受講料は事前にわからない——このふたつを分けて覚えておいてほしい。

判断するときに押さえたいこと
ここまでのチェック項目を、あなた自身の手で埋めてみてほしい。 タダシが確認できたのは、次の2つだ。 ひとつ、運営会社のKINDLER株式会社は、法人番号による実在確認ができた。 代表の門脇明日香氏がANGELSや令和の虎CHANNELに出演した事実も、公式サイトで確認できた。 もうひとつ、AI CAMPの受講料は、広告にも公式サイトにも、特定商取引法の表記にも、金額として書かれていなかった。 事業者情報がそろっていることと、料金が事前にわかることは、別の話だ。 AI CAMPを詐欺だと決めつけているわけではない。 運営の実在は確認できたからこそ、あとは料金と条件を、自分の目で確認してから決めてほしいと思う。 最終的に判断するのは、あなた自身。 ただ、その判断材料を増やすお手伝いだけは、タダシがします。
- AI CAMPの特定商取引法に基づく表記で、事業者名・所在地・連絡先を自分の目で確認したか
- 受講料の総額が、書面かメッセージなど記録に残る形で提示されるかを確認したか
- 「国の助成金対象」と案内された場合、対象が個人か事業主かを確認したか
- 本田圭佑氏の出資やメディア出演の実績が、AI CAMP事業そのものに関するものか、KINDLER社の別事業に関するものかを区別して確認したか
出典・参考情報
- gBizINFO(経済産業省)「KINDLER株式会社」法人プロフィール ↗
- KINDLER株式会社公式サイト「特定商取引法に基づく記載」(AI CAMP申込ページ) ↗
- KINDLER株式会社公式サイト「本田圭佑が即決出資 美容×AIで世界に挑む(ANGELS配信スタート)」 ↗
- KINDLER株式会社公式サイト「当社代表が令和の虎CHANNELに出演しました」 ↗
- KINDLER株式会社公式サイト「HONGO AI 2022 Award受賞」 ↗
- NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)「『HONGO AI 2019』を開催」 ↗
- 厚生労働省「人材開発支援助成金の申請書類一覧」 ↗
- 消費者庁「簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起」(2025年6月26日公表) ↗
- 国民生活センター「スキマ時間に気軽に稼げる等とうたう副業トラブル!」(2024年9月4日公表) ↗

タダシ
情報をひとつに絞らず、運営情報・料金・条件をそれぞれ確かめてみてください。判断に迷う点があれば、一緒に整理します。